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鉄とマンガンの役割

私たちが飲んでいる井戸水の中には、少なからず鉄やマンガンを含んでいます。

当ブログでも、「赤い水のはなし」や「黒い水のはなし」をしましたが、鉄やマンガンを含む水は「赤い水」になったり「黒い水」になったりします。
色が出るということは、鉄やマンガンが、飲料水や生活用水としてだけでなく、各種の産業用水においても製品や配管、機器などに多大の悪影響を与えています。
このために、鉄やマンガンの地下水における含有量は厳しい数値が要求されています。
日本の水道法による水質基準では鉄0.3mg/l以下、マンガン0.05 mg/l以下となっています。
酒造用の割水や仕込用水は鉄を0.05mg/l以下にすることが要求されています。
電子工業部門では、今では古くなった4メガビットの超LSI製造用純水でも、鉄を含む総金属が2ug/l以下(ug/l=ppb=1/1000㎎/l)となっています。
これだけでなく、鉄やマンガンを含む水は異臭味があり、昔から「カナケ」や「シブ」のある水として嫌われていました。
したがって、水中の鉄やマンガンを除去することは水処理の最も基本的な技術の一つになり、日本でも江戸時代には、既に井戸水の「カナケ」抜きの方法が広く行われていたそうです。

(1)地下水中の鉄とマンガン
地下水中の鉄とマンガンは、どのような状態で存在しているのでしょうか。
1)地下水中の鉄の状態
①重炭酸第一鉄
地下水に最も多く存在するのがこの形です。、
特に深所地下水(深井戸水)には、酸素が無く遊離炭酸(炭酸ガス)が多く含まれていますから、このような条件のもとでは鉄は2価の陽イオンFe2+として存在し、重炭酸第一鉄を形成しています。
特にpH7以下の無色透明な地下水中の鉄はほとんどがこの形だそうです。
重炭酸第一鉄を多く含む無色透明の地下水を揚水して放置したり気曝したりすると、水は黄白色に濁り始めやがて褐色に変化します。
これは、地下水中の2価の鉄イオンFe2+が酸化されることにより、水酸化第二鉄が析出するからだそうです。
この変化は、まず水中の遊離炭酸が炭酸ガスとなって大気中に放出され、代わりに空気が溶け込みその中の酸素が水中に溶解することから始まります。
この結果、水中の遊離炭酸が減少し水のpHが上がります。
水のpHが高くなると、Fe2+は酸化されやすくなり、水中に溶け込んだ酸素によって容易に酸化されて三価の鉄イオンFe3+になりますが、Fe3+は中性付近ではほとんど存在せず、褐色で不溶性の水酸化第二鉄となって沈殿します。
②有機鉄やコロイド状鉄
鉄はまた、淡黄緑色から茶褐色を呈する着色水(有機着色水)中に、フミン質などの色度成分(着色有機物)と結合して溶存することがあリます。
北海道などの寒冷地の河川水や井水、本州でも深井戸水などに見られます。
このほか、コロイド状の珪酸鉄やクレー(粘土)コロイド中の酸化鉄として存在することもあります。
また、これらのコロイドに着色有機物が吸着されたものなどもあるといわれています。 
③水酸化第二鉄
主としてpH7以上の浅井戸に見られるもので、揚水したとき鉄は既に酸化しており、水酸化第二鉄の微粒子として存在します。
Fe2+と共存していることが多く、酸化鉄が0.5 ㎎/l程度以上あれば水は微黄色を呈するようになります。
2)地下水中のマンガンの状態
マンガンの場合も地下水中においては鉄と同様に二価のイオンMn2+として存在し、ほとんどの場合重炭酸マンガンMn(HCO3)2を形成しています。
マンガンは鉄に比べ酸化還元電位が高いため、Fe2+と違って中性付近のpHでは酸化されず、pHが10前後になってはじめて空気酸化が行われるようになります。
したがって、Mn2+を含む地下水を汲み上げて気曝しても、マンガンは酸化されずイオン状のままで存在します。
3)河川水中の鉄やマンガン
河川水などの表流水は大気と接していて酸素の供給が十分であり、また、遊離炭酸が失われるので鉄は容易に酸化されて水酸化第二鉄として沈殿し、一部は微粒子あるいはコロイド状の水酸化鉄となって水中に懸濁しています。
この結果、水中に残存するFe2+はほとんどなく、安定なコロイド状鉄や有機鉄として広く表流水中に存在しています。
ただし、量的には少なく0.3㎎/l前後またはそれ以下の場合が多いようです。
マンガンの場合は、前述したように河川水中ではほとんど酸化析出しないためMn2+として水中に存在します。
4)鉄、マンガンの量は変化する
自然水中の鉄、マンガンで特に注意しなければならないのは、その量の変化です。
水中の鉄・マンガンの量の変化は、季節の移り変わりや気候、揚水量などに影響され、特にダムや湖沼水、浅井戸水にその影響が多くあらわれます。
変化の大きいときなど数倍も違うことがあります。
この例としては湖水の停滞期と循環期があります。
鉄、マンガンに限らず他の水中成分についても、できるだけその変化の資料を持つことが、水処理にとって望ましいことです。

