漸新世について

地質時代には、いろいろな時代がありますが、今回は漸新世について調べてみました。

新生代 古第三紀 漸新世(ぜんしんせい、Oligocene)は地質時代の時代区分の一つです。
【期間】
新生代の古第三紀を三つに分けたときの最後の世で、始新世と新第三紀中新世との間に位置します。
約 3390万年前から約 2303万年前までの期間と言われていますが諸説あります。
この時期は、二つに細分されています。
・ルペリアン(Rupelian 3390万年前 - 2810万年前)
・チャッティアン(Chattian2810万年前 - 2303万年前)
【名前の由来】
「古第三紀」の名前の由来は「暁新世について」で説明しました。
漸新世の”漸”は、徐々にとか、しだいしだいにとかの意味なので”始”よりは明らかに後のようです。
1854年に E.バイリヒが命名したとされていますが、漢字ではなかったようです。
【生物】
大陸の分離によって、動物相には地域ごとの違いが見られるようになりました。
また、前の始新世に栄えた動物の多くが、始新世と漸新世の境界付近で絶滅し、それに変わる新しい種の発展が見られるようになりました。
哺乳類の進化、特に大型化が進んでいます。
史上最大の陸生哺乳類とされるアジア産奇蹄目(サイ類)のインドリコテリウムはその極致だそうです。
ゾウの仲間(長鼻目)はアフリカで進化し、大きな体躯を持ちましたが、まだ他の大陸には進出していません。
霊長目ではオナガザル上科と分かれる形で類人猿(ヒト上科)が出現し大きな発展を遂げていきました。
現在のテナガザルに似た小型の類人猿の仲間が繁栄し、続く新第三紀中新世にかけてはアフリカからヨーロッパ・アジアにかけて勢力を広げました。
肉食性哺乳類では、これまで栄えた原始的な肉歯目が衰え、現在のトラ・ライオン・オオカミなどにつながる食肉目が取って代わっています。
植物食性の大型哺乳類では、多くの種がこの時代を乗り越えられず、絶滅しています。
ゾウと遠縁でありアフリカを中心に生息していた重脚目、ウマと遠縁であり北米やアジアに生息していた奇蹄目のブロントテリウム科(雷獣)、前述のインドリコテリウムなどのアジアの大型のサイ類がその代表です。
海洋では前の始新世にテチス海を中心に発展していた原クジラ亜目の多くが前述の気候変動やそれに伴う海退によって滅びましたが、一部の生き残ったものが現鯨類として発展しました。
絶滅した原クジラ類に代わって、食肉目のクマに近いグループがこの時代に海洋への進出を開始し、鰭脚類(アシカやアザラシの仲間)の祖先となりました。
オーストラリアでは漸新世になっても有袋類の化石は見つかっていないのですが、既に有袋類の一部が入っていた可能性はあります。
南アメリカ大陸は他の大陸と孤立して独自の生物進化を始め、午蹄中目と呼ばれる有蹄類が分布しました。
また、この時代に、いまだに比較的近い位置にあったアフリカ大陸から南米大陸に幾らかの小型動物(広鼻下目の祖先となる霊長類や齧歯類)が流入したようです。
【植物】
植物は、ジュラ紀にすでに出現した被子植物が繁栄しました。
【岩石】
チャールズ・ライエルの百分率法区分では、貝化石中の現世種が 10~15%のものを漸新世としたそうです。
漸新世の前~中期は、アルプスの著しい褶曲が形成された時期にあたります。
愛媛県では、中生代白亜紀から活動していた四万十帯が、この漸新世でほぼ終わっています。
四万十帯形成の場は、南海トラフに近い位置にあると想定されており、フィリピン海プレ ートからの圧縮力を受ける環境にあったと推定されています。
このため、地層は圧縮力による変形作用を受け、レンズ状の礫を含む形態の岩石が形成され、これを“メランジェ” と呼んでいます。
また、圧縮の場であるため海底地形の変動も受けており、地震に伴って発生する海底地すべりにより形成される、礫を含む形態の岩石も形成され、これを“オリストストローム”と呼んでいます。
四万十帯が形成された場が、圧縮変形を受ける場所であったため、四万十帯の地層は形成時に変形を受け、層状構造を持たない礫を含む形態の岩石が広く認められています。
形成時に変形を受けているため、頁岩や礫状の岩体は割れ目が発達している場合が多く(開口割れ目以外に、潜在的割れ目も存在する)、掘削等の地形改変に伴って割れ目が開口し、緩みや崩壊が発生する場合も起こっています。
また、地層の方向が場所によって異なり曲線状になる褶曲構造や、断層が認められるのも四万十帯の地層の特徴です。
【気候】
漸新世の初期には一時気温が低下し気候が不安定になったそうです。
この気候変動は、後に述べる同時期の大海退や動物の大量絶滅と関連し、地球外に原因がある(例えば巨大隕石や彗星の衝突)とする説もありますが、確実ではありません。
中期以降は温暖で安定した気候になったという説と、気候はしだいに寒冷化したという説があり、従来は中新世になってからと考えられていた北極の海氷と南極大陸の氷床は、既にこの時代に形成されたとする意見もあります。
初期には大規模な海退が起こったようです。
北アメリカとヨーロッパは大西洋の拡大により完全に分断されたのですが、逆に北アメリカとアジア(シベリア)はベーリング海峡付近でしばしば接続し、動物の行き来がありました。
北アメリカと南アメリカは白亜紀より、この漸新世まで大アンチル諸島が陸橋となってつながっていたのですが、やがて北東に移動していきました。
インドがアジアに衝突し、テチス海は急速に消滅しつつありました(これも海退や気候変動、ひいては多くの動物の絶滅の一因とされています)。
著しい海退期にあたり、地層の分布が狭くなっています。
アフリカ・南アメリカ・オーストラリア・南極の各大陸は海で隔てられ、孤立していました。
アルプス山脈とヒマラヤ山脈の造山運動が開始され、北アメリカ西部の造山運動は続き、その後の激しい隆起で現在のような山脈ができました。
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