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井戸水を出す

もう30年以上前になるでしょうか?
松山市で渇水対策のために重信川の近くに大きな井戸を掘って、そのためにその付近の井戸水が枯れてしまいました。
松山市はその井戸の補償対策として、井戸の掘りましなどを行いました。
当時、新入社員で地質会社に入っていた私はさっそくその仕事に借り出されました。
大きな井戸が完成する前は、地下水位は地面から4mくらいだったと思います。
それが、井戸が出来て揚水を開始すると近くの水位が2mは下がって地下水位は6mになってしまいました。
当時の家庭用の井戸の構造は打ち込み(打ち抜き)井戸がほとんどで、建設資材を売っている店で先端が尖って30cmほど穴が開いている5.5mの鉄管(SGP管)を買って、それを打ち込んで井戸にしていました。
長さが5.5mだから水位が6mだと当然水は出ません。
だけど水を出さないといけません。
その方法としては
①今の井戸を掘り下げる
②近くに新たに井戸を掘る

まず①の場合、ポンプと井戸を切り離して井戸のねじ山に鉄ソケットをつけてパイプを継ぎ足しその上からパイプロハンマーで打ち込むやり方ですが、
a)ねじ山がさび付いてぼろぼろになっていたりしてソケットを付けられない
b)ソケットは付けられても井戸と周辺の土砂とが締まっていて打ち込んでも下がらない
c)ある程度は下がったが、玉石にぶつかってそれ以上には下がらない
d)7mまで下げたがソケットの間にエアが入り水が汲めない
e)7mまで下げ水を出そうとしたが不透水層に当たっているため水がでない

こんなことの繰り返しで、新たに井戸を掘る方が手っ取り早いようでした。
でも、打ち抜き井戸の欠点は、
①途中で玉石に当たるとそれより進まなくなり、またパイプを抜いて掘り替えをしないといけない
②水の入るところは先端の30cmだけなので、そこに水位がないと水は出ない
③継手をするとそこでエアが入る可能性があり、エアが入ると水は出ない
④掘削深度はせいぜい8mくらいまでである

それでもなんとか掘削し、掘削後手押しポンプで水をくみ上げました。
まず呼び水を送り、ポンプ内を水で満水にして手押しポンプを押します。
最初はすごく重いんだけど、出るときには軽くなっていて泥と一緒に水が出ます。
20分くらい繰り返すと徐々に濁りがとれてきます。
きれいになると砂取りをつけて、ポンプまで配管して完成です。
3ヶ月以上かかって、87箇所の井戸の補償を行いました。
今の井戸は先に述べたように打ち抜き井戸に欠陥が多いためボーリング機械で掘ることが多くなっていますが、当時の87箇所の井戸掘りの経験が今の井戸掘りに役立っていると思っています。

株式会社NTO
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