(2)人の体における鉄とマンガンの役割
今まで、鉄やマンガンは、「臭い」だの「色が出る」だのと悪影響ばっかり書きましたが、人の体には鉄やマンガンはどうしても摂る必要があることも事実です。
1)人の体における鉄の役割
①鉄の1日の摂取量
鉄は1日にどのくらい摂る必要があるのかというと、日本人の1日の鉄の必要量は成人男性で10mg、成人女性で12mg、妊娠後期や授乳中で20mgと言われています。
例えば、地下水中に鉄が1mg/l含んでいるとして、単純計算をすると成人男性では10ℓで1日の限度量になります。
鉄は60~70%は血液に、残りは肝臓や骨髄、筋肉などに存在しています。
血液が体のすみずみまで酸素を運搬したり、筋肉が収縮したり、コラーゲンを合成したりするのを助ける働きがあります。
鉄不足は貧血を招くうえ、筋力低下の原因にもなります。
②鉄の働き
鉄の働きについては次のようなものがあります。
・酸素を運搬する
体内でエネルギーを産み出すには、ほとんどの場合酸素が必要です。
酸素と結びついて、体内のあらゆるところに酸素を運ぶ役割をするのが、血液の赤い色素成分であるヘモグロビンです。
鉄はヘモグロビンの材料となっているため、鉄が不足すると、血液中のヘモグロビンの量や、赤血球の数が減ってしまいます。
これを鉄欠乏性貧血といいます。
貧血になると、体内に十分な酸素を送れなくなるため、産み出せるエネルギーの量が低下し、集中力低下や頭痛、めまい、倦怠感といった症状が表れます。
・筋肉を収縮させる
鉄は、筋肉の赤い色素成分であるミオグロビンの材料でもあります。
ミオグロビンが血液中の酸素を細胞内に取り込むことによって、筋肉が収縮します。
鉄が不足すると酸素をうまく取り込めず、筋力低下や疲労感といった症状が表れます。
・体内のさまざまな代謝にかかわる
鉄はいろいろな酵素を活性化したり、酵素の構成成分になったりして、エネルギー産生、神経伝達、コラーゲンの合成などにかかわっています。
・貯蔵鉄として貯蔵される
使われなかった鉄は貯蔵鉄であるフェリチンに変えられ、蓄えられます。
体内の鉄が足りなくなると、フェリチンが分解されてヘモグロビンやミオグロビンの材料になります。
そのため一時的な鉄不足があっても、すぐにその兆候が出ることはありません。
しかし不足状態が長く続くとやがて貯蔵鉄も枯渇し、貧血やその他の欠乏症状が表れます。
③鉄が不足すると
鉄が不足すると、貧血、倦怠感、疲労感、イライラ感、集中力低下、筋力低下、口内炎、爪の異常などの症状が出るといわれています。
特に疲労感は鉄不足の症状のひとつで、鉄不足によって貧血が起きているかどうかの判断としては次のようなものがあります。
・立ちくらみを起こす。
・かぜをひいたときなどに真っ赤に充血する目の結膜の下の部分が白くなっている。
・手のツメに横線が入ったり、爪全体がスプーン状に変形する。
・顔色がすぐれない。
・白髪が増える。
なんとも気になる症状です。
日本人の1日の鉄の必要量は先に述べましたが、健康な人が日常的に摂っている鉄量から出した数字で、科学的な裏付けはないそうです。
特に鉄欠乏性貧血の患者さんはもともと鉄の吸収が悪いか、出血によって鉄を失う量が多いケースがほとんどです。
そのため食事で必要量の鉄を摂っても貧血が改善されず、100mg前後の鉄を鉄剤で補給する必要があります。
授乳期の赤ちゃんでは、母乳の代わりに牛乳を与え続けたために「牛乳性貧血」を起こすこともあります。
母乳には鉄が含まれていますが、牛乳の場合、カルシウムは多くても鉄となると意外に含有量が少なく、「牛乳は完全食品」などと過信すると鉄不足を起こすのです。
40代以降の女性の場合、骨粗鬆症の予防のために牛乳を多量に飲んでカロリー過多になり、カルシウム以外の鉄などの栄養素が不足するケースもみられます。
④鉄を摂りすぎると
逆に鉄を摂りすぎことにより起こる症状もあります。
皮膚の色素沈着、肝障害、亜鉛やマンガンなど他のミネラルの吸収阻害などです。
普通の食事をしていれば過剰症の心配はないと言われていますが、地下水に鉄が多量に含有していたり、サプリメントで、記載されている摂取目安量以上を長期服用すると過剰症がみられることもあります。
⑤鉄を上手に摂るには
鉄を上手に摂るには、鉄とともにビタミンB2、B6、B12とマグネシウムを摂ることだそうです。
鉄が効果的に働くためには、鉄と一緒にいろいろな栄養素をまんべんなく摂ることなのだそうです。
また、鉄の吸収が悪かったり出血によって貧血が起こっている場合は、鉄剤によって確実に鉄を補給することが大切だそうです。
⑥鉄を多く含む食品
レバー、かき(牡蛎)、あさり、かつお、いわし、肉の赤身、がんもどき、納豆、ひじき、小松菜、そばなどがあります。
2)人の体におけるマンガンの役割
鉄は体内に必要だけどマンガンは毒だと思っている人は多いのかも知れません。
でも、マンガンだって鉄と同様に必要な要素です。
①マンガンの働き
マンガンは体内の組織や臓器に広く存在し、いろいろな酵素の構成成分になったり、酵素を活性化したりして、結合組織の合成や酸化防止などをはじめとする、体内の代謝に広くかかわっています。
動物性食品に少なく、植物性食品に多い栄養素ですが、いろいろな食品に含まれているため、通常の食生活をしていれば不足する心配はありません。
しかし、もし不足した場合は、骨格の異常、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、生殖能力の異常、肌荒れなどが起こりやすくなるほか、代謝が悪くなって、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす原因になります。
成長期の子どもでは、発育不良になる可能性があります。
・骨や皮膚の形成にかかわる
酵素反応での関与の一つである骨形成ですが、さらに詳しく言うと、マンガンは骨の成分であるリン酸カルシウムの形成を促進させる働きがあり、マンガンは、骨、軟骨、関節液、皮膚などの結合組織の合成や、骨へのミネラルの沈着を助けます。
そのため骨や皮膚の健康を保つのに重要な栄養素です。
・インスリンの合成にかかわる
マンガンは血糖を調節するホルモンである、インスリンの合成にかかわっています。
そのためマンガン不足は糖尿病につながる恐れがあります。
・神経の機能を正常に保つ
マンガンは、神経細胞間で情報を伝える神経伝達のコントロールに必要です。
その一方、摂りすぎると脳にとっては毒となり、からだを動かすことができなくなったり、思考力が低下したりといった中枢神経の障害が引き起こされます。
・体内を酸化から守る
活性酸素は身体にとって必要なものですが、過剰に発生してしまうと細胞を酸化させて傷つけます。
これが老化やガンの原因といわれています。
また活性酸素は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を酸化させ、血管壁に沈着させて血管を傷つける作用もあります。
これは動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病を引き起こす原因となります。
マンガンは活性酸素を抑える抗酸化酵素の構成成分となり、活性酸素による害を減らすのに役立ちます。
・体内のさまざまな代謝にかかわる
マンガンは各種酵素を活性化させたり、酵素の構成成分となったりして、生殖能、成長、脂質代謝、血液凝固因子の合成などにかかわっています。
カルシウムとともに、月経前症候群のうつやイライラ感の軽減に使われることもあります。
マンガンは人間の体内には12~20mgと少量しか存在しません。
そのうちの25%は骨中に、ついで肝臓、すい臓、腎臓に多く含まれます。
マンガンは胃液でマンガンイオンに変えられ、小腸で吸収されたあと、肝臓へと運ばれ、その大部分は胆液や膵液として、再び消化管へと排出されます。
したがってマンガンの糞中排出量というのは摂取量とほぼ等しくなります。
②マンガンが不足すると
マンガンは多くの生化学反応と関係しているため、不足すると、
・骨形成(骨格異常、骨粗鬆症、発育不良)
・血液凝固能
・糖質、脂質の代謝
・生殖機能の低下
・皮膚の代謝肌荒れ、
・運動機能
などに影響が出てくると言われています。
マンガンの吸収率は、食事に含まれるカルシウムや鉄の量と反比例します。
ですから病気の治療など特別な目的がある場合を除き、カルシウムや鉄だけが強化された食品やサプリメントにかたよった食生活は、マンガン不足を招く可能性があります。
③マンガンを摂りすぎると
マンガンを摂りすぎると、
・精神障害
・中枢神経系障害・
・生殖能力の低下
・免疫力の低下
・腎炎、膵炎、肝障害
などに影響が出てくると言われています。
普通の食事をしていれば過剰症の心配はないと言われていますが、地下水にマンガンが多量に含有していたり、サプリメントで、記載されている摂取目安量以上を長期服用すると過剰症がみられることもあります。
④マンガンを多く含む食品
ナッツ、栗、れんこん、大豆製品(油揚げ、納豆、凍り豆腐など)、玉露、全粒粉、玄米などがあります。

