土地の危険度と防災対策

台風の頻度が多くなったり、集中豪雨やゲリラ豪雨など、近年は災害と隣り合わせに生きています。
ここで必要なのは斜面防災ですが、まず土地についての知識を知ることが大切です。

(1)住んでいる土地の危険度
1)昔の地図を見る
世界地図でも、私が学んだ40年前はアラル海やチャド湖は、はっきりと大きく載っていました。
今の現状と昔が違うことは古い地図は教えてくれます。
人口増加による大規模な住宅造成などで、元の地形がわからないほど地形が変わってしまうことがあります。
特に谷を、埋め立てて出来たような造成地では斜面崩壊が起こりやすくなります。
昔の地図でどこが谷だったのかを調べておくとどこが危険なのか分かるし、新しい家を買うときの参考にもなります。

2)今の地図を見る
今の地図でもいろいろ教えてくれます。
地図でアーチ状の崖や等高線の乱れ、途中で消えてしまっている谷などが家の近くにないか調べます。
この地形があるところは地すべりの起こる可能性が高いと思われます。
地すべりには、
①上で崩れた斜面が下へ押してくるタイプ
②下で崩れたために上の斜面がささえを失って崩れるタイプ
の二種類があるので、家の上だけでなく下の斜面も見る必要があります。

3)地名と斜面崩壊
昔、その斜面崩壊があった土地ではその土地の歴史が残されていることがあります。
それは、その地区における地名だけで斜面崩壊の関係がわかると言われています。
①土砂の動きを表した地名
押し(おし),破(やぶり),出(で,だし),落(おち,おとし)
②崩壊地の形を表した地名
崩(くずれ),欠(かけ),割(わり)
③石がゴロゴロしている荒廃地をあらわした地名
権路(ごうろ)
④地形からつけられた地名
段(だん),棚(たな)
このような地名は、昔地すべりや山崩れがあった場所かも知れません。
そして、これから起こる危険性もはらんでいます。

(2)斜面崩壊と場所
1)谷の出口
土石流は直進性が強いので、川の流路に沿って進んでいくとは限りません。
谷の出口は、近くに川がなくても気をつけなければならない場所です。 

2)昔から人がすんでいるところ
昔からの住民は、その地域のことをよく知っていて、洪水の被害を受けやすいところには家を建てているわけではありません。
少なくとも、どこが水に浸かりやすいかということは経験的に知っていたと思われます。
だけど、斜面崩壊は頻繁には起きないし、一度起きた所は対策を施したり安定勾配になっていたりするので、斜面はどこが危険かと言うことを経験的に判断することは難しいことだと思います。
東北の大地震でも、津波被害はもとより、多くの斜面が崩壊し、大切な生命が失われました。
したがって、「昔から人がすんでいるところは安全」とは限らないと思います。

3)崩壊しやすい岩石
花崗岩・蛇紋岩・凝灰岩には特に気をつける必要があります。
この三つの岩石は風化しやすく、中でも花崗岩は堅い岩石のように見えますが、地下深くまで風化していることが多く、特に風化の著しいものは「真砂土」と呼んで、風化岩ではありますが、別に扱っています。
愛媛県でも、松山市の北側半分は高縄山の山麓斜面にまで開発が進んでいます。
頑丈な地盤見えても実は内部までぼろぼろということもあるので気をつける必要があります。
但し、他の岩盤が安全なわけではありません。
地すべりに関しては、緑色片岩・黒色片岩などの結晶片岩や、砂岩・泥岩などは層理面が顕著で、特に流れ盤になっているところは危険です。
地すべりを助長する粘土を挟んでいる所もあります。

(3)災害の兆候
1)地すべりの前兆
①地鳴り、山鳴りがする
②池や沼の水位が急変する
 
③井戸水が濁る    
④湧水が出なくなる
⑤湧水量が増える
⑥落石が発生する
⑦斜面がふくらんでいる
          
⑧地面が震動する
⑨樹木が傾く
               
⑩亀裂や段差が発生する

2)斜面崩壊(崖崩れ)の前兆
①地鳴りがする
②崖の表面を水が流れている
③小石がぱらぱらと落ちてくる
④崖の表面から水が湧き出ている
⑤湧水量が増加している
⑥湧水が濁っている
⑦湧水が停止する
⑧斜面がふくらんでいる

3)土石流の前兆
①地鳴りがする
②土臭いにおいがする
③渓流の水位が急激に減る
④渓流内で石がぶつかり合う音が聞こえる
⑤渓流の水が異常に濁っている
⑥流木が発生する

(4)人間が災害を防ぐ
1)工事
防災する場合に一番に思いつくのは工事だと思います。
典型的なのは、地すべりや崖崩れならアンカー工や抑止杭工、及びコンクリート構造物などで、土石流なら砂防工事(川をコンクリートで固め、所々に砂防ダムを築いていくもの)です。
このような対策工事は効果があるのは確かです。

2)森
日本の山は、杉や檜により針葉樹の森がほとんどで、保水力が不足し、大雨が降ると急激な濁流となって河川を一気に下っていきます。
これに対し、雑木に覆われた広葉樹の森は「緑のダム」とも呼ばれています。
落とした枝や落ち葉などが形成した腐植と土が混ざり合ってできた腐植土は、スポンジのように水を蓄えてくれます。
このことで大雨のときに降った水もたっぷり蓄え、ゆっくり流れ出してくれます。
このことにより川の水かさが増えることはなく、土石流などが起こりにくくなります。
自然の山を生かし、また自然の山に戻すことが大切です。

3)災害情報
もし災害が起こってしまったばあいに被害を最小に食い止めるために、行政機関や住民に早く状況を伝えなければなりません。
このための体制を整えておくことも大切です。
私たちは、巨大なダムや堤防は安全で壊れることがないと思いがちですが、限界を超える自然災害が起こったときには耐え切れないことが近年の災害でも実証されています。
トンネルの中は、昔は安全と言われたこともありましたが、とんでもない人災事故も発生しました。
だから、絶対に安全な場所はと言うことはありえないので、迅速な情報が必要になります。
スポンサーサイト
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR