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地下水のスピードと年齢

私たちは水がなければ生きていくことができません。
そして、世界中の人の多くは雨によってもたらされた水を飲んで生活しています。
雨水は地表に落ちた後は、そのまま飲めるのは地下水だけです。
海水も、河川の水もダムの水も、淡水化や消毒をしないと飲めません。
でも、地下に浸透した地下水は、自然のろ過装置である土壌や岩盤の隙間を通って、水中に含まれる不純物をろ過しながら、また同時に土の中に含まれる豊富なミネラルを溶かし込んでいき、長い年月をかけてミネラルを豊富に含むきれいな地下水になっていきます。
そして、そのままゆっくりと地下を流れて、やがて地表や海などに湧出するような循環になっています。

(1)地下水のスピード
地下水のスピードは一定ではありません。
専門的には透水係数という数字で表しますが、一番早い礫でも1km/day(1日に1km)が限度です。
砂は1m/day~1km/dayの間でありここまでが地下水がある層(透水層または帯水層)と言われています。
微細砂やシルト・粘土の混合物では0.0001m/day~1m/day つまりほとんど地下水が移動出来ない層で、この層を難透水層(あまり水を透さない層)と呼んでいます。
粘土は0.0001m/day以下なのでこれを不透水層(全く水を透さない層)と呼んでいます。
つまり、雨が降って、その雨が地表から河川に流れる水は、ほぼ1日もたたないうちに海に到達しますが、地下に浸透した水は長い長い旅をすることになります。

(2)地下水の年齢
そうして、この地下水には年齢があります。
地下水ができてから湧出するまでの時間を「地下水の一生」ととらえて地下水の寿命を計算すると、平均寿命は600歳だそうです。
つまり、井戸などで、汲み上げる量が多すぎて枯渇してしまうと、新たに地下水ができるまでに600年かかると言われています。
参考までに、河川は0.07年、淡水湖は4.29年ですから、いかに地下水が遅いかがわかります。
そして、この地下水の600年という寿命は、世界の平均値なので、地域によって100万年以上の場合もあれば数十年ということもあります。
これは、特に岩盤の亀裂の大きさや、土質の違いによって影響しています。

高知市の地下水

高知市の地下水について調べてみました。

(1)高知市の地形と河川の状況
高知市は、東から物部川、国分川および鏡川によって形成された冲積平野(高知平野)で、高知県において最大の面積を有しています。
しかしこの平野は、南海地震以来の地盤沈下が著しく、その沈下量は、1.5~2mにも達し、なかでも国分川河口付近はひどい低湿地と化してしまっています。
物部川は、四国山脈の徳島県境、三嶺(1,894m)、白髪山(1,770m)附近に源を発し、高知市最大の河川で、高知平野の東縁を南流して土佐湾に注いでいます。
高知市西部の鏡川は、やはり四国山地の工石山(1,177m)に源を発し、流域面積172.5Km2、流路延長32.6Kmを有し、高知市内を東流して浦戸湾に注いでいます。
鏡川の渇水量は2m3/sec程度です。
鏡川の河床は、おおむね古期岩類の礫が主ですが、その右岸に排水河川として重要な支川神田川が合流する月ケ瀬橋下流付近からは、礫にかわって砂が多くなっています。
また鏡川の塩水溯上は、過去においては潮江橋付近までありましたが、南海大地震以降、沈下橋付近にまで認められるようになりました。
高知市の北東部の物部川流域には段丘が発達し、とくに土佐山田町から後免町にかけての明瞭な段丘は、物部川水系と国分川水系との地下水の分水界を成しています。
また高知市の北西部には、鏡川による扇状地堆積物の分布がみられます。
平野部における基盤までの到達深度は、高知城と筆山を結ぶ線の西側では深度30~40m、浦戸湾に沿う低湿地帯では70m前後と考えられています。
この低湿地帯においては、おおむね深度30~40mと50~70mの間に層厚数mの砂礫層が存在します。
そして下部層の礫は一般に組粒で、かつ粘土を交える特徴を有しています。