(3)飲料水としての鉄、マンガンは害?
鉄やマンガンは、不足してもいけないし、摂りすぎてもいけないことは症状より確認できたと思います。
しつこく言いますが、鉄、マンガンはいずれも 生命を維持する上で必須元素です。
人間の毎日の最低必要量は、年齢、体重によりますが、鉄が7~48mg、マンガンは4mgといわれています。
ただし、この量は、毎日の食品から摂取していることがほとんどです。
飲料水だけでは摂取するのは大変ですが、それよりも、鉄、マンガンを多く含んだ水は、食品と合計すると過剰摂取になる可能性が大きいと思います。
飲料水の鉄、マンガンは、健康面だけでなく、飲み水に色がつく、味が悪くなるという「生活上支障関連項目」として基準値が決められています。
色がついたり、味の悪い水を、健康に害はないといわれても飲む気にはなれないのもまた事実です。
昔から除鉄や、除マンガンは行われていました。
高度の水処理技術が確立されている現在でも、解決が困難な問題が時折見受けられます。
これは、水中の鉄とマンガンが、その環境によっていろいろと変わった形をとることに起因しています。
除鉄、除マンガンには、この方法だけという画一的な方法はまだありません。
地下水中の鉄、マンガンの状態によって、初歩的な水処理の技術で簡単に除去できるものから、相当な技術と経験をもってしても手こずる難しいものまであり、いくつかの水処理技術が組み合わされて使用されているのが現状です。

