集中豪雨による被害と「真砂土」

台風3号に伴って発達した積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらすという「線状降水帯」によって、福岡県と大分県は大変な被害になっています。
1時間の降水量が100mm以上を記録している福岡県の朝倉市は、朝倉市杷木若市で山が崩壊するおそれがあるとして、昨日の午後2時45分、若市区と上げ区の2つの地区の115世帯316人に避難指示を出しています。
1時間の降水量が100mm以上が何回も続けば、斜面崩壊も起きるとは思いますが、こんなにも大規模の崩壊が起こった地質の要因としては、「真砂土」にあると言われています。
「真砂土」(まさつち Decomposed granite(DG))とは、花崗岩が風化が進んで砂状・土状になったものです。
結晶粒子が大きくかつ鉱物結晶の熱膨張率が異なる花崗岩は、温度差の大きい所では粒子間の結合が弱まり、風化しやすいのが特徴です。
風化が進むと構成鉱物の粗い粒子を残したままバラバラの状態になり、非常にもろく崩れやすくなります。
この中には礫や砂、シルト、粘土などの大きさの粒子が含まれます。
そして、最終的には礫はケイ砂やシルト、粘土へと風化していきます。
このようにして生じた粗い砂状の粒子は「マサ」と呼ばれ、そのマサが堆積した土を「マサ土」と定義しています。
日本では主に関西以西に広く分布しており、安価なため園芸・敷土などに広く用いられています。
土質力学的には、
①分布地域により鉱物の組合せや粒径が違い性質が異なること
②花崗岩の風化が深層に至り表面は完全に土砂化すること
などから、安全性の確定が特に難しいと言われています。
「真砂土」の特徴としては、水に弱い土質です。
これは一般に花崗岩の風化が深層にわたって及んでいること、またその表層が比較的短年月の間に物理的化学的風化の進行によって完全な土砂化をするためです。
特に粗粒花崗岩は、粘土鉱物の流出によって、土砂化した際に砂質土となり粘着力成分を失うため流水によって侵食崩壊しやすくなります。
今回のような集中豪雨が長時間続くと、表土層底部に浸透水が貯まりバランスが崩れて大規模な崩壊に至ることもあります。
最近では、2014年8月19日~20日に広島市で発生し大きな被害をもたらした土砂災害の一因として、現場周辺の「真砂土」による地質特性が挙げられています。
一般に崩壊を起こす表土層の透水性は下層が基盤となっている「真砂土」に比べてかなり大きいのが普通です。
しかし、「真砂土」は、見かけとは違って透水係数が1×10-3cm/secよりも大きいことが多いのが特徴です。
つまり下層を形成している「真砂土」も透水性があるということになります。
集中豪雨が長時間続くと、浸透量が流出量より多くなり、浸透水が貯留しはじめ地下水を形成します。
この水位が次第に上昇する過程で安定に関する力のバランスが崩れて全面的な崩壊に至ります。
「真砂土」の場合は、浸透水が下層にまで貯留するために、崩壊する時には大規模なものになることがあります。
下の写真は、福岡県朝倉市、大分県日田市などの被災地に生々しく刻まれた豪雨災害の爪痕です。
松山市も、高縄山はすべて「真砂土」なので、集中豪雨では崩れやすいのは朝倉市と同じです。
集中豪雨が何日も続くときには逃げるしかないのでしょうか?
大分県や広島県とは瀬戸内海を挟んでいるだけなのに、それにしても雨が降らない松山市です。


















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