先カンブリア時代について

地質時代には、いろいろな時代がありますが、今回は先カンブリア時代について調べてみました。

先カンブリア時代(せんカンブリアじだい Precambrian time)は、地質時代の年代区分の一つです。
【期間】
先カンブリア時代は、最も古い時代です。
古生代カンブリア紀が始まるのが約 5億9000万年前だとしたら、それに先だつ地質時代を一括して先カンブリア時代と呼んでいます。
地球が形成された約46億年前から約 5億9000万年前までの約40億年にも及ぶ長大な地質時代に相当します。
この時代は、冥王代(Hadean)と、最初の生命が発生した時代という意味の始生代(Archeozoic)、(または太古代)と、原始的な生物の時代という意味の原生代(Proterozoic)の3つに区分されています。
時代の分け方として、古い順から、
①先カンブリア時代(Precambrian time)
①-1冥王代Hadean・・・・46億年前〜40億年前(または38億年前)
①-2始生代(Archeozoic 太古代 Archean)
・原始生代(Eoarchean)・・・・40億年前(または38億年前)〜36億年前
・古始生代(Paleoarchean)・・・・36億年前〜32億年前
・中始生代(Mesoarchean)・・・・32億年前〜28億年前
・新始生代(Neoarchean)・・・・28億年前〜25億年前
①-3原生代(Proterozoic)
①-3-1古原生代(Paleoproterozoic)
・鉄鉱紀(Siderian シデリアン)・・・・25億〜23億年前
・熔岩紀(Rhyacian リィアキアン)・・・・23億〜20億5,000万年前
・造山紀(Orosirian オロシリアン)・・・・20億5000万〜18億年前
・剛塊紀(Statherian スタテリアン)・・・・18億〜16億年前
①-3-2中原生代(Mesoproterozoic)
・覆層紀(Calymmian カリミアン)・・・・16億〜14億年前
・伸展紀(Ectasian エクタシアン)・・・・14億〜12億年前
・狭帯紀(Stenian ステニアン)・・・・12億〜10億年前
①-3-3新原生代(Neoproterozoic)
・拡層紀(Tonian トニアン)・・・・10億〜8億5000万年前
・氷成紀(Cryogenian クライオジェニアン)・・・・8億5000万〜6億3500万年前
・エディアカラ紀(Ediacaran エディアカラン)・・・・6億2000万年前〜5億9000万年前
②顕生代
・古生代
・中生代
・新生代
先カンブリア時代は、上記のように細分されています。
このうち、始生代は、地球の形成より約25億年前までの時代にあたり、地球の基本的構造が形成されています。
【名前の由来】
カンブリア紀の名前の由来は、イギリスのウェールズ地方北部はかつて「Cumbria」と呼ばれていたそうで、その時の古称「カンブリア」にちなんでいると、前回のブログでお伝えしましたが、先カンブリア時代の名前はこれに準じていると想定できます。
【生物】
生物として捉えるのが正しいのかどうかはわかりませんが、酸素をつくるシアノバクテリアによるストロマトライトの出現は約27億年前といわれています。
西オーストラリアの35億年前の地層からメタン生成菌の痕跡が発見され、当時すでに生命活動があったと推定されています。
また、世界各地の約6億年前から約5億4200万年前にかけての地層から、現在のものとは全く違う無脊椎動物の痕跡が見つかっているそうです。
これらはエディアカラ生物群と呼ばれ、先カンブリア時代末期には、異なった形態の生物が出現しています。
これは「有殻微小動物群」(Small shelly fauna) と呼ばれていますが、詳しい事はほとんど分かっていません。
この生物群は顕生代の始め、カンブリア紀のごく初期に消滅し、入れ替わるようにして多様な生物群が出現しています。
これはバージェス動物群と呼ばれていますが、この生物群の爆発的な多様化をカンブリア爆発と呼んでいます。
1950年から1980年にかけてソ連や北米の古生物学者たちがトモティアン動物相をカンブリア系基底の堆積物の下から発見しました。
これらの生物は小さな骨格を持っており、小さな管や円錐の殻からできています。
これは6億年前の動物相であり、エディアカラ動物相と系統的関係はありませんが、カンブリア系の化石の生物の多くのものの直接の先祖であると想定されています。
【植物】
20億年前頃の岩石から石墨や石灰岩などが多く出て、藍藻類に属するとみられる石灰藻やバクテリア化石が見つかっています。最古の化石として約 30億年前の藻類が南アフリカから報告されているので、生命の発生はかなり古いとみられています。
【岩石】
これまでに確認された最古の岩石は、約38億から約37億年前のものだそうです。
先カンブリア時代の岩石は楯状地(たてじょうち)を形成し、北アメリカ大陸北東部、南アメリカ大陸アマゾン地域、シベリア、北ヨーロッパ、アフリカ大陸南東部、オーストラリア大陸西部、インド、中国華北より朝鮮半島などに広く分布しています。
先カンブリア時代の地層・岩石は、粘板岩、砂岩、礫岩、火山砕屑(さいせつ)岩類、またそれらを貫く、花崗岩などの深成岩ですが、何回もの変成作用を受け、一般に、結晶片岩類や片麻岩などの変成岩になっている場合が多く見られます。
ただし、後期の地層には、石灰岩、白雲岩、赤色岩層の発達もみられ、地層の保存もよく、化石もまれに見つかっています。
始生代に生物が存在していたことは、生物源とみなされる石墨や鉄鉱層の発達からも推察されますが、バクテリアや藍藻(らんそう)の化石と思われるものが、南アフリカの30億年以上も前の地層より発見されています。
石灰質ストロマトライトは、世界各地の後期始生代以降の地層中に普通に見られます。
東アジアでは、中国の華北より朝鮮半島にかけて、主として結晶片岩類や片麻岩よりなる先カンブリア界が発達しています。
日本には、先カンブリア時代の地層は知られていませんが、岐阜県の中生代の礫岩層中より約20億年前の年代を示す片麻岩礫が発見されており、礫をもたらした後背地に先カンブリア界が存在していたことが明らかになりました。
【気候】
古気候については不明な点が多いのですが、氷礫岩層や氷河が磨いた岩盤が各地で発見されており、何回かの氷河時代があったことがわかっています。
先カンブリア時代末の8億~6億年前の氷河時代はとくに大規模で氷河が地球表面の大部分を覆いつくしていたと考えられています。


