愛媛県で「ミンマ」と呼んでいる行事

愛媛県では「ミンマ」と呼んでいるお祝いの行事があります。

今年の盆前に、私の父が亡くなって、バタバタと葬式や法事を済ませたのですが、母が、「ミンマはいつにする?」と言ってきたので、何も知らない私は、この「ミンマ」について調べることになりました。
調べたところ、「ミンマ(巳午)」とは、「仏さんの正月」とも言われ、12月の巳の日に、その年に亡くなった人のための正月を祝う行事だそうです。
12月の巳の日を調べると、1、13、25日の3日しかないので、この3日のうちでみんなの都合のいい日を決めることになります。
私は松山生まれなので「ミンマ」という言葉はよく聞いてはいたのですが、調べたところ、この行事は四国以外では見ることのできない全国的に珍しいものだそうです。
そして、四国内でも全域で行われているのではなく、愛媛県内では全市町村で行われるものの、香川では愛媛県寄りの西讃地域のみで、徳島県、高知県でも愛媛寄りの四国山地や幡多郡にのみ行われているそうです。
名称については地域差があり、愛媛県では、松山市や宇和島市、八幡浜市などの中予地方と南予地方では「ミンマ」と呼ぶのに対し、新居浜市、西条市などの東予地方では「タツミ」と呼んでいるそうです。
これらは、行事が行われるのが巳と午、辰と巳の日であることに起因するものだそうです。
また、越智郡では「ミショウガツ」といい、この行事が巳の日を中心に行われていることが理解できます。
また、上浮穴郡や周桑郡では「カンニチ」とも言いますが、これは陰陽道でいう凶日である「坎日」からきているものだそうです。
12月の巳の日は坎日とされており、「ミンマ」が陰陽道の知識から発生したと推測できます。
「ミンマ」の行事内容としては、
①自宅に簡単な祭壇を設け、位牌を祀り、餅、注連飾り、菓子、果物などを供えます。
②家族、親族が墓参し、墓前に柿の木枝を二本立て、注連縄をはり、一升餅、みかんや干柿などを供えます。
その際に、注連縄は左ないのものを使います。
③墓前にて、死者の身の近い者が餅を後手に持ち、鎌で切って、墓参者に配って食べます。
そして、この「ミンマ」の一番の特徴は、法事とは違い、お寺のお坊さんは呼ばないことです。
四十九日に来てもらったほとんどの人を招待し、お墓に行った後に料理を振舞って亡くなった人を偲びます。
お酒を出す家庭も多いと聞きますが、私の親族は飲まない人も多いので今回は出しません。
松山市ではどこの家庭でも12月に行いますが、八幡浜市では12月が忙しいからといって、11月に行うことが多いそうです。
また、八幡浜市の双岩では、仏さんが女性の場合は巳の日に、男性の場合は午の日に「ミンマ」を行うとされています。
「ミンマ」は、仏さんの正月を祝うとされるものの、実際の正月とは異なる点が多いのが特徴です。
①門松ではなく、柿の木枝を用いること
②注連縄は逆のない方であること
③餅は塩あんの餅であること
④餅は順手ではなく、肩越しに渡さなければいけない
など奇妙な作法があります。
これは、正月の類似儀礼ではあるものの、あえて逆のことをして、亡くなった人のための儀礼であることを表わしているのだと言われています。
そして、「ミンマ」を祝うことで死者のケガレと決別し、忌明けとするそうです。
この行事は家族、親族がその年の不幸を断ち切り、新たなる年を迎えるための知恵から生まれたものとも言われています。
また、「ミンマ」の餅を食べると病気をしないという俗信もあります。
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