放射能と土壌汚染

放射能による土壌汚染は、福島第一原発の収束が遅れれば遅れるほど問題になってきます。
ここで、この放射能による土壌汚染の前例とも言えるチェルノブイリでの土壌汚染について調べてみました。
チェルノブイリでは、事故の直後においては、健康への影響は、主に半減期8日の放射性ヨウ素によるものでした。
それが、25年経った今日では、半減期が約30年のストロンチウム-90とセシウム-137による土壌汚染が問題になっています。
最も高いレベルのセシウム-137は土壌の表層にあり、それが植物、昆虫、きのこに吸収され、現地の食糧生産に入り込みます。
1997年頃の試験結果によると、この区域内の木の中のセシウム-137のレベルは上がり続けているそうです。
汚染が地下の帯水層や、湖や池のような閉じた水系に移行しているといういくつかの証拠もあるそうです。

(1)放射性物質の土壌汚染
これを、日本の土壌汚染にあてはめて考えてみます。
①ヨウ素131
ヨウ素131はガンマー線で、半減期は8日です。
今は、野菜などへのヨウ素の付着が問題になっていますが、土壌への長期蓄積はありません。
野菜は洗えば10分の1になるとか、テレビで言っていますが、定かではありません。
ただし、かなり落ちることは確かのようです。
②セシウム137
セシウム137はガンマー線で、半減期は30年です。
土壌吸着が強いことが知られているので除染対策が厄介です。
雨が降ってもあまり土壌の下方に洗い流されないで、土壌表層にとどまって動かないことが多く、土壌中では水には溶けにくく、土壌中に50~70%保持されます。
浅い根の作物によって強く吸収させる必要があるとされていますが、どこまでうまくいくか定かではありません。
土壌中では動きにくいですが、カリウムがあると置換されやすく、作物への移行を抑制できるそうです。
原子の周期表ではカリウムとセシウムは同じ第1族で挙動が似ています。
畑作物の場合、土壌中に蓄積したセシウム137の吸収率は0.05%以下と考えられますが、イネの場合は湛水状態で0.1%~1.0%程度まで高くなるようです。
ただし、土壌中のカリウムイオンと置換されて、カリウムがセシウム137の作物への吸収を阻害すると考えられます。
有機物を投入した土壌でもセシウム137の吸収を抑制する作用があると思います。
稲作の場合、土壌中のセシウム137だけでなく、農業用水に含まれるセシウム137も問題となります。
これは、活性炭・ゼオライト等である程度、除去可能かと思います。
また、現在大気中から降下してくるセシウム137は植物に付着させて、土壌中への蓄積を少なくすることが大切です。
また、土壌を耕起しないことも大切です。
セシウム137は土壌表層だけに蓄積していると思いますので、また、その際、人間が呼吸で内部被爆をする可能性があります。
チェルノブイリでは菜の花で植物除去を行っていますが、これも栽培する時と収獲で人間が内部被爆をするかも知れませんので要注意です。
セシウム137が土壌に蓄積した場合には、土壌の入れ替えしかないと思いますが、どの程度で入れ替えが必要なのかは今後の課題になります。
③ストロンチウム90
ストロンチウム90はベータ線で、半減期は28年です。
今はまだ検出されてないですが、必ず出ていると思います。
それは、ベータ線は測定に時間がかかるからだと思います。
セシウム137と同様に、土壌吸着が強いことが知られているので除染対策が厄介です。
ストロンチウムは同じ2族のカルシウムと置換されやすい特徴があります。
したがって、土壌中ではカルシウムがあると作物への吸収は抑制されます。
また、土壌の中で20~30%が水に溶けて、下層土壌への移行と作物への吸収がセシウム137と比べて1桁大きくなります。
人間の体内に入るとセシウム137より危険です。
なぜなら、カルシウムと同じ挙動を示すので、カルシウムと交換して骨に蓄積してベータ線を出し続けます。
骨細胞を破壊してガンになり易くなります。
ストロンチウム90はセシウム137と比べて、作物への吸収量は一桁多くなるようです。
この吸収も土壌中の有機物で抑制できる可能性は大きいです。
稲作の場合、土壌中のストロンチウム90だけでなく、農業用水に含まれるストロンチウム90も問題となります。
これは、セシウム137と同様に、活性炭・ゼオライト等である程度、除去可能かと思います。  
チェルノブイリでは、ストロンチウム90が高濃度で蓄積していると言われています。
ストロンチウム90が土壌に蓄積した場合には、土壌の入れ替えしかないと思いますが、セシウム137よりは下層土壌へ浸透していると思われるので、入れ替えは厄介です。
どの程度で入れ替えが必要なのかの判断が遅れると大変なことになります。 

(2)放射線の透過力
放射線の透過力についてみてみると、アルファ線とベータ線は透過力が弱いのですが、ガンマ線や中性子線は透過力が強くなります。
なかでも中性子線は鉛やコンクリートでも十分でなく、水(に含まれる水素の原子に衝突させて)でエネルギーを吸収させるためホウ酸水など使って遮蔽します。



スポンサーサイト
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR