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揚水試験

井戸工事が完了して、どれくらいの水量があるのかを調べるための試験を揚水試験といいます。
この揚水試験を実施するためには、仮設のポンプ、揚水管及び三角ノッチ又は四角ノッチのついた流量測定装置を使用します。       
尚、試験用の揚水ポンプの選定には注意が必要です。
試験前には運転水位がどのくらいかを確定することが困難なのと試験用ポンプが新品でないため性能を見極めるのが難しいのです。               
まず、最初に行う予備揚水試験では、かなり濁った水が大量に排水されるため、水を流すための排水路の確保が重要です。
揚水試験は①予備揚水試験②段階揚水試験③連続揚水試験及び回復試験に分けて行います。
       
①予備揚水試験
この試験は孔内洗浄作業の続きともいえるもので井戸仕上げの最終段階という位置付けもできます。
断続揚水をして濁っている内は後続の試験に入れないことは勿論ですが 濁っていると言うことは水みちが広がっていることにも繋がっているので、井戸がもっと良くなることを意味しています。          
濁りがなくなるまで断続揚水をくり返します。
濁りがなくなったらポンプの最大能力で連続揚水し続く試験の揚水量の資料を得ます。          
            
②段階揚水試験
段階揚水試験は井戸の揚水能力を求める試験(限界揚水量を求めます)で、普通は揚水量を最大揚水量の5段階以上に等分して実施します。           
たいていの場合揚水量を上げていくに従い井戸損失の影響があらわれ水位降下1mあたりの揚水量は低下します。
                    
③連続試験及び水位回復試験
水理定数を算定するための試験で、本試験とも言います。
実際は近くに観測井があればいいのですけれど、そうはいかないことが多く、井戸損失の影響を考慮しなければいけないことが多いようです。           
連続揚水試験は、井戸損失の影響が少ない揚水量で実施するのが水理定数算出のためにはよいのですが、実際には必要な揚水量がきまっていることの方が多く、たいていの場合揚水試験水量は発注者と 施工者があらゆる資料を検討して決めます。                              
通常、連続揚水試験は12時間、回復試験12時間が一般的です。
揚水試験では、揚水時における揚水井・観測井の水位低下量、および揚水停止後の水位回復量を経時的に測定することにより、帯水層の透水量係数、透水係数、貯留係数などが求められます。
 

④揚水試験の設備
観測井を含めた揚水試験の模式図を下図に示しました。
揚水試験の設備

出典:地盤調査の方法と解説 P395

電気検層

ボーリング機械で井戸工事をするときに、掘削後に電気検層をすることがあります。
主な目的としては水脈の深度を把握してストレーナ位置を決めることです。
電気検層の方法は比抵抗と自然電位について行い、比抵抗の測定は二極法により、電極間隔0.25cm、0.50cm、1mの3種類を原則とします。
この電気検層の利点と欠点について考えてみます。

(1)利点
①地層に含まれる水が、淡水であるか塩分を含んだ水であるか、また水を含まないものかを区別することができます。
したがって、地下水理上好ましくない帯水層や地層をケーシング等によって遮断することができます。

②地層が帯水層(砂、礫が主体の層)か不透水層(粘土、シルトが主体の層)かの区別ができ、帯水層の位置にのみストレーナを設置することができます。

(2)欠点
①電気検層では水量はわかりません。
あくまで比抵抗値(Ω-m)のみなので比抵抗値が低いところは水量が少なく、高いところは水量が多いと判断できるだけです。

②測定条件としては裸孔のみです。
ベントナイト等で孔壁を保護して測定するのが一般的です。
孔壁の保護にケーシングを入れている場合は測定できません。

ボーリング井戸の掘削では径が大きくなるとトリコンビットを使うことが多く、コア取りや標準貫入試験などはしないので機械の音や逸水の状況、ベントナイトの濃度、それにオペレーターの勘が頼りとなります。
でもそれだけでは帯水層が完全に把握できていないこともあり、数値で表れる電気検層が一番頼りになります。
当社でも深井戸の掘削や施主さんの要望により電気検層を行っています。

影響圏(影響半径)について

井戸掘削を検討している時、例えば隣の家で井戸を掘っているときにこの影響はないのだろうか?と考えると思います。
民家が密集しているところは○○平野と呼ばれる平坦地が多く、地下は沖積層と呼ばれる新しい時代の地層から構成されています。

影響圏(影響半径とも呼ばれ井戸を中心にコンパスで円を描くように影響する)は井戸の水を汲み上げるとその時間と揚水量によって徐々に広がり、その広がりの大きさを示しています。
理論的には水位が平衡状態にはならないため影響圏は常に無限であるのですが、それでは井戸計画が成り立たないため、学術的にその広がりの大きさが1mmとなる所までの距離を影響圏としています。
実際には井戸の揚水試験(水を汲み上げてどれくらいの水量があるのかを調べる試験)を行って、近くの井戸も同時に測定して求める方法が正確ですがこれは現実的にはなかなか難しい。
揚水試験から計算で出す方法もあります。
タイスの井戸理論式から、経験式としてレンケ、ベーバー、クサキン、ジーハルト、ウェーバー、コゼニー等の学者たちが提案式を出しています。
この学者たちの提案式については私たちが井戸計画をする時に、便宜上使っていますが正確なものではありません。
また土質工学会が土質試験の粒径から影響圏を出しています。これによると
川原の砂利程度だと1500m以上、普通の礫だと500~1500m、砂の中で細砂は100m程度で粗砂は100~500mと言われています。
この長さは1日汲み上げたときの広がりであり、2日、3日と連続で汲み上げると当然影響圏は広がっていきます。
ただし、川のそばに井戸がある場合などは汲み上げるだけの量が川から供給されるので影響圏は一定の大きさになります。
このように、計算では計り知れないいろいろな要素が地下水にはあります。

揚水試験をすると揚水井(井戸)の水位は急激に下がりますが、その半径が広がるにつれ徐々に水位線(水位標高)は高くなりいわゆる逆富士山のようになります。
大掛かりな揚水試験では揚水井のほかに5mとか10mとか離れた所に観測井を設けその水位も同時に測定します。
この試験結果から見ると揚水井で水位が20m低下しても5m離れた観測井ではせいぜい10~30cm程度しか水位が下がらないことが多いです。
10mも離れるともっと小さく1~5cm程度です。 (下図参照)

試験結果は土質や地下水の量また地形により一定ではありませんがこのような試験結果から見ると影響圏はあまり気にしなくてもいいのかも知れません。


揚水井  

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