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吉祥寺での道路陥没について

吉祥寺での道路陥没について調べてみました。

この事故は、11月2日、東京・吉祥寺で起こりました。
武蔵野市吉祥寺本町で、道路が幅4メートル、長さ10メートルにわたって陥没し、走行していたごみ収集車が落ちました。
ではなぜ、陥没は起きたのでしょうか。
現場の隣では、ビルの建設工事が行われていて、地下深くまで地面が掘り返されているのが分かります。
工事現場と道路との間には、土が流れ出るのを防ぐ「土留め壁」と呼ばれる壁が設けられていますが、そのコンクリートの壁に縦およそ3メートルの亀裂が入り、その一部が崩れていました。
専門家は、この壁が崩れたことによって、隣接する部分の土砂が流れ込み、陥没したのではないかと分析します。
専門家の話では、「車が落ちたところを見ると、下に地下の配管なども見える。そういったあたりは、元々良い地盤ではなくて、埋め戻した砂などの埋め合わせ土といわれるものになる。そういったものが地下の水などと、一緒に流出しやすい土となるので、そういったところを考慮する必要がある」と言っています。
これだけ大きな陥没ですが、前兆はなかったのでしょうか。
周辺住民の話では、半年ほど前にも現場近くで、深さ10センチ程度の小規模な陥没があったと話しています。
専門家は、「そういう小規模な何か路面が少しへこんで、アスファルトをめくってみると土がなくて空洞になっていることはよくあるので。今回の大規模な陥没のある意味、前兆みたいなものだったかもしれない」と言っています。
このような道路の陥没は、国土交通省によると年間9000件と意外に多いようです。
万が一幹線道路等や時間帯によってはとんでもない事故になっていたと考えると非常に怖いことです。

このような状況を検証してみますと、下の写真のように、車両がハマっている道路ではなく、工事中の現場を見てみると作業構台の端部から10mぐらい先で道路との仕切りとなるコンクリートの壁がズレています。
灰色の管は本来土に埋まっていた仮設トイレの配管もむき出しになっています。
この道路との仕切りの壁はあまり厚さはないように見受けられ、あっても壁の厚さは30センチから50センチぐらいかと思われます。
仕切り壁は土留壁(掘削していくときに道路が落ちないようにする壁)ではなく昔の建物の地下の壁と思われます。
仕切り壁は昔に施工しされたと思われるのは、仮囲いの設置されてある箇所を見ると上の建物壊した跡が残っており、費用も掛かるので地上から下は壊さなかったと思われます。
昔に施工されたということは当時の施工資料等が残っていない可能性もあり、構造としてはこの壁を生かして地下2階部分を構築すると考えられます。
おそらくですが、既存壁を残して道路面の古い壁は取り除かずに、工事で道路面が崩壊しないように既存を活用したなかで新しい地下の壁を構築していく予定だったと推測されます。
既存壁をさらに見ていきますと
既存壁(土留壁)が倒れないように、土圧に耐える為切梁と腹起しが設置されています。
普通考えるならもう一段ぐらい土留支保工が設置されていてもいいのですが設計で既存壁に耐力があるということで算定されたのかもわかりません。
この土留支保工は地下深く掘っていく度に段数重ねて設置していくのですが1段梁しか施工していません。
また、昇降設備を見るとおおよその掘削深さは5段ほど足場が組まれてるので10m近くまで掘られてます。
既存壁を見ると、直立しているのがわかるが土圧に耐えれるベースが無く、また、土の面と同じ高さになっています。
既存壁のズレは道路面から中間杭近くまで滑動しており4m程度ズレているように見えます。
床付け面を見ると青いホースが無造作に置かれてますが、水中ポンプのホースで水を排出するのに使っていたように思われます。
そして、地下から水が出ていたように推測されます。(テレビでは、地下水が溜まっているのを見ました。)
このように、少し怖い状態です。
おそらく工事中は、常に地下へバックホーを使い残土搬出を繰り返していたと思います。
この状況であれば、地上の方には土留支保工が設置されているので、常に横からの押す力(土圧)が均等になっており床付け面までもまだ土が残っているので作業箇所は安定している状態で問題なかったように思えます。
こうやって地下の実際に構築物を作成していく場所まで繰り返し掘っていきます。
床付けまでだいたい掘削が完了が近づいてくるに伴い、土圧が常に掛かって状態で隙間から雨などで少しづつ、道路面の土が工事中の現場に流れこんできたと思います。
この現場の土質は、近くのボーリングデータによると典型的な関東ロームの台地と思われます。
しかし、上部約2m程度はかなり軟質なふかふかとした土となっているようです
このデータのように、地表から1mを超えるほどの軟弱層がある場合、単純な転圧などでは締固め効果を期待できないため、適切な地盤補強が必要と診断されます。
したがって、今回の沈下陥没の要因はヒービングによるものと考える事ができます。
ヒービングは、掘削底面付近に柔らかい粘土層がある場合、主として沖積粘土地盤で、含水比の高い粘土が厚く堆積する場合などで起こりやすいとあります。
今回は、付近の土質は関東ロームですが、既存の土留壁の埋戻しをした際の埋め戻し材が何かはわかりませんが、地下からの湧水や、既存壁(土留壁)のベースもないこと、掘削面と既存壁(土留壁)が同じ高さ根入れがないことで、壁の下がブラブラの状態になっていたと考えられます。
また、地下水も大きく影響しています。
ブラブラの状態で掘削をしていく中で土留め背面の土の重量や土留めに近接した地表面での上載荷重(下に押す力)と2段梁がないことで、土圧を受けやすい状態でだったと考えられます。
その結果、湧水から掘削の床付け面へ土砂が流れて土留め壁がはらんで根入れ(土留壁のベース)が滑りだしてきた結果、周辺地盤の沈下が生じ、最終的には土留めの崩壊にしたように推察されます。


工事現場と道路との間には、土が流れ出るのを防ぐ「土留め壁」と呼ばれる壁が設けられていますが、そのコンクリートの壁に縦およそ3メートルの亀裂が入り、その一部が崩れています。



既存壁を残して道路面の古い壁は取り除かずに、工事で道路面が崩壊しないように既存を活用したなかで新しい地下の壁を構築していく予定だったと推測されます。
既存壁をさらに見ていきますと、既存壁(土留壁)が倒れないように、土圧に耐える為切梁と腹起しが設置されています。
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