不要となった井戸の処置

最近では、上水道が普及して、井戸は少なくなりましたが、昔は、井戸は大切な水源で、どこの家にもありました。

1)不要となった井戸
現在では、井戸は、地盤沈下の要因にもなっているために、都会では不要となっているところもあるみたいですが、今でも田舎に行くと、家の敷地内には井戸は多くみられます。
使っている井戸はいいのですが、何らかの理由で不要となった井戸もよくあります。
①井戸に蓋をして、今は使っていない
②潰してしまった(砂などを入れて井戸の機能を閉ざした)
③潰して、その上に家を建てた
など、特に注意することもなく雑に扱うことがほとんどです。
一般的には、一度井戸を作ってしまえば、使用しないとか潰すなんてことはだめです。

2)水龍神のはなし
こんなお話があります。
ある家の裏に駐車場があり、そこの駐車場には実は井戸があって、それを埋めて、駐車場にしたそうで、そこを守って修行をしていた、水龍神さんがいたみたいです。
その水龍神が、井戸を埋められて、修行の場を失って、苦しんでいるので、供養をして欲しいとその方に訴えてきたそうです。
供養の方法は、お酒やお米など少しお供えものをして、水をはったバケツを用意します。
そして、こういう供養に至った経緯をお話して、そのバケツに一旦移って頂き、そのバケツの水をきれいな川に流して、次の修行場に移って頂いたとのことでした。

3)埋井祭
基本的には、井戸を埋めることは好いことではないのですが、どうしてもしないといけない事もあります。
井戸を閉塞(埋める)することを埋井祭( 井戸埋清祓)と言います。
水の恵みに感謝し、元の大地に還るよう願い、水龍神さんを怒らせないようにする祭事です。
昔から井戸には、水龍神さんである水波能売命(みずはのめのみこと)大神が祀られていました。
地中深くから沸く水は清く綺麗ですが、長年使っていたり、周囲に家が多く建つことなどで、大腸菌や雑菌が基準値を超えてきたりすることもあり、掘り直す家庭もあります。
また、新築の家を建設する際に、古井戸をどうしても埋めなければならない時には地鎮祭と併せてお払いをすることが多くなっています。
地鎮祭を終えて家を建て始めた後などに敷地から井戸が出てくる場合があります。
この場合は埋井祭を単独で行う必要があります。

4)簡易なお払い
埋井祭についても簡易なお払いですます場合もあります。
掘井祭(井戸を掘る前にする儀式)と同じように、神主は呼ばず、施主と施工業者とで行います。
用意するものは、
①米 (1合)
②清酒(1升瓶でめでたい銘柄を選ぶ)
③塩 (粗塩で1kg)
あとは掘井祭と同じく、井戸のあるところに塩と米を撒いて(一掴みくらい)、清酒をたっぷりと振りかけます。
そして、皆んなで拍手を打って一礼し、儀式を終えます。

5)井戸の閉塞工事
この後、閉塞工事にかかるのですが、普段使用していないようでしたから、ゴミ等いろんなものが入っています。
まず、ゴミ等を綺麗に掃除をして、元掘っていたところまでの土を出し、井戸枠を取ります。
昔の古井戸は手掘りの掘井戸が多く、石積の井戸もあれば、土管を使ったり、コンクリートの井戸側を使ったりしています。
だいたい1m程度の直径なので中に入ることができます。
次に、お払い(お礼)をし、目抜きした長い竹に御札をつけ、井戸に入れます。
これを「息抜き」と言います。
業者さんによっては塩ビ管で井戸の目抜きをして井戸埋め施工をしている方もいますが、これは間違っています。
本来、この工事は井戸の「息抜き」を作るというよりも井戸の目抜きを竹にすることが必要です。
つまり、井戸が自然に消滅していくといった状況にするためには3~5年で腐ってなくなる竹がいいのです。
塩ビ管では年月たっても腐らないので、井戸は塩ビ管の状態でずっと残ってしまいます。
この「息抜き」の竹の作り方は、まず竹を半分に割り、節を取り、また合わせて縄で結び完成です。
下から順番に井戸の材料を割って取り除いて、川砂を入る作業を交互に繰り返します。
途中、そのままでは雨で川砂が下がりますから、水を入れて人工的に下げます。(水締め)
上記の材料を割って、川砂を入れ、水で締める作業を地上に来るまで繰り返します。
地上まで砂が盛られたらもう一度お礼をして、工事完了といった流れになります。
埋める材料は、八分砂利・砂利・砂・マサ土の層分け詰めで埋めるやり方もあります。
尚、ここで紹介した工事の流れは他の地方では変わることもあります。
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