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有孔塩ビ管を挿入した場合の電気検層

有孔塩ビ管を挿入した場合の電気検層について調べてみました。

電気検層はボーリング孔壁周辺地盤の電気的特性を把握し、地盤状況を推定する際の資料とするために実施するものです。
井戸工事においては、帯水層の位置決めにはとても重要であり、ストレーナーの位置はこの電気検層で決まるといっても過言ではありません。
電気検層においては、測定ゾンデと孔壁との間は、できるだけ障害物(ケーシング、塩ビパイプ等)がない裸孔の状態で測定することが望ましいとされています。
ただし、実際の現場においては孔壁状況が悪い場合、掘削時の泥水の影響が消失するまでに長時間を有する場合等、裸孔のまま放置すると電気検層の実施が不可能となる場合も多く、保孔管として有孔塩ビ管を挿入した後に電気検層を実施することも必要となります。
ここで、同一ボーリング孔において裸孔と有孔塩ビ管挿入後の2種類の状態で電気検層を実施した際の事例による経験から、それぞれの検層結果の相違点、検層結果を解釈する上での留意点を述べてみます。
なお、有孔塩ビ管の開口率は1%程度(普通の水位観測孔)です。

電気検層を実施したボーリング孔の地質は、多少の風化の違いはありますが、試験地は、概ね新鮮で堅硬な花崗閃緑岩を基盤としています。
電気検層結果を比較するに当たっては、地質区分よりも亀裂状況、地下水状況が大きな要素を占めているボーリング孔です。
この現場の電気検層結果については次のようにまとめられています。
① 裸孔よりも塩ビ管挿入後の見かけ比抵抗値の方が全般的に1.4~2.3倍程度高い。
② 電極間隔が小さい方が、①の傾向は顕著に表れている。
③ 見かけ比抵抗値のピークは、裸孔と塩ビ管挿入後とも、どの電極間隔でも同じ深度に現れてお り、見かけ比抵抗曲線の大きな形状は、どちら の状態でもほぼ同じと言える。
④ 見掛け比抵抗曲線において、見掛け比抵抗値の細かい高低の変化(凹凸)は、裸孔の方が塩 ビ管挿入後よりもより明瞭に捉えられており、特に電極間隔が小さい方がその傾向は顕著である。

この結果により、裸孔と塩ビ管挿入後で実施した電気検層結果を評価する上での留意点は次のようになる。
① 裸孔、塩ビ管挿入後の見かけ比抵抗値は塩ビ管 挿入後の方が全般的に高いのですが、見掛け比抵抗値の高低の傾向は両者とも概ね合致していることか ら、ボーリング孔における定性的判断は可能と考えられます。
ただし、塩ビ管挿入後の見掛け比抵抗値は、やや高い値が得られていることに留意すべ きです。
したがって、他のボーリング孔も含めて調査域の地盤の評価を行なう場合は、各ボ-リング孔の見掛け比抵抗値は、裸孔か塩ビ管挿入後に取得した値なのかを念頭に置く必要があります。
② 電極間隔の小さい方が、より塩ビ管の影響を受 けていることでも判るように、見掛け比抵抗値は塩ビ管の開口率に大きく影響を受けることになります。
したがって、より裸孔に近い状態の見掛け比抵抗値を得るためには、
・孔間隔は測定電極間隔よりも 短くする
・孔の空け方も千鳥格子、螺旋状等とす る
・孔ではなくスリット形状とする
など、開口率 を上げる工夫を行なうことが必要です。
ただし、開口率を上げるに際しては、塩ビ管の強度、加工の手間(経費)いう問題が発生します。
電気検層の評価は相対的な傾向を把握できれば十分という場合もあるため、開口率をすべて最大にする必要はないと思われますが、ダム、トンネルな どの様に、同一の調査目的を持ち、複数のボーリ ング孔のデータを利用して地盤評価を実施する場合は、各現場において、塩ビ管の仕様、開口率を 統一しておくことが必要と考えられます。
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