神戸の布引の滝と六甲山の隆起

新神戸駅の裏山で、六甲山の麓にある布引の滝を紹介します。

布引の滝(ぬのびきのたき)は、布引渓流(名水百選)にある4つの滝の総称です。
神戸市中央区に渓流が流れ、そこに立派な滝があるとは信じ難かったのですが、実際に山陽新幹線「新神戸駅」から徒歩15分の所に布引の滝が存在していました。
布引の滝は、日本三大神滝の一つと言われ、他は日光華厳滝と、紀州那智滝です。
このような修験道行場の滝は、都心から至近距離ながら、心静かにマイナスイオンを浴びることができるオアシスとなっています。
神戸っ子は「葺合(ふきあい)」の滝とも呼んでいて、昔から神の滝とあがめているそうです。
水源は、六甲山系の獺(かわうそ)池で、摩耶山(まやさん)や再度山(ふたたびさん)の水を一手に集め、布引貯水池を経て落下して生田川となり、南流して大阪湾へと注いでいます。
布引の滝は、生田川の中流にある布引渓流にある4つの滝の総称です。
駅の北約100mの所に雌滝があり、その上の200mの所に雄滝があります。
その2つの滝の間を挟んで鼓ヶ滝と夫婦滝があります。
①雌滝(めんたき)
雌滝は高さ19mで、水がサラサラと落ちる様子がしなやかで上品な感じのする滝です。
布引の地名はこの雌滝の滝水が布をたらしたように優雅に流れ落ちる様子から生まれたといいます。
②鼓ケ滝(つつみがだき)
鼓ケ滝は高さ8mです。
阪神淡路大震災以来、崩落の恐れがあるという理由で、渓谷側のルートは通行止めになり、山側のルートを行くことになります。
鼓ケ滝は、残念ながら山側のルートからはよく見えない位置にあります。
③夫婦滝(めおとだき)
夫婦滝は高さ9mで、雄滝のすぐ下流にある滝です。
二筋に分かれて落ちる滝水が特徴的です。
④雄滝(おんたき)
高さ 43mで、布引の滝を代表する滝です。
滝壺は面積430m2、深さ6.6m、滝の横には5箇所の甌穴(最大のもので10畳大)があり、竜宮城に続いているという伝説があります。
雄滝の両側の山を見ると、滝の上流側の山が下流側に比べて大きく上昇しているのがわかります。
この六甲山の隆起に生田川がかかってできたのが雄滝です。
代表的な文学作品として、
・布引の滝のしらいとなつくれは絶えすそ人の山ちたつぬる(藤原定家)
・抜き乱る人こそあるらし白玉の間なくも散るか袖のせばきに (在原業平)
・浄瑠璃・歌舞伎『源平布引滝』
などがあります。

六甲山の大部分は、約1億年前(中生代白亜紀)に地下深くで生まれた花崗岩でできています。
第四紀、百万年前以後の六甲変動と呼ばれる地殻変動によって最高部が 900 m 以上に至るまで隆起し、現在も変動を続けています。
それによって生じた複数の断層が北東から南西に向かって主稜線と平行に走っています。
いずれも北西側が東に向かって動く右横ずれ断層であり、横ずれが起こると同時に北西側が高くなる傾向があります。
これらの断層は阪神淡路大震災の震源断層である野島断層などとともに六甲-淡路島断層帯を構成しています。
1932年(昭和7年)、京都大学助教授であった上治寅治郎さんにより丸山断層が発見されるまでは、六甲山の成り立ちは、地塁説(六甲山地塁説)で説明されてきており定説となっていました。
これは、六甲山の高い中央部を除いた南北の両側が、陥没して低くなり、北側に落ちて谷状の凹地になったのが、現在の箕谷から花山、大池、有馬、さらに生瀬、宝塚にいたる低地帯であり、南側に落ちてできたのが現在の神戸の市街地であり、ずり落ちずに残った高地が現在の六甲山であるという考えでした。
ところが、丸山衝上断層の発見により、地塁説とは全く逆の、地殻にかかる側方からの圧力により、基盤が上向きに隆起し六甲山を形成したという説が現在では主流となっています。
最高峰のすぐ南から神戸市内に向かって南西に一直線に流れる住吉川の谷が、五助橋断層(ごすけばしだんそう)です。
芦屋ロックガーデンなどの断崖の麓にあるのが芦屋断層で、その東側で甲山の乗っている北山高原を持ち上げたのが甲陽断層と呼ばれています。(断層でできた崖は長い年月の間に侵食されているので、今見える崖と断層の位置はずれている場合があります)
これらの断層によって、南東の西宮市側からは幅広い階段状にわかれて隆起して見えます。
なお、六甲山を東西に縦断するように貫かれた山陽新幹線の六甲トンネル工事では多くの断層破砕帯を貫通させることとなり大変な難工事であったと記されています。

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雌滝(めんたき)
お皿みたいな滝壺も美しさを感じますが、新幹線を下りて、約5分歩けばこの雌滝に出会えます。
「毛虫がそこらじゅうから雨のように降って来るので、桜が終わった時期(5月頃)には行かない方が良いです」とネットで忠告していました。
私は、ゴールデンウィーク期間中の5月4日に行きましたが毛虫には遭遇しませんでした。
布引渓流を流れる川は、大地がずれ動いて出来た断層に沿って流れています。
特に、この雌滝から鼓ケ滝を通る直線状に伸びた南北方向の断層と、その上流および下流の東西方向の断層が交じりあった場所では、大きく流れが変わっています。

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雄滝(おんたき)
この雄滝でも15分くらいで到着しますが、ほとんど階段などの阪です。
階段をてくてく歩いていくと、急に視界が開けて勇壮な雄滝が見えてきます。
新幹線の駅から近いのに、こんな立派な滝があるとは想像していませんでした。
「雄滝まで200メートル!」などという標識がありますが、坂を200メートル登らなければ滝を見ることができないので、サンダルやヒールの靴では行かないように気をつけてください。
雄滝がよく見えるところに茶屋があって、缶ビールを一杯いただきました。
登りきったところでの一杯は最高ですね。
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