(2)高知市の地下水
物部川流域においては、その右岸沿いに地下水の滲透、供給が認められ、地下水の流動方向は東から西に向っているのが特徴です。
また物部川の表流水は、神母木橋下流の山田堰においてかんがい用に取水され、多くの用水路に分れて平野を流れているが、これら用水路からの滲透が広範囲に地下水を涵養しています。
船入川は、物部川の山田堰から分水されたものですが、この川も左岸沿いに地下水を相当量滲透させています。
鏡川から供給される地下水のうち、右岸側のものは南に向って流動し、その先端は神田川の側面に達しています。
そして神田川には、大半のかんがい用水が還元されています。
また左岸側のものは江口川に向って流動していますが、高知市内では水質的に地下水の条件が著しく悪化しています。
また江口川は、鏡川から分水されたものですが、下流では都市下水および工場廃水などが流入し、最下流域では廃水河川の河況を呈しています。
国分川流域においては、物部川や鏡川のような著しい地下水の流動帯はみられないのですが、その河川流域沿いでは多くの地下水の涵養が認められています。
高知市の東側の低湿地には自噴地帯がありました。
今も自噴しているかどうかは確認していませんが、当時は、深度20m程度の自噴井が数10本存在し、かんがい用として利用されていました。
これらの井戸深度は北から南に向って次第に深くなっており、収水層の地下地質はおもに砂層ですが、一般に圧力が低く、しかも近年は富に低下しています。
したがって湧出量の増加を保つために、現在よりも掘削深度をさらに深くする必要に迫られています。
高知市の工業用水は、おおむね深度30~60mの深井戸によって地下水を揚水利用していますが、臨海部のものは近年Cl-の含有量が増加し、次第に地下水の塩水化が進んでいます。

高知県の地下水

高知県の地下水について調べてみました。

(1)高知県の地形と地下水
高知県は、四国の南半分を占める広大な面積を有し、急峻な四国山脈を背後に控え、石灰岩などの鉱産資源ならびに林産資源には恵まれていますが、工業の面では後進県の1つに数えられています。
しかし農業の面では気象条件に恵まれ、なかでも高知平野は、数年前までは年2回の稲作が可能な唯一の地帯で、古くから河川の表流水ならびに自噴性地下水が、灌漑用に利用されていました。
高知県は、四国の南部に位置し、四国山脈など一連の急峻な山地を境として、東は徳島県と、北および西は愛媛県と接し、南は太平洋に面しています。
高知県には東から物部川、仁淀川および四万十川の比較的大きい河川が、いずれも四国山脈に源を発して流れていますが、山地が海岸にまで追っているため、一般に平野部が少ないのが特徴です。
高知県における平野としては、物部川流域の高知平野のほか、仁淀川流域の、いの町、佐川町、越知町付近および四万十川流域の四万十市付近程度です。

(2)早明浦ダムの役割
四国の水がめである早明浦ダムは高知県にあります。
早明浦ダムだけでなく、鏡ダムも大渡ダムも全部高知県です。
特に、愛媛県が源流の河川も多く、流域面積も愛媛県側にも広くあります。
早明浦ダムは、利水目的では香川用水・吉野川北岸用水・愛媛分水・高知分水を利用し、四国四県へ供給しています。
灌漑用水は、高知県を除く三県に対し平均で通年毎秒3トン、農繁期に毎秒11.96トンを供給し、上水道・工業用水道は四国四県にそれぞれ一日量で440,000トン、1,420,000トンを供給しています。
徳島県への利水配分率は48%と最も大きく、吉野川北岸用水の水源として利用されるほか、慣行水利権分の不特定利水補給が行われています。
香川県への利水配分率は29%で、池田ダムより取水した吉野川の水を香川県全域に送水しています。
特に上水道依存率は50%と高くなっています。
愛媛県への利水配分率は19%です。
早明浦ダム完成によって徳島県への慣行水利権分の不特定利水が補給されることから、柳瀬ダム完成時に愛媛・徳島両県で合意していた柳瀬ダムの責任放流が廃止され、間接的にではあるが川之江市・伊予三島市]への利水が強化されました。
高知県への利水配分率は4%と最も少なくなっています。
早明浦ダムの水は瀬戸川から地蔵寺川へ2つの取水堰を通じて四国山地を縦断し、鏡川に建設された高知県営ダムである鏡ダムに流路変更され、高知市の上水道に供給されています。
早明浦ダムによる各新規用水の総合開発量は年間8億6,300万トンです。
当ブログの「香川県の地下水」のところでも書きましたが、香川県には大きな河川が無く、同県の水利用は、水道使用量の50%を占める香川用水へ依存している所が大きいものです。
香川用水は、この早明浦ダムの完成を前提として開発された新規用水なので、香川県の水利用において早明浦ダムの果たしている役割は非常に大きいものです。
しかし同時に早明浦ダムの渇水は、まず香川県の水事情に大きく影響します。
また、ダムが高知県長岡郡本山町にあるため、渇水になると高知県内も生活用水に影響があるのではないかと思われがちですが、高知県側への利水配分は前述の通りわずか4%に過ぎず、状況によっては高知分水への放流を完全にカットすることもあります。
したがってり高知県側は早明浦ダムの渇水による影響はほとんどありません。



