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水害のメカニズム

水害のメカニズムについて考えてみました。

(1)水害が起きる要因
水害が起きる時には、どのような要因がはたらいているのでしょうか?
松山市を例にとって考えてみます。
①雨
一時に大量に降れば、それだけで川の水位は上がります。
松山市を流れる重信川は、東三方ヶを扇頂として、松山平野という広大な扇状地を形成しています。
雨の降る量は高知県などに比べて少ないのですが、一般的には背後の山体に湿った風がぶつかることで、一時的に大きい雨が降りやすいという特徴があります。
②地質
地質にも、石のように固いところと砂のように柔らかいところがあります。
当然、地質の状態により、雨が降った時の様子が違ってきます。
特に高縄山は花崗岩でもろく崩れやすいので、土砂崩れや地すべりが起きやすい地質です。
さらに、崩れた土砂が川に流れ込めば川をせき止めるなどして、状況をさらに悪化させていくこともあります。
③都市化
都市部では、地表がアスファルトやコンクリートになっており、雨は地面にしみこむことなく、直接道路側溝や川に流れ込みます。
水がしみこむ時間がないので、その到達時間が早くなっており、川の水位は急に上がりやすくなっています。
④川の勾配
重信川は、全長36km、流域面積は445 平方kmで、松山市の背後にすぐ山がある印象です。
このため、長さが短く、流れが急という特徴があり、重信川はかつては「暴れ川」として伝えられています。
⑤あふれた水
道路や家屋に降った雨は、道路側溝や雨水幹線を通して川や海に流れていきます。
しかし、ある程度以上に雨が降ると、一杯になった道路側溝や雨水幹線からあふれた水が地盤の低いところや地下室などに流れ込むことになります。

(2)被害の発生原因
そして、水害による被害の発生原因は、大きく2つに分けられます。
①外水氾濫
溢水や破堤などで、提内地に河川の水が流れ出し、浸水する水害です。
②内水氾濫
洪水時、本川の水位の上昇や流域内の多量の降雨等により、提内地の排水が困難になり浸水する水害です。
街に降った雨は、下水道などをとおって川に排水されます。
大雨が降ると川の水位が上がり、排水されずに下水道などが溢れてしまう氾濫です。
また、大雨が降ったとき、道路の側溝がつまったり、道路の低くなっているところに水がたまったりしても氾濫は起こります。

松山市の水害としては、過去には水害が頻繁に起こっていた時期がありましたが、現在では河川整備も進み、水害の可能性としては、「都市型水害」と言われる内水氾濫に注意する必要があると思います。
都市部では雨水の排出は、下水道や暗渠となった小河川に頼っているので、地下の水量を確認する手だてがなく、外水氾濫のように水深が○mに達したら、警報を鳴らすといった対応がとれません。

(3)雨の強さと被害
では、どの程度の雨が降ると、都市型水害が発生するのでしょうか。
気象庁では、1時間に10ミリ以上の降雨の場合を「強い雨」としています。
警報などは、概ね「1時間に10~20ミリの降雨」のとき大雨注意報、「1時間に20ミリ以上の降雨」のとき、大雨警報を出しています(これは地域によって設定値が違います)。
雨の強さの目安は、以下の表のとおりで、1時間50ミリの雨が水害発生の目安になります。
1時間に50ミリ以上になると、地下室や地下街に水が流れ込んだり、マンホールから水が噴出したり、被害が発生すると考えられています。
1時間に80ミリ以上になると、地下街や地下室で死亡事故が起こるような大被害が発生します。
この場合は、雷を伴う降雨になりますので、水害の被害の他、停電で電車が止まるなど、都市機能がマヒします。
最近では、ゲリラ豪雨といった突発的な豪雨で、1時間に50ミリ以上の豪雨は頻繁に発生しています。
また、前線の影響で台風の速度が異常に遅くなり、今年に入って長時間の豪雨も確認されています。
下表に1時間雨量と被害の目安があります。
あらかじめマンホールなどの危険箇所を調べて、水害発生における浸水範囲や避難場所をきちっと確認しておくことが大切だと思います。

表.1 1時間雨量と被害の目安
1時間雨量
(ミリ)
予報用語人の受けるイメージ

屋外の様子

車に乗っていて

災害発生状況
10~20やや強い雨ザーザーと降る地面一面に水たまりができる
地面からの跳ね返りで足元がぬれる
 この程度の雨でも長く続く時は注意が必要
20~30強い雨どしゃ降り傘をさしていてもぬれるワイパーを速くしても見づらい側溝や下水、小さな川があふれ、小規模の崖崩れが始まる
30~50激しい雨バケツをひっくり返したように降る道路が川のようになる高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象山崩れ・崖崩れが起きやすくなり、危険地帯では避難の準備が必要
都市では下水管から雨水があふれる
50~80非常に激しい雨滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる
傘は全く役に立たなくなる
車の運転は危険都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合がある
マンホールから水が噴出する

土石流が起こりやすい
多くの災害が発生する
80~猛烈な雨息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる

同上

同上
雨による大規模な災害の発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要
出典:気象庁HP(平成12年8月作成)

ガレキを用いた防潮林堤

宮城県や岩手県では、大津波による甚大な被害を被りました。
そして、海岸の松林はこの波に飲まれてしまいました。
後に残ったのは、潮をかぶった膨大な量のガレキです。
潮をかぶっていないガレキは焼却できるのですが、潮をかぶっていると、塩素が焼却炉に付くので、洗ってからでないと焼却できません。
各自治体はこのガレキの処理に頭を抱えています。
生態学者で、地球環境戦略研究機関国際生態学センター長、横浜国立大学名誉教授の宮脇 昭(みやわき あきら、1928年(昭和3年)1月29日 - )さんは、この海水をかぶったガレキを利用した防潮林を提案しています。

(1)ガレキの埋設
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」

震災によってでた、大量のガレキの山を、その中の毒と分解不能なもの以外を有用なものを、穴を掘って埋め、土と混ぜます。

(2)ガレキのマウンド
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」 

地表より20~30m程度のガレキのマウンド(植栽地)を造ります。
マウンドを高くすることで、津波に対してより安全性が高まる防潮林堤となります。
地下部分は、ガレキの量にもよりますが、10m程度に設定します。
幅は30m以上は必要だと思います。

(3)ガレキを用いた防潮林堤
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」

毒性のものとコンクリートなどの分解不能なものを取り除いた被災現場の廃材を有効利用した防潮林堤です。
付近のガレキを利用することにより、運搬などの無駄なコストを省け、経済性に優れています。
潮につかったガレキでも良いので、燃やす必要がなく、環境面にも優れています。
ガレキと土壌の間に空気層が生まれ、より地中に根が入り、根がガレキを抱くことにより、木々が安定します。
有機性廃棄物は、年月をかけて土にかえります。
津波対策としては、地表から木々の上まで高さ40~50m必要です。
その土地本来の色々な種類の常緑広葉樹(潜在自然植生)による森(高木・亜高木・低木・草本植物による多層群落の森)による防潮林堤で、以下の樹木が適しています。
①高木:タブノキ、シラカシ、アカガシ、ウラジロガシ等
②亜高木:ヤブツバキ、モチノキ、ユズリハ、シロダモ等
③低木:ヒサカキ、マサキ、ヤツデ等
これらの樹木は、深根性・直根性で地中にしっかりと根を張り、根こそぎ倒れることはありません。
そして、この防潮林堤は、通常時は防風林や防砂林として機能し、地域の憩いの場として活用できます。
また、気候の緩和、地球温暖化防止にも貢献します。

