FC2ブログ

松山市の稲葉水源地

松山の水源地の写真です。
まず紹介するのは、井門町にある「稲葉水源地」です。

P3040010.jpg
正面左に、「稲葉水源地」としっかり明記しています。

P3040011.jpg
ここが正面です。
鉄の扉で入れないようにしています。

P3040009.jpg
左側が水源地で、右側がポンプ室になっています。
周りは芝が敷いてあって、きれいに管理されています。

P3040012.jpg
反対側からの写真です。
周りは水田や畑が多く見られ、民家とは少し離れています。
地下水の影響範囲も考慮しているのだと思います。

0304-1.jpg
「稲葉水源地」の平面図です。
下が正面玄関で、上の左側が掘井戸、右側がポンプ室です。
井戸の周りに1番から15番まで番号を打っている丸印がありますが、これは打ち抜きパイプです。
5年から10年くらいに一度は、このパイプにホースを入れて、井戸内の洗浄を行っています。
井戸も使うだけでなく、メンテナンスも必要なのです。

公共で使っている掘井戸の構造図

掘井戸の構造図を下図に示しました。

この構造図は、松山市が取水に使っている井戸の一つです。
井戸の直径は4m以上あり、周りは現場内のコンクリートを施工しています。
底の部分は中砂利と大砂利を敷いています。
目の粗いのが大砂利で中砂利の上に敷いています。
底からさらに掘削をして、そこにメインの水中ポンプを設置しています。
壁面にある水中ポンプは仮設用のポンプです。
底から4~5m程度上まで取水孔(φ100程度)を設けて地下水を取り入れています。
このような大規模な井戸は、一般家庭には必要ありません。
あくまでも公共の施設としての井戸です。

0304-4.jpg

ポンプの形式

ポンプにはいろいろ種類がありますが、今回は形式について調べてみました。
形式は大きく分けて、
①渦巻ポンプ
②カスケードポンプ
③ギヤポンプ
④ピストンポンプ

この4種類に分けられます。

(1)渦巻ポンプ



渦巻ポンプは、ボリュートポンプとも言い、羽根車が回転し、流体が渦巻を起こし、その力で吸い上げたり押し上げたりします。
原理としては、
①羽根車(インペラ)の回転により生じる水の遠心力を利用
②遠心力で外周が高圧になり、外部に水が吐出される
③中心は遠心力が作用せず、吐出される水に引張られて低圧になる
④低圧になった中心部から水が吸い込まれる
⑤出口と入口の圧力は流量に左右される
となります。
工業用、農事用、一般ビル加圧用、家庭用(深井戸用)等、もっとも多く使われているポンプ形式と思います。
水中ポンプも渦巻式の一種です。
押上圧力は低圧から6K(60m)程度の高圧まで様々ですが、羽根車を何段か重ねることによりさらに高圧を得ることが出来ます。
これが多段渦巻ポンプです。
この、渦巻ポンプで、羽根の回りに案内羽根の付いた物がタービンポンプです。
タービンポンプはさらに高揚程を得る事が出来ます。
また、多段タービンポンプはさらに圧力を上げられます。

(2)カスケードポンプ



カスケードポンプは、渦流(かりゅう)ポンプとも言います。
狭いケーシング内で溝のある円盤が回転して液体に激しい 渦流を起こし、ケーシング内周を約一周させる間に圧力を高めて吐出します。
羽根車は直角にシャフトに固定されているため、非接触で回転し摩耗が無く信頼性を求められる用途に適しています。
同一羽根外径の渦巻ポンプと比較すると、遥かに高い圧力が得られます。
このカスケードポンプは、清水などの粘度の低い液を少揚量、高揚程で移送するのに適しています。
したがって、家庭用浅井戸ポンプも、形式は自吸式のカスケードポンプで、これに圧力タンクと圧力スイッチを組み合わせて自動運転しています。
渦巻型よりも吸込・押上揚程(圧力)とも上がりますが、流量は少なくなります。

(3)ギヤポンプ



ギヤポンプは、同じ形をした二つのギヤがかみ合って、流れを押し出す回転ポンプの一種です。
一般的には、油を圧送するのに使用されるものです。
粘度、圧力、温度が非常に高く、吐出量を安定させることが目的です。
このギヤポンプは、紡糸用や、昇圧・送液用、油剤用に使われています。
紡糸用は、糸の品質に大きく関わってくるもので、ギヤポンプは2台以上使われるため、精度が高くなっています。
昇圧・送液用は、一定圧力で流体などを送液するギヤポンプで、紡糸用のように高い精度は必要としていません。
これは、回転数で、圧力や流量を調整するからです。
油剤用は、常温で使用され、糸につける油を送るためのギヤポンプとなっています。
このように、ギヤポンプは使用される目的に合わせて精度などが変わってくるのです。
主に使用されるものには、写真のフィルムやコンデンサーなどがあり、写真乳化剤をベースフィルムに塗る時に、連続定量供給することが出来ます。
また、自動車の部品や電気部品などを成形したり、塗料を定量供給することが出来ます。
企業で活躍しているために、私たちの目には止まる事はとんどありません。

(4)ピストンポンプ



ピストンポンプは、ピストンの往復運動によってシリンダー内の容積を変えることで吸水または排水する形式のポンプです。
吸込揚程を真空に近づけることが可能です。
昔農家などによくあった手押しポンプもこの形式で、10m近くまで吸い上げることが出来ます。
構造上流量は少ないのですが、10K以上の高圧を得ることも可能で、デールポンプ、高圧洗浄ポンプなどもこの形式のポンプが使われています。

井戸の歴史

私たちが使っている井戸には古い歴史があります。
昔は、多くの集落は、河川や湧き水、雨水などから水を得ていたと考えられていますが、ある時から、人々の工夫の一つとして、湧出量を増やすことや、濁らない水を得るといった目的から、湧口を広げ水を溜めて用いるようになりました。
そして、その延長として地下から水を得るために井戸を掘ったと考えられます。

(1)世界最古の井戸
世界最古の井戸は、今内戦が続いているシリア北東部だと言われています。
新石器時代のテル・セクル・アルアヘイマル遺跡から発見された井戸は約9000年前のもので、浄水目的では最古の例と云われています。
古い井戸は、中国とドイツにもありました。
まず、中国では、約7000年前の河姆渡(かぼと)遺跡の中に井戸がありました。
河姆渡遺跡は、稲作農耕集落遺跡で、上から順に第一層~第四層の4つの文化層に分類されています。
大半の重要遺跡は第四層から出土した大量の稲の籾・籾殻・稲藁、稲作に用いる道具などですが、第二層から出土したものの中に井戸遺構があります。
木構造の井戸で、200本余りの削られた杭とほぞ接ぎの横木を組み合わせて造ったものだそうです。
形は商、周の金文に出ている「井」という文字に似ていて、漢字の「井」はここから誕生されたのではないかと言われています。
ドイツでも、東部ライプチヒ近郊で見つかった新石器時代の木造の井戸が約7000年前に建造されたものだそうです。
フライブルク大学などの研究チームは、世界最古の木造構造物としています。
下に写真がありますが、どう見ても新しそうで、これが7000年前のものだとはとうてい思えないのですが。

(2)日本の井戸
日本では弥生時代前期末頃が最初だそうです。
弥生時代は、紀元前3~4世紀頃が始まりなので、どんなに古くても2,300年前になります。
この頃に、佐賀・筑後平野の低地遺跡で朝鮮半島の無文土器を模した土器と一緒に出土しています。
このことから、半島からもたらされた技術の一つではないかと考えられています。
ただし、その後すぐには広まらず、数が増えてくるのは弥生時代中期の後半になってからだそうです。
①弥生時代
弥生時代の井戸は、ほとんどが井戸側などの施設を持たない素掘りの井戸です。
直径1mから1.5mほどの円形の穴で、深さ2、3mから、なかには5mにも及ぶものもあります。
円形に掘ることは、強度的にも理に適ったものですが、発掘していて深くなると身動きがとれなくなります。
なかには大型甕棺の破片を敷いたり立てかけた例があります。
甕棺(かめかん)とは北部九州に特有の棺のことです。
大型の素焼きの土器に亡くなった人の手足を折り曲げて入れ、土の中に埋める埋葬方法で、弥生時代中頃のおよそ200年の間、盛んに使われていたようです。
井戸側等の施設があった可能性もあるそうです。
②古墳時代
古墳時代でも弥生時代同様素掘り井戸です。
井戸側で最も多く使われる素材は木です。
木などの有機質は腐食して通常失われていますが、井戸の底などのように水気のある環境では残ることがあります。
③飛鳥時代
飛鳥時代でも弥生時代や古墳時代同様素掘り井戸です。
④奈良時代
奈良時代になると方形に木を組んだ井戸側を持つものが増えてきます。
横板を積み上げたものや、四隅の柱に横木をわたし、幅の狭い板で横または縦に囲ったものなど、多様な構造を見ることができます。
その底をさらに掘り込み水溜として曲物を設置したものもこの頃から見られます。
⑤平安時代
平安時代も、奈良時代と同様の井戸ですが、曲物は平安時代ごろの遺跡から多く出土するようになりますので、奈良時代よりは多く見られます。
有名なまいまいず井戸ですが、平安時代に造られたいう説もあります。
⑥鎌倉時代
鎌倉時代になると、新たに結い桶を重ねた井戸側が出現します。
結い桶は鴻臚館に変わって貿易の拠点となった博多に、宋の商人がもたらしたものと考えられてます。
以後、博多を中心とした地域では井戸側として一般的になりますが、全国的に広がるのは室町時代後半の15世紀以降です。
今日でも城跡などで見ることができる石組み井戸もこの頃から築かれています。
先に述べたまいまいず井戸ですが、平安時代に造られたいう説もありますが、井戸の形態や出土された板碑等を見ると、鎌倉時代のものではないかと現在では推測されています。
⑦室町時代
室町時代では、石組みの井戸が中心で、石組みの井戸の側石には、石臼や五輪塔火輪、地輪が使用されています。
博多遺跡群などの砂丘上の遺跡は室町時代の後半に造られています。
数種類の井戸側を組み合わせて使うこともありました。
⑧建武の新政・南北朝時代・戦国時代・安土桃山時代
この時代も石組みの井戸が中心のようです。
⑨江戸時代
江戸時代には、専用に焼かれた瓦を円形に組んだ井戸側が多く見られるようになり、近年まで使用されていたそうです。
江戸時代後期には、千葉県の上総地方で、鉄棒による井戸掘り「突き掘り」が行われています。
これを効率的により深くまで掘削できるように改良した井戸掘り技術が「上総掘り」で、上総で生まれたので「上総掘り」と呼ばれ、明治20年代に完成し、全国に広まったと言われています。
私たちは、現在ではボーリング機械を使って井戸を掘っていますが、これは、明治時代の中期頃が最初だそうです。
「上総掘り」とほぼ同じ時期ですが、最初は井戸を掘るのが目的ではなく炭坑での石炭調査に用いられたそうです。