三豊市の地下水

三豊市及び、旧豊浜町の地下水について調べてみました。

(1) 三豊市の地質と地下水
三豊市は、周りを丘陵性の山地に囲まれた狭い平野で、そのほぼ中央部を湾曲して流れる高瀬川は、領家帯の花崗岩山地の琴平山(521m)の西麓に源を発し、下流部に沖積低地を形成しています。
そして、右岸側に2.3段の低い段丘が見られます。
地下地質については資料が少ないので詳細は把握できていないのですが、高瀬町の上水道の水源井では、深度55mで花崗岩の基盤に達しています。
そして帯水層としては、深度30m以深に荒砂ないし細砂の薄層がわずかにみられる程度です。
高瀬川は、水量が少なく、河川勾配も緩かなため、河口から4Km付近まで塩水が溯上しています。
高瀬川によって養われる自由面地下水は、ほぼその流路に沿って流れていますが、下流部では塩水が溯上しているため、急に水質が悪化しています。

(2)観音寺市豊浜町の地質と地下水
観音寺市でも西端に位置する豊浜町は、愛媛県四国中央市と隣接し、柞田川によって形成された旧扇状地の末端に位置する狭少な平野となり、北部から唐井手川、白坂川および吉田川の小河川が流れています。
臨海部における地下地質は、A層(砂、礫に富み粘土を挾む層)に相当する地層が深度40mまでで、粗粒堆積物から構成されています。
それ以深はB層(砂と青色粘土との互層で、埋木を挾む層)ですが、深度80m以深に層厚約13m程度の砂礫層を有しています。
この礫のなかには、結晶片岩の礫も見られています。
臨海部における工業用水源は、数年前までは自噴井が出ていて、水温19℃の地下水を温度調節用として、夏季に5,500m3/day程度揚水していました。
そしてFe0.7m以下、Cl-5ppm以下ときわめて良好な水質でした。
このような良質な地下水は、その北方唐井手川の方向にも延びていると考えられますが、豊浜町以南の地帯には存在していません。
また南部地区の自由面地下水には、塩分の含有量の高いものもあります。

観音寺市の地下水

観音寺市の地下水について調べてみました。

(1)観音寺市の河川と地質
観音寺市は、北部に財田川および南部に柞田川を擁する沖積平野です。
財田川は、阿讃山脈に源を発し、流域面積154.5Km2、流路延長32.5Kmをもつ県下最大の河川です。
また柞田川は、流域面積56Km2、流路延長16Kmの小河川です。
そして両河川とも、その中流部においては、表流が河床下に伏没する傾向にあります。
平野部における地下地質は、高松市および坂出、丸亀市と同様、次のA・B2つの地層に区分されています。
A層:砂、礫にとみ粘土を挾む。
B層:砂と青色粘土との互層で、埋木を挾む。
沖積低地におけるA層は、深度30~40mまでで、それ以深はB層となり、基盤岩(花崗岩類)までの到達深度は、70~80mです。
なお両層には砂礫層が存在しますが、JR観音寺駅付近では表層の10m程度を除き、粘土ないし粘土混り砂礫層が厚く堆積しています。
段丘上においては、表層から粘土質の堆積物で、ところによっては砂礫に富む地層も存在します。

(2)観音寺市の地下水
観音寺市における帯水層は、A層の砂礫層およびB層の砂層ですが、深井戸の中には、花崗岩類の風化したとみられる砂層から取水しているところもあります。
財田川の表流は、山本町で花崗岩山地を脱すると、その河床下に伏没し、左岸よりもむしろ右岸側に優勢な自由面地下水となって流れ、豊中町を経て流岡地先の狭さく部にくると、その一部が表流となり、そこを過ぎると左岸側に浸出して観音寺市街地に向かいます。
 柞田川の表流は、その中流部で河床下に伏没し、表流の転化した地下水は、国道付近では左岸側に浸透し、その一部が湧水となって現れています。
またそれより下流では右岸側に浸透し、観音寺市街地に向って流動しています。
高位段丘および財田川左岸の低位段丘上の地下水は、ほぼ地形にしたがって流動しています。
A層の地下水は、河川表流によって養われているものは良質ですが、段丘上のものは一般にFeに富んでいます。
B層の地下水は、段丘上と臨海部とでは水質を異にし、段丘上ではFe~4ppmであるのに対し、臨海部ではFe30ppm以上、Cl-500ppm以上となっています。
この臨海部におけるB層の地下水は、もともとこのような水質であったものではなく、近年これらの成分が急激に増加しています。
さらにB層の下部または基盤岩内の地下水は、Fe、Cl-が多くなり、それに比べ上部の水質は比較的良好です。
観音寺市の上水道水は、以前は財田川の伏流水および地下水をあわせて5,500m3/day取水していましたが、現在では早明浦ダムへの依存率が50%以上となっています。
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