複成火山と単成火山

火山の噴火にも、二つの形態があります。

火山の中には、同じ火道を使って何回も噴火する複成火山と、それまで何もなかったところに新しく火道をあけて噴火を始め、噴火が終了するとその火道がすぐに閉塞してしまい、そこから再び噴火することがない単成火山とがあります。
複成火山は大きくて複雑な火山体をつくりますが、単成火山の火山体は小さくて単純です。
そして、単成火山はふつう群れを成すのが特徴です。
複成火山の中心火道は煙突状ですが、単成火山の火道は板状です。
このような、複成火山と単成火山について調べてみました。

(1)複成火山(polygenetic volcano)
1)成層火山
成層火山(せいそうかざん stratovolcano)とは、ほぼ同一の火口からの複数回の噴火により、溶岩や火山砕屑物などが積み重なり形成された円錐状の火山のことです。
地形と内部構造によって類別された火山形状の一つです。
その火山体の形成までには複数回の噴火を必要とします。
ほぼ同一の火口から噴火を繰り返すことにより、火口の周囲に溶岩および火山砕屑物・火砕流堆積物が積み重なり、火山体が形成されていきます。
火山体は溶岩および火山砕屑物・火砕流堆積物などの互層であり、それが層を成していることから、「成層」の名が付いたそうです。
なお、山体構成物は上記のほか、泥流堆積物も含まれる場合があります。
2)楯状火山
楯状火山あるいは盾状火山(たてじょうかざん shield volcano)は、緩やかに傾斜する斜面を持ち、底面積の広い火山です。
粘性の低い(流れやすい)玄武岩質溶岩の噴出・流動・堆積によって形成されます。
地球上の大型火山の多くは、この楯状火山であり、アスピーテと呼ぶこともありますが、現在ではこの呼称は推奨されていないそうです。
多量の玄武岩質溶岩の噴出によって形成されることから、ハワイ諸島やアイスランドなど、ホットスポットや海嶺上に主に分布しています。
ハワイ諸島の火山はほとんどが楯状火山であり、世界最大のものはハワイ島にあるマウナ・ロア山です。
3)溶岩台地
溶岩台地(ようがんだいち lava plateau)は、玄武岩質の溶岩が大量に噴出し積み重なってできた、大規模な台地のことです。
世界的には、デカン高原(52万 km2, 日本の国土面積の1.4倍)やコロンビア川溶岩台地(16万 km2)が巨大な溶岩台地として知られています。
4)火砕流台地
火砕流台地(かさいりゅうだいち pyroclastic plateau)は、火砕流が流れた跡に残される火砕流堆積物で構成される台地のことです。
大規模な火山活動による火砕流は大量の堆積物を残します。
この堆積物(火砕流台地)は噴出源を中心に非常にゆるい角度で傾斜し、厚さは数十mにもなり、噴出源の近辺では100mを越えることもあります。
そのため小規模な火砕流では形成されることはなく、体積が数十km3を超えなければ形成されません。
5)カルデラ
カルデラ(caldera)とは、火山の活動によってできた大きな凹地のことです。
「釜」「鍋」という意味のスペイン語に由来し、カルデラが初めて研究されたカナリア諸島での現地名によるそうです。
本来は単に地形的な凹みを指す言葉で、明瞭な定義はなく、比較的大きな火山火口や火山地域の盆地状の地形一般を指す場合があります。
過去にカルデラが形成されたものの、現在は侵食や埋没によって地表に明瞭凹地として地形をとどめていない場合もカルデラと呼ぶそうです。

(2)単成火山(monogenetic volcano)
1)爆裂火口
爆裂火口(ばくれつかこう explosion crater)は火砕丘を持たない火口地形で、爆発火口とも呼んでいます。
火砕丘を持たないため、地面がえぐられたような形状をしています。
火山噴出物の少ない水蒸気爆発などで形成され、まわりに火山礫が堆積・成長すると火砕丘になり、逆に噴火で火口底が地下水面より低くなり水が溜まるとマールになります。
2)マール
マール( maar)とは、マグマ水蒸気爆発による火山地形のひとつです。
水が豊富にある場所でマグマ水蒸気爆発が起こって火砕サージを発生し、爆発によって生じた円形の火口の周囲に、少量の火砕サージ堆積物からなる低い環状の丘を形成します。
火口底が地下水面より低い場合は、中に水が溜まることが多く、その場合、火口は湖となり、沿岸部では湾入します。
通常は1回だけの噴火で形成され(単成火山)、この点で成層火山頂上の火口(湖)とは異なります。
「マール」は、もともとドイツ西部のアイフェル地方の方言で「湖」を意味しています。
アイフェル地方にはこのようにして生じた湖沼が70か所以上に点在していて、俗に「アイフェルの目」とも呼ばれるそうです。
19世紀からドイツの地理学者によってこの種の地形を表す語として用いられるようになり、その後国際的に定着したそうです。
3)火砕丘
火砕丘(かさいきゅう pyroclastic cone)は、火山活動で噴出した火山砕屑物が火口の周囲に積もり、丘を形成したものの総称で、火山砕屑丘とも呼んでいます。
通常は単成火山であり、大きくても直径2-3km程度です。
この火砕丘は、いくつかの種類に分けられています。
①スコリア丘
玄武岩質のマグマからできたスコリアが積もったものです。
多くがストロンボリ式噴火で形成されています。
溶岩流はスコリアは密度が低いため、密度の大きな溶岩が火口に溜まって火口縁から溢れ出すようなことはなく、スコリア丘と大地の境界面から流れ出します。
この溶岩流はしばしばスコリア丘を削り、馬蹄形(U字型)の火口を持つスコリア丘になります。
スコリア丘の例としては阿蘇山米塚、大室山、などがあります。
②タフリング、タフコーン(凝灰岩丘)
マグマ水蒸気爆発で形成されます。
マグマ水蒸気爆発は、マグマの成分とは無関係に、マグマが地下水や湖水などの冷たい水と接触すると起こります。
爆発力が大きいため、火口が大きく高さは低くなります。
マグマと水の量比によって爆発力や噴出物量が異なり、爆発力が比較的強く高さの低いものをタフリング、爆発力が比較的弱く高めのものをタフコーンと呼んでいます。
屈斜路カルデラの中島、ハワイ・オアフ島のダイヤモンドヘッドはタフリングです。
③軽石丘
安山岩〜流紋岩質のマグマからできた軽石が積もったものです。
このようなマグマは、ガス成分が多く、玄武岩質マグマよりも爆発的な噴火を起こしやすいので、一般にスコリア丘よりも大きな火口をもつのが特徴です。
阿蘇山の草千里などが有名です。
④溶岩円頂丘
溶岩円頂丘(ようがんえんちょうきゅう)または溶岩ドーム(ようがんドーム Lava dome)とは、火山から粘度の高い水飴状の溶岩が押し出されてできた、ほぼドーム状の地形です。
上空からはおおよそ円形に見え、地上から見ると土饅頭、あるいは円墳のような外観の隆起を成しています。
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