水道管の老朽化

日本では、蛇口をひねればいつでもどこでも安全な水が出ると思っている人が多いと思います。

でも、高度成長期の1950~70年代に集中的に整備された日本の水道設備は、だんだん老朽化しています。
水道管など設備の耐用年数は40年と定められています。
そして、老朽化した水道管の破損が原因で起こる事故が相次いでいます。
道路の陥没、破断、漏水など、水道管破損による事故は増える一方で、年に数千件にも達しています。
日本の水道は市町村の公営事業です。
施設の整備・更新は水道料金で賄い、独立採算が原則です。
その一方で、水質や設備は全国基準です。
だけど、地方は人口減少で水道使用量が減り、料金収入が施設更新費用に追いつかなくなっています。
水道の普及率が97.7%で、総延長60万kmもある日本の水道ですが、これをすべて見直すとなると大変な作業です。
橋やトンネルは、目で見てチェックできますが、水道管はほとんどが埋設です。
地中の中での破断や漏水は、実際は水漏れがあって初めてわかることがほとんどです。
道路や橋など、他のインフラよりも傷みが早くなっています。
京都市では、2011年の水道管破裂事故で、老朽管が破れ、周囲のガス管まで破損して、市がガス会社、近隣住民へ払った補償は10億円にもなったそうです。
これは一つの例で、ほとんどの市町村では浄水場や水道管が老朽化し、多額の改修費がかかります。
これに対して地方では人口が減り、家庭や工場で節水が進んでいることも水道事業の採算を悪化させています。
したがって、全国で上水道の料金を大幅に値上げする市町村が相次いでいるそうです。
こうなると、老朽化だけでなく、節水が値上げにつながっています。

私の住んでいる松山市では、全国でも有名な渇水の多い都市です。
四国で唯一の50万都市ですが、主な水源としては、石手川ダムが半分と、掘井戸が半分の取水です。
雨も、よその市町村ほどは降りません。
このように水資源に恵まれない松山市は、過去、何度も渇水に見舞われました。
そのため市は節水型都市づくりを推進し、毎年、私たちに節水を呼びかけていました。
この一環として、平成16年度から、水道事業の業務のうち「浄水場の運転や設備の保守」について民間委託を行っています。
水道事業の運営は、松山市公営企業局が実施しています。
全国で、水道料金の値上げが検討されているにもかかわらず、松山市の上水道料金は、市町の合併に伴う平成20年度の料金制度の統一以降、料金の改定は実施していないそうです。
「われわれはハンディを抱えるが故に努力を重ね、水道料金を上げずに経営改善し、さらに将来への備えをしています」と、松山市公営企業局は言っています。
節水の努力をしても、料金が上がると意味はないと思うので、松山市の方針には賛同できます。

松山市の隣町である松前町では、水道管の老朽化の調査などには、専用のリモコンカーが使われているそうです。
松山市でも活用されているのかも知れませんが、水道管の中に破損がないかどうかなどを調べるために無線のリモコンカーが使われています。
このリモコンカーは、地上にいる担当者が無線で遠隔操作し、最長500m先まで進むことができます。
LEDライトが付いているほか、40倍のズームレンズのカメラは、伸び縮みするアームで、高さや角度が調節できるようになっていて最大直径2mほどの暗い水路の中でも行けるそうです。
ただし、ある程度の大きい水道管が前提ですが。

このリモコンカーですが、災害時に水路などで行う行方不明者の捜索に活用しようと、松前町と松山市の建設会社が協定を結んだそうです。
災害が起きたときに「暗渠」などの地下水路などで行方不明になった人の捜索に活用できるそうです。
リモコンカーは2台あり、災害時に建設会社が松前町からの連絡を受けて、貸し出すことができるそうです。
この建設会社は、松山市とも同様の協定を結んでいるそうです。
災害現場で実際に使われた例は今のところないそうですが、土石流などの災害が続いている現在では、捜索の幅が広がることを期待しています。