(4)災害時の状況
①津波災害時
多層群落の森が緑の壁となり、津波を粉砕し、その効果による津波のエネルギーが減殺されて、水位と速度が下がり、避難する時間を稼ぐことができると思われます。
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」
          強→   →    →   →   →
②引き潮時

引き潮の際には、漂流する人々や、財産が海に流出するのを食い止めることができると思われます。
実際に、南三陸町では、タブの木の根は大津波を止めています。
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」
漂流する人々や、家などを食い止めることができます。          ←引き潮

高レベル廃棄物の最終処分

中電は、浜岡原発停止で失われる発電量の大半を火力発電で代替する計画にすると、年間2500億円の燃料費の追加負担になると言っています。
だから「原子力発電のコストは安い」と言わんばかりです。
そして、これに同調しているマスコミもあります。
でも、忘れてはならないのは、最も扱いが大変な「核のゴミ」です。
すなわち、高レベル放射性廃棄物の処分を経費に入れてないから「原子力発電のコストは安い」と言えるのです。
先のブログの[原発の「核のゴミ」の最終処分]でも述べましたが、こま最終処分についてはいくつかの問題があります。

(1)「核のゴミ」の地層処分
安全性については、一般のの土木建築では、叩いて壊れるかを調べて直接実証します。
でも、「核のゴミ」の地層処分では、高レベル廃棄物を地中深くに隔離したつもりでも、
①地震や火山活動による影響
②土地の隆起
③地下水
④岩盤の風化

等を通じて放射性物質が人間環境に達する危険性があります。
どんな硬固な岩盤で、地下水の浸透のない場所を選んだとしても、長い年月の間には地質環境に変化が起きます。

(2)2000年に作成された報告書
2000年に作成された報告書によれば、「地質環境」・「工学技術」・「安全評価」の各章を通して、そうした心配はなく、過去数十万年の地質活動を参考にすれば、地震や火山の影響を、この先10万年は無視できる処分場所が広く選べるとしています。
でも、この結論に相当な問題があるのは誰の目にも明らかです。
原子力全般に見られる問題ですが、当時の報告書は「安全」ばかり強調して、危険かもしれないという謙虚さがありません。
また、報告書には、処分場や埋設作業の青写真は描かれていますが、
①埋設作業などの施工の可能性
②ガラス固化体輸送時の事故の危険性
③埋設前に50年貯蔵したガラス固化体が運べる状態にあるのか

など、現場で起こり得る多くの問題が取り上げられていません。

(3)報告書の信頼性のなさを示す矛盾
この報告書には信頼性のなさを示す致命的な矛盾があります。
報告書の安全評価の焦点は、放射性物質が地下水でどれだけ運ばれるかですが、鍵となる地下水の流れる速さは簡単には測れません。
透水係数という土や岩の水の通しやすさを表す量は測定が可能で、地下水はこれに比例して速くなります。
報告書はこの透水係数の測定値から地下水の速さを推定して、放射性物質の移動を計算しています。
透水係数の測定結果は、総論レポートの「わが国の地質環境」の章にあります(図2参照)。
測定値は非常に大きく散らばっていて、水の通しやすさは場所によって6桁(100万倍)以上も違っています。
高レベル廃棄物の最終処分場は、当然地中深くの岩盤の中なので、透水係数は、「ミズミチ」に近づくほど高くなり、新鮮な岩盤では、ほとんど水を透さなくなります。
このことからも、地下水の動きを把握するなど、とても容易ではないことがわかります。
でも、報告書では、透水係数の散らばり具合は、地表付近から地下1キロまでどの深さでも似たようなもので、「深さによる違いは認められない」と結論されています。
図からもわかる通り、深いところでも透水係数が著しく大きい場合があります。
ところが「地層処分システムの安全評価」の章では、透水係数は地下深くで小さくなるとしていて、「地質環境」の章と矛盾しています。
高レベル廃棄物の最終処分場は新鮮な岩盤で、透水係数は小さいのが前程です。
また、そういった場所を選んでいたとしても、
①掘削時に、岩盤の風化帯や破砕帯に当たる
②掘削時に、大量の地下水が出る