これが、上麻生に露出する日本最古の岩石の上麻生礫岩中の花崗質片麻岩礫です。
1970年に、七宗(ひちそう)町上麻生(かみあそう)を流れる飛騨川から、日本列島で最古の岩石が発見されました。
飛騨川には美濃帯の地層が露出しているのですが、当時は示準化石も産出せず、地質時代は漠然と古生代後期と考えられていました。
地層は,砂岩,泥岩,チャートが単調に重なっているのですが、上麻生には礫岩層が挟まっており、これが上麻生礫岩です。
丹波帯,美濃帯,足尾帯など、当時は古生代後期と考えられていた地層から礫岩層の発見例はほとんどなく、しかも年代測定が可能な花崗質片麻岩が含まれているため大いに注目されました。
なぜなら礫岩ですから、その中に含まれている礫は古生代後期よりも古いということになります。
そして、この片麻岩に対して、各種の放射年代が測定されました。
その結果、原生代初期を示す約20億年前の値が得られました。
これは、今でも日本列島から発見された最古の岩石であることを保証する年代値となりました。
その後、この岩石は約17億年前に変成作用を受けて、花崗岩から花崗質片麻岩になったことも判明しました。
そして、この片麻岩礫がどこからやってきたのかと言うと、その手がかりは、地層に残された堆積構造にありました。
地層の層理面には、堆積時の水流の方向(古流向と言います)を示す堆積構造が残っており、それを調べると水流は北から流れてきたことが分かりました。
美濃帯の北には飛騨帯があり、そこには飛騨変成岩類と言う大陸地殻の断片(この考えも今では成立しないようです)と考えられていた変成岩類が露出しており、放射年代も先カンブリア時代を指すものが得られていました。
古流向とも調和的ですから、この片麻岩礫は飛騨変成岩起源と考えられ、これで日本最古の岩石は「上麻生礫岩(層)」ではなく、同礫岩に含まれている「花崗質片麻岩礫」ということになります。
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