水の力とミネラル分

私たち日本人は、当たり前に水を飲んでいますが、医学的、科学的研究によると、水には様々な力があるようです。

特に、人間の身体にとって大切な作用として大きく分けると、2つの働きがあります。
一つは物を溶かす力です。
この溶解作用は、水を飲むことで、水分はもちろんですが、さまざまな栄養分を体内の隅々に補給し、身体に吸収することができます。
つまり、食べ物は水を媒介にして体内で吸収しやすい栄養素になり、全身を巡る血液に取り込まれ、体中の組織に運ばれています。
二つ目は温まりにくく、冷めにくい性質です。
気温が大きく変化しても人間は一定の体温を保つことができるのは、身体に水が多く含まれているためです。
また、暑いときは体内の水分を汗として出し、汗の蒸発により皮膚は熱を奪われ、体温の上昇を防ぎます。
熱が出ると、医者からたっぷり水分をとるように言われるのは、汗が蒸発するときに身体の熱を奪い、体温を下げる効果とともに、発熱によって失われた水分の補給のためです。

この水ですが、一般的に、ミネラル分が多い水は硬水、少ない水は軟水と区別されています。
WHO(世界保健機構)の飲料水水質ガイドラインでは、ミネラル分が120mg/l以上を硬水、それ以下を軟水と区分しています。 
ただし、一般的な基準では100mg/l以上を硬水、それ以下を軟水と区分しているようです。
下表では、それだけでなく、中硬水や非常な硬水と細分して区分しています。

日本の国土は山地が急峻で平野地帯が広くないため、高地から低地への水の流れが速く、雨水の多くは河川を通り、短時間で海に流れ込んでいます。
したがって、地層中のミネラルを吸収する時間が短いうえ、もともと火山地帯でミネラル分の少ない地層が多く、地中の鉱物成分があまり溶け込みません。
そのため、日本の水はミネラル分の少ない軟水となります。
一方、ヨーロッパなど、平坦な大地が広がる地域では、地中滞在時間が長く、ミネラル分の多い石灰岩の地層が多いので、地層のミネラルを含んだ硬水が多くなります。

一般に、軟水の特徴としては、
①昆布やカツオのだしをとる際にグルタミン酸等の旨味成分を引き出し、日本料理全般に適しています。
②炊飯も、軟水の方が美味しく炊き上がり、反対に硬水で炊飯をすると御飯がパサパサになります。
③日本茶や、紅茶、コーヒー、及びウィスキー等の香りを引き出す効果があるといわれます。
④赤ちゃんの調乳には硬度が0mg/Lが適しています。
また、硬水の特徴としては、
①肉の臭みを抑えたり、アク汁を取りやすくするので、洋風だしをとったり、肉を使った煮物や鍋物に適してます。
②エスプレッソの場合は却って苦みや渋みが抑えられ、まろやかになるようです。
③スポーツ後のミネラル補給や、妊産婦のカルシウム補給、また便秘解消やダイエットにも役立つとされます。

区   分

WHOの基準

一般的な基準

軟    水

0~ 60mg/l

0~100mg/l

中程度の軟水
(中硬水とも言う)

60~120mg/l

100~300mg/l

硬    水

120~180mg/l

300mg/l~ 

非常な硬水

180mg/l~










 表.1  硬水と軟水との比較表

井戸にまつわる昔話②

前回は、井戸にまつわる昔話の中で、トルストイの童話で「七つの星」を紹介しましたが、今回は、ペローの童話で、「仙女」を紹介します。

ペロー(1628~1703)はフランスの詩人・批評家・童話作家です。
弁護士の資格もあり、大臣コルベールに重用されたこともあります。
17世紀後期に流行したおとぎ話や仙女物語の代表作家で、「眠れる森の美女」「赤ずきん」「長靴をはいたネコ」「シンデレラ」などが有名です。

仙女
むかしむかし、お母さんと二人の娘が、村はずれの貧しい家にひっそりと暮らしていました。
お母さんは自分ににているお姉さんばかり可愛がり、下の妹には家の用事や力仕事をさせていました。
でも妹は嫌な顔をせず、洗濯も料理も掃除も、歌を歌いながら楽しくやっていました。
 