ことがあり、施工が困難になることがあります。
高レベル廃棄物の最終処分場が完成してからでも、先に述べたような、
①地震や火山活動による影響
②土地の隆起
③地下水
④岩盤の風化

等を通じて放射性物質が人間環境に達する危険性があります。
つまりは、永久に安全な最終処分場なんてあり得ないという事です。
図1

tousuikeisuu.GIF 

原発の「核のゴミ」の最終処分

原発を運転すると膨大な量の「核のゴミ」が発生します。
中でも厄介なのが数万年も放射線を出しつづける「高レベル放射性廃棄物」です。
少なくとも1000年近くもの間、厳重に管理する必要があります。
そして、その安全な管理や処分の方法は現在でも確立していません。
浜岡原発での菅首相の廃棄発言もあって、火力発電との比較で、原発の方が費用がかからないと思っている人も多数いると思いますが、それは間違いです。
少なくとも「高レベル放射性廃棄物」の処理施設を含めると原発の方が費用がかかります。

(1)地層処分とは
原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、その残りをガラス固化したものを「高レベル放射性廃棄物」と言います。
これを最終的には地層処分することになるのですが、これについてもいくつかの問題があります。
原発の事故がある前から問題になっていたことなのですが、地質や地下水の仕事をしているものにとっては疑問だらけの地層処分です。
まず、地層処分(ちそうしょぶん)とは、原子力発電所から発生する使用済み燃料の再処理の際に発生する高レベル放射性廃棄物やTRU廃棄物の最終処分方法の一つです。
まず、放射性物質の濃度が高く、半減期の長い放射性物質を含むため、人が触れるおそれのない深部地下にこれを埋設することを前提としています。
高レベル放射性廃棄物はガラスによって固化されており、30年から50年の中間貯蔵を経た後に、オーバーパックと呼ばれる金属などの容器に封入され地下深部に埋設される計画になっています。
地層処分の安全性を確保するために、人工バリアと天然バリアと呼ばれる多重バリアシステムの概念が用いられています。
2000年に制定された「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」で、地下300mよりも深い地層に埋め捨て処分することが定められています。
高レベル放射性廃棄物は、放射能がとても強いもの(主に核分裂生成物)と、何万年も放射能が弱くならないもの(主に超ウラン元素)を含んでいるので、管理が非常に難しい代物です。
原発は、自民党政治の時代に、この放射性廃棄物の処理のアテもないまま始められています。
そして、この厄介な高レベル廃棄物を、何万年以上にもわたって人間が手の届くところで積極的に管理し続けるのは難しいと考えて、地下深くに埋め捨てて人間環境から隔離しようとしています。
政府はこれを「将来の世代に負担をかけない倫理的な方法」などと言っています。
本来なら、それほど扱いが大変な「核のゴミ」は、技術的に「どう処分するか」の前に、「出し続けてよいのか」という根本の議論から始めるのが筋ですが、そういう姿勢は全く見られません。

(2)「人工バリア」と「天然バリア」
一般のの土木建築物では、叩いて壊れるかを調べて、安全性を直接実証します。
でも、「高レベル放射性廃棄物」の地層処分では、高レベル廃棄物を「遠く隔離」したつもりでも、
①地震や火山活動による影響
②土地の隆起
③地下水
④岩盤の風化

