宇和島の九島大橋

愛媛県宇和島市の宇和島湾に九島があります。

この九島(くしま)は、周囲12kmの島ですが、両岸は最も近いところで320mなので、橋を造ることは可能で、島民の長年の悲願でした。
そして、以前には当ブログで、平成24年度から愛媛県へ橋梁本体工事を委託し、四国本土を結ぶ九島大橋(468m)の建設工事に着手していることを紹介しましたが、今年になって、ついに完成し、4月3日に開通しました。
九島は、平成28年2月29日現在において、蛤地区、百之浦地区、本九島地区の3つの集落に、人口905人(426世帯)が暮らしているそうです。
九島大橋は、上部工が、鋼3径間連続鋼床版箱桁橋で、下部工が、張出式橋脚(RC橋脚・鋼管杭基礎)と張出式橋台(深礎杭基礎)です。
この九島大橋の最大の特徴は、水深約30mの海底に設置する「コンクリート製橋脚」とその「基礎構造」です。
また、この橋脚の構造形式は、その形状が柄のついた鐘に似ていることからベルタイプ基礎と呼ばれています。
本橋では、あらかじめ海底に鋼管杭を打設、その上に、陸上で製作した重量約3,500tの橋脚を大型起重機船で吊り下ろし、一括据付する工法を採用しました。
そして、本橋は、ベルタイプ基礎の設置水深として国内最大級となるそうです。
また、架橋地点が、風の影響を受けやすい海峡にあることや、桁の断面が、幅員に対する桁高の比が大きい、前例の少ない形状であることから、耐風安定性を確保する必要がありました。
このため、風洞模型試験をもとに、主桁には「上・下水平プレート」を設置し、橋面上には「抑流板付防護柵」を設置しています。
防護柵の支柱は、紛体塗装を施した「鋼製」、横梁は「アルミニウム製」です。
特に、耐風対策としての抑流板は防護柵と一体化させており、その抑流板は、アルミよりも融点の低い「ろう材」によりアルミ板を両面から貼り合わせた「ろう付けアルミハニカムパネル構造」を採用しているそうです。
なにか、橋に羽がついているような変わった構造なので、少しの違和感と、少しの風景の見えにくさはありますが、「未来の橋」のような新鮮さがありました。

九島ですが、このひし形をした島には谷が99あるとされ、島名は「九十九谷の島」が縮まったものという言い伝えもあります。
周囲の海にはタイや真珠の養殖いかだがたくさん浮かんでおり、また、かつてはカワウソが生息し、記録映画「東京オリンピック」のロケ地にもなりました。
九島大橋を渡って、北方に3分ほど走ったら、弘法大師が建立したとの伝説がある鯨大師(くじらだいし)の看板があります。
少し広いところに車を停めて、5分ほど歩くと鯨大師に着きます。
ここよりまた3分ほど走って、宇土の崎を過ぎると、島北端の見どころである、松原海岸の通称「鬼の洗濯板」があります。
地質的には、砂岩・泥岩互層なのですが、低傾斜の互層状態で斜めに折り重なった岩が干潮の磯に現れています。
南側には、小高島の竜王様やゴジラ岩、ガメラ岩などの愛称を持つ奇岩が点在しています。
今は、島は一周できなくなっています。
ミカン畑の細い坂道を上ると、眼下に海や集落が広がっています。
島に平野部はほとんどなく、島最高峰の鳥屋ケ森(320mを中心に傾斜地が島面積の大半を占めています。
段々畑ではかつて芋や麦の生産が盛んだったといい、島の古老は「宇和島の戦後の食料難を救ったのは九島」との事です。
これが60年代以降、柑橘に切り替わり、漁業とともに島民の生活を支えているそうです。

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展望台を造っているところから見た九島大橋です。
両端にある白い「抑流板付防護柵」が、橋を大きく見せています。

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松原海岸です。
ところどころで釣りをしている人がいました。

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小高島が見え、鳥居も見えるので、ここが竜王様が居るところでしょう。
この島には船着場があって、参拝するのは船を出さないと無理なようです。

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干潮時に現れる「鬼の洗濯板」です。
天気が良ければここから九州が見えるそうです。
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