f:id:emiyosiki:20121228235516j:image:w360
これがドイツの木造井戸ですが、7000年前とはとうてい思えません。

室町時代の石組みの井戸
室町時代の石組みの井戸 です。
こっちの方がドイツの井戸より歴史を感じます。

日本の様々な井戸を紹介します

レトロな手押しポンプ

今ではほとんど見かけなくなりましたが、30年ほど前には、田舎の各家庭や田んぼなどに手押しポンプがありました。
ガチャガチャ音がするからか、ガチャポンとも言っていました。
あの頃はのどかでした。
田んぼで汗を流して、ガチャポンを押して、ザアーッと出てきた大量の冷たい水を飲んでいました。
宮崎アニメの「となりのトトロ」の一場面でも出てきました。
当社の倉庫には、もう20年くらい前から2基も眠っています。
このようなレトロな手押しポンプですが、現在でも充分利用価値はあると思います。
長い年月使っていない掘井戸に取り付けてみましょう。
ポンプなど必要なく簡単に水が出ます。
使えば使うほど水はきれいになり、井戸としての機能もよみがえってきます。
雨水のタンクに取り付けもできます。
少し水が必要なときにはとても有効です。
子供たちの水遊びの小道具としても利用できます。
ガーデニングとしても、庭木のそばにおくとおしゃれです。
それだけではありません。
いざというときに水を確保する緊急時の頼もしい水源になります。
電気もなにもいりません。
ただただ人力で押すだけです。
この手押しポンプですが、打込式と台板付の2種類の設置方法があります。
そして、水深が7m以上あると吸い上げができません。

1)打込式とは
直接地面にパイプを打って掘った井戸に取付けるポンプです。
田んぼなどの地面からにょきっとでた鉄のパイプに直接取付けます。
水脈にパイプを直接打ち込むので堀井戸のように井戸の中に土砂やゴミは入りません。
パイプはバイブロハンマーによる振動で掘り下げます。
地下水があるところまで掘り下げますが、市販されているパイプでは、穴は先端の30cm程度しか開いてないので大量にみずのあるところでないと渇水期には水が出なくなってしまいます。
パイプの長さは5.5mなので、もう少し掘り下げたい場合は継手が必要になります。
フート弁・逆止弁などは取付不可能です。
打込式だと、地下水位がどこにあるのかわからないし、エアが入ると水は出ないし、メンテナンスの仕様もないのですが、一番安上がりです。
そして、汲めば汲むほど水はきれいになります。

2)台板付とは
掘井戸(水面の見える井戸)に板を渡してポンプを固定するタイプの手押しポンプです。
ポンプを直接パイプに固定するのではなく、台板を掘り井戸又は台に板を固定し、ポンプから吸入パイプを井戸の水中に下ろします。
長いパイプを井戸に垂らす形になりますので必ずポンプを固定する台等が必要になります。
配管の途中や先端に逆止弁やフート弁を取付けることができるので<パイプの中の水が井戸に逆流することを防ぐことも可能です。
そうすることで、次回水を汲み上げる際に楽に水を出すことができます。
こう考えると、台板付の方が水は確保できますが、これはあくまでも掘井戸があることが前程です。
そして注意事項もあります。
①ポンプ据付け前に必ず井戸の清掃を行ってください。
砂などの異物を吸上げますと、摩擦、砂噛み等により揚 水できなくなることがあります。
②吸上げ高さは7m以内になるようにしてください。
渇水時には水面が下がりますので、吸い上げ高さは渇水期を基準にしてください。
③水没深さは管径の10倍以上とし、空気を吸込まないようにしてください。
④井戸底までの深さは30cm以上とってください。
⑤ポンプと配管は確実に接続し、空気を吸込まないようにしてください。
⑥井戸内に雨水が入らないように、井戸およびポンプのまわりを整備してください。
⑦ベースを使用する場合は、井戸上に台を設けて確実に固定してください。

 
手押しポンプの構造図

井戸の深さ 
台板付での設置方法
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR