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地質と土質の違い

地質調査を行っている私たちにとって、地質と土質でその方法や報告書のとりまとめまで違ってきます。
それ以前に、試錘日報(ボーリング日報)や柱状図のタイプまで違っています。
では、どのような違いがあるのかまとめてみました。

(1)おおまかな地質と土質の違い
地質と土質はよく似た用語ですが、
1)地質とは
古い過去(地質時代)からの生成過程など成因的・歴史的背景を前提とした岩石や地層の性質や状態を指します。
地質調査は、岩石・地層の分布、相互関係、形成年代や地質構造などを把握するために行われる調査であり、
①ダム、トンネル、道路等の構造物の施工や保守・点検
②住宅地や工業団地の造成
③地すべりや斜面の安定化対策
④道路斜面の危険箇所の調査や点検・保守
などを目的として実施されます。
なお、調査技術者は対象となるフィールドの地質構造発達史という履歴を意識しています。
履歴を意識しなければ地質分布や地質構造を正しく把握できないからです。
地質調査で最も基本になるのは岩石ハンマーとクリノメーター(地層の走行や傾きを測る道具)を用いて山野を巡る肉眼観察です。
この調査を地表地質調査あるいは地質踏査といいます。
地表からの肉眼による調査には限界があることから、地質調査はボーリング調査、ボーリング孔を利用した各種試験、物理探査などが伴うのが普通です。

2)土質とは
土で構成される地層や地盤の性質や状態を指します。
土質調査の対象は沖積層が主体となり、都市や水田の広がる低地(沖積層)は最終氷期以後に堆積した砂礫や泥が対象です。
沖積層が分布している建築物・道路・鉄道・空港・港湾などを設計・施工するためには前もってその基礎となる土の性質を調べる必要があり、土質調査や土質試験が行われます。
①土は固体部分と液体・気体の三相からなり、土粒子、間隙水、間隙空気で構成されます。
②土を粒子の大きさで分類すると、粒子の細かい順に、粘土、シルト、砂、礫に分類されます。
③土の構成粒子が砂や礫などの粗粒分を多く含む場合、その工学的性質は粒子の大きさ(粒度)が支配的です。
④土の構成粒子が粘土やシルトなどの細粒分を多く含む場合は、含水比によってその工学的性質が大きく異なり、含水比の変化に伴って液体、塑性、半固体、固体に変化します。
このように、含水比によって土の硬さや変形抵抗が変化する性質をコンシステンシーといいます。
特に、シルトや粘土よりなる軟弱な地層(沖積層)が厚く分布している場合は、地下水位の低下および盛土や構造物などによって地盤に新たな荷重が加わると、地盤から水分が絞り出されて圧密沈下を起こします。
また、構造物などからの荷重が均一でない場合は不同沈下を起こす場合があり、土(あるいは地層、地盤)の土質工学的性質を明らかにして、より安全で、より経済的な施工方法を検討する必要があります。

土質と地質という用語は、よく似てますが、全く違うものとして理解しておいたほうがいいと思います。
元来、土質が土質力学や土質工学と呼ばれる学問分野から出てきた用語で、土の性質を表しています。
一方、地質は表層の軟らかい地盤より深い岩盤や、山岳地の地盤・岩盤の性質を意味しています。
感覚的には、土質が軟らかい地盤、地質が硬質な地盤や岩盤を対象としていると言えます。

(2)技術士の分野での地質と土質の違い
両者を扱う専門分野はこのように異なっており、大雑把に言って工学と理学の違いがあります。
そのため技術士の分野でも「建設部門-土質及び基礎」と「応用理学部門-地質」のように区別されており、両者の違いを整理すると下表のようになります。

技術士専門科目の内容の比較
技術士専門科目土質及び基礎地質
部門建設部門応用理学部門
主な出身
学科
  • 工学部土木工学科
  • 工学部建設系学科
  • 理学部地質科、地学科
  • 工学部資源工学科
  • 教育学部地学科
履修内容土質力学、構造力学、水理学、測量学地質学、地質構造学、地質鉱物学、堆積学
主な対象
地盤
軟弱地盤、一般の土砂地盤人工地盤岩盤、硬質地盤
主な対象
構造物
河川堤防、道路、鉄道、土地造成、橋梁、斜面、シールドトンネル、建築基礎山岳道路、ダム、山岳トンネル、地すべり、斜面、原子力
主な要素
技術
  • ボーリング調査
  • 原位置試験(貫入試験、etc.)
  • 現場試験(平板載荷、etc)
  • 現場計測(沈下、変位、etc)
  • 地下水調査
  • 環境調査(土壌汚染、etc.)
  • 土質試験、水質試験
  • 構造物基礎調査
  • 耐震地盤調査(液状化、etc.)
  • 沈下解析
  • 支持力解析
  • 地盤応力変形解析
  • 地下水流動解析
  • 地形・地質踏査
  • 岩盤ボーリング
  • 斜面防災調査(落石、etc.)
  • 地すべり調査
  • 物理探査(弾性波探査、etc)
  • 物理検層(PS検層、etc.)
  • 孔内原位置試験
  • 地下水調査・計測
  • 岩石試験
  • 岩盤応力解析
  • 岩盤亀裂解析

(中国地質調査業協会のホームページより引用)




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