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フンガトンガ・フンガハーパイ火山の大噴火と津波

大規模噴火があった南太平洋のトンガ諸島が大変なことになっています。

噴火した火山島では陸地の大部分が消失し、周辺の島々では津波の傷痕が見て取れるそうです。
噴火した海底火山「フンガトンガ・フンガハーパイ」では、昨年12月8日の時点で285ヘクタール(東京ドーム約61個分)の陸地があったそうですが、噴火後の衛星写真では陸地の大部分が海没していることが確認されたそうです。
この陸地は、かねて存在したフンガトンガ島やフンガハーパイ島が、両島の間で2014~15年に起きた海底噴火による噴出物などでつながる形で形成されていました。
火山から約65キロ南に位置し、首都ヌクアロファがあるトンガタプ島では、フアアモトゥ空港が津波の浸水を受け、灰が積もっている様子が衛星写真で確認できていました。
また、火山から北東約70キロにあるノムカ島の村落では、約250の構造物のうち104が鮮明に分析できたそうで、ほぼ全てが灰に覆われており、41の構造物で損傷が確認されたそうです。
緑豊かな風景が一転、灰褐色に変わっていました。

フンガトンガ・フンガハーパイ火山で発生した15日の噴火は極めて大規模だったため、その様子を捉えるには宇宙からの観測が最良の方法となりました。
この噴火で特筆すべきなのは、火山灰からなる噴煙や大気を伝わる衝撃波、そして一連の津波が同時に形成された事です。
詳細はまだ明らかになっていないため、噴火の状況は今後さらに変化する可能性がありますが、今回の現象やその発生理由を理解する助けとなりうる情報がいくつか浮上しています。
まずは噴火についてですが、世界全体ではこの規模の噴火は10年に1度程度の頻度で発生しています。
ただし、この火山でこれほどの規模の噴火が起きることはめったにないそうです。
放射性炭素年代測定法で過去の噴火の火山灰や堆積物を調べたニュージーランド・オークランド大学教授(火山学)であるシェーン・クローニンさんの研究によると、今回の噴火は、フンガトンガ・フンガハーパイ火山にとって1000年に1度の出来事だそうです。
この火山は約900~1000年をかけてマグマで満たされ、それが冷却して結晶化が始まり、マグマの内部でガスの圧力が大量に発生します。
そしてガスの圧力が蓄積し始めると、マグマは不安定になります。
身近な例としては、シャンパンの瓶に泡を入れすぎ、最終的に瓶が割れてしまうケースを考えればいいそうです。
マグマの圧力が高まるにつれ、マグマの上の冷たく湿った岩石が壊れ、たまっていた圧力が突然解放されます。
15日の噴火では岩石や水、マグマが上空30キロの高さまで噴出し、そのエネルギーは膨大なものでした。
その後30分以内に、宇宙からも見える直径350キロ超の巨大な雲が発生し、トンガの複数の島に灰を降らせました。
次に津波に関してですが、津波は地震によって起きるケースが最も多いのは日本人なら周知の事実です。
プレートが海底で動くと、大量の水を移動させて巨大な波を引き起こします。
それでは、太平洋南西部の海中に一部沈んでいた火山は、どのようにして米西岸に届く津波を発生させるほどのエネルギーを生み出したのでしょうか。
津波を引き起こした正確な原因はまだ不明ですが、シェーン・クローニンさんは少なくとも2つの可能性があると言っています。
一つ目として考えられるのは、最初の爆発の膨張力との関係です。
15日の噴火ではマグマの噴出が圧力を突然解放し、宇宙からでも見える超音速の気圧の波を引き起こしました。
こうした気圧の波はニュージーランドまで2000キロあまり伝わり、遠く英国やフィンランドでも観測されました。
空気の波と最初の爆風は海面に影響を与えて巨大な波を引き起こし、トンガのトンガタプ島と首都ヌクアロファを直撃しました。
噴火初期の動画には、噴煙で空が暗くなる前に波が道路に流れ込む様子が捉えられています。
津波の原因として二つ目は、火山内部で大きな変化が生じた可能性です。
人工衛星のレーダーが捉えた噴火後の画像からは、これまで海面の上に出ていた火山の中央部が波の下に姿を消したことが分かっています。
これは、噴火発生に伴いマグマが急激に失われ、火山の中央部が崩壊してカルデラ(空っぽのくぼ地)ができた可能性が高いことを示しています。
この崩壊で水が押し出されて津波が発生し、太平洋を越えて米カリフォルニア州まで広がった可能性があります。
今回の噴火は、発生した雷の量という点でも驚異的でした。
これは空気中を飛ぶ非常に細かな火山「灰」の粒子の静電相互作用によって引き起こされたものだそうです。
これについて気象衛星や雷の研究者は観測史上最も重要な現象の一つとの見方を示しており、落雷の数はピーク時には15分間で6万3000回に上りました。
この火山の過去の噴火には多くのフェーズがあり(その一例が新しい島を誕生させた2014年の噴火だ)、今後数日から数週間の間にさらなる爆発が起きる可能性もあります。
ただし緩和要因としてひとつ挙げられるのは、いまはカルデラが水中にあるため、噴火が大気中に到達しにくくなっている点だそうです。
これにより、より海底型の爆発的噴火への移行を意味する可能性があります。
大気への影響は小さくなるでしょうが、依然として津波リスクは高いままの可能性があり、太平洋沿岸地域に住む人は今後数週間にわたって警戒を維持する必要があります。

噴火後の島々の様子は、徐々に明らかになってきています。
私の感覚では、噴火から津波へとは関連付ける事が出来なかったのですが、東日本大震災のように家々がそっくり波にのまれるようなことが起こっています。
まだまだ警戒が必要ですが、このまま噴火が収まったとしても、復旧にはいったい何年かかるのでしょう。
トンガという後進国で、いくつもの島々が被害を受けているとなると、簡単ではないはずです。
一刻も早く支援ができる状況になる事を望みます。

南太平洋の島国トンガの近海で海底火山が噴火した/Tonga Geological Services/EyePress/Reuters 
フンガトンガ・フンガハーパイ火山の大噴火の様子です。
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