等を通じて放射性物質が人間環境に達する危険性があります。
どんな硬固な岩盤で、地下水の浸透のない場所を選んだとしても、長い年月の間には地質環境に変化が起きます。
2000年に作成された報告書によれば、「地質環境」・「工学技術」・「安全評価」の各章を通して、そうした心配はなく、過去数十万年の地質活動を参考にすれば、地震や火山の影響を、この先10万年は無視できる処分場所が広く選べるとしています。
でも、この結論に相当な問題があるのは誰の目にも明らかです。
大規模な地すべり一つ、火山の噴火一つ止められない人間の能力で、地震や火山の影響を無視した処分場所なんてあるわけがないと思います、
でも、この問題はこれで片付けられて、放射性物質の移動は、「人工バリア」と「天然バリア」を合わせた「多重バリア」で防げるとしています。(図1参照)
1)人工バリア
人工バリアとは、キャニスタに入った高レベル廃棄物(ガラス固化体)を入れる厚い金属容器(オーバーパック)と、そのまわりをくるむ粘土(緩衝材)の、文字通り人間の手が入った部分です。
人工バリアについては、
①金属容器は、1000年はもち、地下水をガラス固化体に触れさせない
②ガラス固化体は、地下水に触れても、数万年は放射性物質を逃がさない
③粘土は、水を通しにくく、ガラスから溶け出た放射性物質を流さずに捕まえる

とされ、このような人工バリアと処分場を作ることが工学的に可能だとしています。
2)天然バリア
次の天然バリアとは、人工バリアから先の地質環境そのままのことで、
①地下深くの水は、放射性物質を溶かしにくい
②地下深くでは、地下水の流れは遅い
③地下水の通り道の地質は、地下水に溶けた放射性物質を捕まえる

としています。
結局、人工バリアは、セシウム-137やストロンチウム-90など半減期の短い強い放射能が弱まるまでもてばよし、あとは天然の地質にまかせれば大丈夫で、放射性物質が何百万年もかけて少しずつしか人間環境に達しないように、自然はうまくできているというのです。
3) バリアの安全評価
こうした設定のもとでの安全評価は、地下1キロの処分場2キロ四方にガラス固化体4万本を埋めても、被曝線量が最大になるのは約100万年後で、それも一般人の年間許容線量の10万分の1以下という結果です。
この説明では安全そうですが、上に挙げたように
①人工バリアがどれだけもつのか
②天然バリアがどれだけ放射性物質を足止めするのか

など様々な条件が結果を左右します。
その設定次第で、人間環境に達する放射能の量は10倍、100倍と桁違いに変わります。
そして漏れてきた放射能を薄める河川などの水量の設定次第で、被曝量もやはり何桁も変わります。

(3)原発は廃炉に
本当にいい加減な地層処分です。
そして、1989年までの政府試算には、このような「高レベル放射性廃棄物」の最終処分の費用が入っていませんでした。
これ以後では、マスコミなどの批判に押されてコストに入れていることになっていますが、それは信じ難いほどわずかな金額です。
数百年、数千年もの管理費用などは、誰も見積もれるはずがありませんし、それに、寿命が尽きた原発を解体処分する費用も同じで、所詮は机上の空論の域をでず、政府や電力会社の試算は問題があります。
私たちが今、やるべきことは、現在稼動している原発を廃炉にすることです。
それでも、大津波や直下型地震が原発の真下で発生するとどうしようもない状態になります。
いつまで経っても「高レベル放射性廃棄物」は残ってしまうことになり、これだけでも安全とは言えません。
原発の設置位置についても、
①ほとんどの原発の下には断層が確認されています
②すべてが海岸に設置しているので、大津波で福島のようになる可能性があります

ただし、造ってしまったのはどうしようもないのかも知れません。
このように危機的状況で、神頼みしかないのかも知れませんが、何十年か先に、「高レベル放射性廃棄物」が安全に処理できる施設ができるかも知れません。
それを期待して、それまでは、原発の事故がないように、廃炉にするとかの最小限の努力はしなければいけません。

図1

放射線を遮断する防護服

福島第1原発で使われている防護服について、なにか気になる情報が入ってきました。

(1)日本人が着ているタイベックの防護服
福島第1原発で作業に当たっている自衛隊員や従業員らが着用している防護服は、「タイベック・ソフトウェアⅢ型」の特殊加工品だそうです。
タイベック・ソフトウェアの用途説明書には、
①新型インフルエンザ等の感染症対応
②焼却炉の解体やメンテナンス作業(ダイオキシン対応)
③工場内の清掃やメンテナンス作業
④ペイントスプレー作業
⑤鉛の除去作業
⑥アスベスト除去
⑦農薬散布
⑧食品加工
⑨金属加工

等には使用できると書いてありますが、放射能のことには一言も触れていません。
一着1200円だそうです。
実際に福島第1原発の最前線で放射性物質の除染業務に当たる陸上自衛隊の中央特殊武器防護隊(大宮駐屯地)の人は、鉛を服の前面に入れ、ある程度放射線を防げる防護服を装備しているとの事ですが、高密度ポリエチレンで出来ており、厚さは1ミリ程度以下ですから、横からの放射線には弱く、今回の事故で問題となっている放射線(ガンマ線)は防げないみたいです。
それに、X線に対してもベータ線に対してもあまり遮断効果は期待できません。
防げるのは、放射能を帯びた「物質」が付着することのみだそうです。
非常にしみにくい素材で作られたレインコートのようなものにすぎないと言っている人もいます。
長靴を履かずに、放射能の水の中に入って被爆したり、何か福島第1原発の事故処理のまずさが収束を遅らせているような気がしてなりません。

(2)アメリカが寄付したデムロンの防護服
4月に入って、アメリカのメーカーが、放射線を遮断する特殊な防護服200着を日本に寄付したそうです。
アメリカのメーカーが開発したこの防護服は、「デムロン」という特殊な素材で作られていて、重さはおよそ5kgで、福島第1原発で使われている防護服が、主に放射性物質の体への付着を防ぐだけなのに対し、この防護服は、透過性の高い放射線を遮断することができると言われています。
防護服を開発したメーカーの担当者は「生物化学兵器に対応した防護服はほかにもあるが、放射線にも対応できるのは、この防護服だけで、世界初だ」との話です。
この防護服は、アメリカ軍などが使用していて、1着15万円相当で、メーカーは200着を東電に寄付したとの事でした。 
実際にガンマ線をかなりの割合で遮蔽できるみたいです。
遮断効果としては、データではデムロンの厚さが1.5cmのとき、セシウム137のガンマ線を床と垂直方向で30%減らすことが出来ています。
これは同じ厚さのアルミニウムと同程度です。
言わば柔らかいアルミニウムといったところで、なかなかのものと言えます。
以上のように、デムロンでも防護服として用いるなら、セシウム137のガンマ線を大きく遮断することは出来ません。
30%程度あるいは厚くしても50%程度減らせるだけで、残り70%~50%は透過してしまいます。
しかし、エネルギーがもっと小さなX線程度ならもっと大きな遮断効果があり、デムロン防護服の主眼はそこにあります。
放射性ヨウ素やセシウムからはX線がたくさん出ますから、それに対しては大きな効果があります。
また、ベータ線の遮断効果も大きく、陸上自衛隊が着ているタイベック防護服よりはるかに効果があります。
でも、4月も終わりに近づいてもまだこの服を着ているところがテレビで観ません。
 
(3)事故後の安全管理や危機管理の甘さ
本当にこの服が放射能を軽減するのなら、東電は事故を想定して事前に何百着も何千着も買って保管してなければいけません。
そして、事故後には、最短時間で収束できるように、リーダーが陣頭指揮を執ってこの黒い服を着て何百人、何千人以上の収束班を率いて、一気に爆発を食い止めるような動きをみせる事が必要だったと思います。
原発の事故は起こりえないとでも思っていたのか、東電ともあろうところが、事故後の安全管理や危機管理があまりにもなさすぎなのは不思議でたまりません。
今更ながら、何もかも外国の寄付では先進国として情けない気がします。

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「デムロン」の防護服

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