ある寒い寒い日の事です。
お母さんは妹に、井戸へ水をくみに行くように言いつけました。
妹はおけにひしゃくを入れて、村の井戸へ行きました。
すると井戸のそばに、ボロボロの服を着た女の人が立っていました。
髪の毛も顔も汚れていて、ほっぺたはやせこけています。
女の人は妹が水くみをはじめると、声をかけてきました。
「すみませんが、お水を一杯、飲ませてもらえませんか?」
「ええ、いいですよ」
妹はニッコリ笑って、おけに浮かんだゴミを全部取ると、きれいな水だけをひしゃくにくんで渡しました。
「さあ、何杯でもどうぞ」
女の人は喜んで、おいしそうにひしゃくの水を飲みました。
それから妹にひしゃくを返すと、こう言いました。
「あなたは、なんて優しい娘なのでしょう。これから先、あなたが話せばバラの花と宝石が口から飛び出すようにしてあげましょう」
「まあ、ありがとう」
妹が言うと、ピンク色のバラの花と真珠が、ポロリと口から飛び出しました。
「すてき。ありがとうございます」
妹はポロリポロリと出てくるバラの花と宝石を集めてエプロンのポケットにしまうと、女の人にお礼を言って家に帰りました。
家に帰った妹はバラの花と宝石を見せて、お母さんと姉さんに井戸で会った女の人の事を話しました。
そう話している間にも、赤や白のバラの花とルビーやダイヤモンドがポロポロとこぼれました。
お母さんとお姉さんは、あわててその宝石をひろいました。
そしてお姉さんは、
「あたしも、バラや宝石が出るようにしてもらうわ」
と、おけとひしゃくを持って井戸へ走って行きました。

井戸のそばにはさっきの女の人が立っていて、姉さんに言いました。
「すみませんが、お水を一杯、飲ませてもらえませんか?」
ところがお姉さんは、花や宝石を出してくれる仙女は、きっと美しい貴婦人のような女の人にちがいないと勝手に思い込んでいたのです。
だから、ボロボロの服を着た女の人にそう言われたとたん、
「汚らしい! お前なんか、あっちへお行き!」
と、ひしゃくで水をすくって、女の人の顔にひっかけたのです。
すると女の人は、お姉さんをにらみながら言いました。
「あなたは、なんて意地悪な娘でしょう。これから先、あなたが話せば毛虫や毒虫が口から飛び出すようにしてあげましょう」
そしてそのとたん、女の人は消えてしまいました。
「ちょっと、毛虫や毒虫って、どういう意味!」
お姉さんがあわてて言うと、口から本当に毛虫や毒虫がポロポロと飛び出してきたのです。
「キャーー!」
お姉さんは泣きながら家に帰り、お母さんに言いつけました。
その間も毛虫や毒虫が口から飛び出て、部屋中をゴソゴソ歩きまわります。
お母さんは妹をにらみつけると、
「姉さんに、ウソを教えたね! 仙女がみすぼらしい女だなんて、言わなかったじゃないか! お前なんて、出てお行き!」
と、妹を家から追い出しました。
追い出された妹は、ションボリと森へ行きました。
そこへお城の王子さまが、馬に乗って通りかかりました。
「娘さん、泣いたりして、どうしたのですか?」
妹は泣きながら、お母さんの家を出てきた事を話しました、
そう話す妹の口から、バラの花と宝石がポロポロとこぼれます。
それを見た王子さまは妹のことが好きになって、妹をお城に連れて帰りました。
妹はやさしくて働き者でしたから、王さまにも大変気に入られて、王子さまと結婚してお妃さまになったのです。

このようなストーリーの日本の童話もいくつかあります。
「差別」とか「えこひいき」とか「見栄え」とかをうまく表現しています。
少し前に紹介した弘法大師の伝説にも、村人の対応によって、良いことをした弘法大師と、悪いことをした弘法大師とがあります。
ただ、今の世の中「見栄え」も大切だと感じます。
葬式に赤いネクタイとジーパンで参列する人がいないように、ある程度の常識は持っていないといけないようです。

井戸にまつわる昔話①

井戸にまつわる昔話があります。
この中で、トルストイの童話で「七つの星」があります。
トルストイは、ドストエフスキーと並んでロシア19世紀文学の巨峰の一人である小説家です。
心理描写や道徳観念が複雑にからまりあうトルストイの作品は、現実性を重視したリアリズム文学の傑作とされています。
代表作は、「戦争と平和」(1865~69)、「アンナ・カレーニナ」(1875~77)などがあります。
トルストイの童話では、「イワンのバカ」が有名ですが、「七つの星」を紹介します。

七つの星
むかしむかし、ある村で、毎日毎日、あつい日照りが続きました。
雨が、ちっとも降らないのです。
池も井戸も、すっかり水がなくなってカラカラです。
ある家に女の子がいましたが、お母さんが病気になって寝込んでしまい、
「ああ、水を飲みたい、水を飲みたい」
と、言うのです。
女の子はどうにかして、お母さんに水をあげたいと思って家を出て行きました。
でも、どこを探しても、ひとしずくの水さえも見つかりません。
女の子は疲れてしまって、野原の中の草の上に座ると、そのまま眠ってしまいました。

しばらくして目を覚ました女の子は、目の前にある物を見てビックリ。
すぐ前に一本の木のひしゃくが置いてあり、その中にきれいな水が光っているのです。
「あら、水だわ!」
女の子は喜んで、そのひしゃくを取りあげました。
すぐに飲もうとしましたが、
「いいえ、わたしよりもお母さんに、早く飲ませてあげましょう」
急いで、家の方へかけて行きました。
すると途中で、一匹のイヌが言いました。
「わたしはのどがかわいて、死にそうです。一口だけ飲ませてください。ワン」
女の子は可愛そうに思い、手のひらに少し水を入れるとイヌに差し出しました。
イヌは喜んで、ピチャピチャと水を飲みました。
すると不思議な事に、木のひしゃくはキラキラと光る銀のひしゃくに変わりました。
それから、急いで家へ帰った女の子は、
「さあ、お母さん、お水ですよ」
お母さんはゴクリ、ゴクリと、ひしゃくの水を飲みました。
「ああ、おいしかったわ、ありがとう」
お母さんがそう言った時、銀のひしゃくは金のひしゃくに変わりました。
そのひしゃくの底には、まだ水が少し残っています。
女の子が、今度はやっと自分が飲もうとすると、ふと、一人の知らないおじいさんがやって来ました。
「のどがかわいて、倒れそうです。一口でも水を飲ませてください」
残っている水は、わずかです。
おじいさんにあげてしまうと、自分は飲む事が出来ません。
でも女の子は、
「はいどうぞ、おあがりなさい」
と、言って、ひしゃくを渡してしまいました。
その人は、うれしそうに水を飲むと、
「ありがとうございました」
お礼を言って、出て行きました。
女の子は、あとに残ったひしゃくを見てビックリしました。
ひしゃくからはきれいな水が、こんこんとわき出ているのです。
女の子が喜んで飲んだあと、金のひしゃくには、ピカピカと光る美しい七つのダイヤモンドがついていました。
そしてそれが空へ飛んで行ったかと思うと七つのお星さまになり、ひしゃくの形の星座になりました。
それから、ひしゃくの水を飲んだおかげでお母さんの病気も治り、二人は幸せに暮らしたということです。

「北斗七星」はこうして生まれたと言わんばかりの昔話です。
自分のことは後回しにして、他人を助けるような昔話は、日本にもいっぱいあります。
喉がカラカラの時には、自分で飲んでしまうものですが、昔話の主人公はなかなか我慢強い人が多いです。
但し、現代に生きる私たちは、この昔話のような究極の我慢はしなくてもいいのではと思っています。
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