いろいろな節理

地質用語で、節理があります。

節理(せつり joint)とは、地層や岩石のなかの割れ目のうち、ずれを伴わないものを言います。
ずれを伴うものとして、層理や片理があるのですが、これとは区別しています。
つまり、火成岩体の冷却の仕方によって体積が収縮した割れ目や、岩体の動きによる割れ目など、岩体に広く群をなして発達している割れ目のことで、それを境に両側がずれ動いていないものです。
節理は、層理や片理と違い、連続性があまりないために、小規模な岩体となります。
そして、この節理によって岩石は多少規則的な岩塊に分割され、フランスの地質学者であるガブリエル・オーギュスト・ドブレ (Gabriel Auguste Daubrée) さんは、
・リソクレース(lithoclase)・・・・全ての種類の岩石の割れ目
・ダイアクレース(diaclase)・・・・節理(joint)
・パラクレース(paraclase)・・・・断層(faults)
・シンクレース(synclase)・・・・収縮による節理
・レプトクレース(leptoclase)・・・・微細な割れ目
と区分しています。

節理は、火成岩が冷却して収縮するときや地殻変動を受けたときなどに、岩体内部に応力が働き、その結果生じた割れ目のことです。
地下深部の岩体が隆起して地表へ上昇してくると、圧力が解放されるため、その結果、岩体に割れ目が発達すると考えられています。
不規則なものや規則正しい配列をしているものもあり、規則正しいものでも、割れ目の間隔は数センチメートルから数メートルのものなどいろいろあります。
そして、その配列の形から、種類分けが成されています。

①板状節理
板状節理(ばんじょうせつり、 platy joint)は、岩体が板状になった節理のことです。
安山岩質の岩石によく見られ、マグマの冷却面と平行に発達しています。
多数の平行な板状に規則的に割れるもので、熔岩流や火山砕屑岩などの中の不均質岩が原因のものが多いのが特徴です。
日本では、長野県諏訪付近の鉄平石、香川県屋島の畳(たたみ)石、香川県小豆島の画帳石、兵庫県香美町の鎧の袖、神奈川県小田原南方の根府川石などで見られます。

青峰付近の板状節理の写真
これは、香川県青峰付近の板状節理ですが、五色台という丘の上を車で走ると、スカイライン沿いに多くの讃岐岩質安山岩の露頭が見られるます。
その露頭には地層のような縞模様が見られ、その縞模様は讃岐岩質安山岩に数cmから数十cmの厚さで割れ目ができ、まるで板が何枚も重なっているかのように見えています。
香川県では、このような板状節理は、屋島や石清尾山(高松市)、象頭山(琴平町)、銚子渓(土庄町)などでも見ることができます。

②柱状節理
柱状節理(ちゅうじょう‐せつり、column joint)は、岩体に入った柱状の割れ目のことです。
マグマが冷却固結する際、収縮して生じ、冷却面(冷たい空気に触れた表面および、冷たい地面にふれた底面)に垂直に入り、四角柱や六角柱のような岩石柱の集合が形成されます。
玄武岩では六角柱ができることが多いのが特徴です。
日本では、兵庫県の玄武洞、北海道の層雲峡福岡県芥屋ノ大門(けやのおおと)、佐賀県唐津の七ツ釜などで見られます。

玄武洞 柱状節理(c)takeda shinichi/Nature Production
「玄武洞」の柱状節理です。
「玄武洞」は5つの洞から構成されており、北から北朱雀洞、南朱雀洞、白虎洞、玄武洞、青龍洞があります。
「玄武洞」の中でも最も長い節理が見られるのが青龍洞であり、高さは何と33mあります。

③放射状節理
放射状節理(ほうしゃじょうせつり、radial joint)は、割れた岩体が放射状になっている節理のことです。
枕状溶岩と同じように、まだ固まっていない溶岩が海水などで急激に冷やされたとき、放射状に割れ目が入って固まったものです。
玄武岩質の岩石によく見られ、枕状溶岩にも放射状節理が入ったものが多く見られます。
日本では、北海道根室市の車石が、国の天然記念物に指定されています。


これが、北海道根室の「車石」です。
国の天然記念物に指定されています。
「車石」とはいっても、実際には車輪状ではなくドーム状であり、下の方はシート状になっていて、「車石」の部分はシート状の溶岩流がくびれてできたものです。
岩石はアルカリ質の粗粒玄武岩で、直径は8.2mあります。
また、「車石」のまわりには、枕状溶岩なども見ることができます。

④方状節理
方状節理(ほうじょうせつり、cubic joint)は、岩体が直方体状になった節理のことです。
花崗岩のような深成岩によく見られます。
日本では、長野県木曽川の腰掛(こしかけ)石、長野県上松町の寝覚の床などで見られます。

寝覚の床
「寝覚の床」は、巨大な花崗岩が木曽川の激流に刻まれてできた自然の彫刻です。
現在の「寝覚の床」の姿は、水力発電のために木曽川の水位が下がったためにあらわれたものだそうで、巨大な花崗岩の白と、川面のエメラルドグリーンが絶妙な色彩を醸し出しています。
花崗岩の方状節理や、岩盤に刻み込まれた歐穴は、国内でも学術的に貴重なものとして注目されています。

⑤球状節理
球状節理(きゅうじょうせつり、spheroidal joint)は、花崗岩の方状節理が風化してできる節理のことです。
日本では、北海道礼文島南部の桃岩が有名です。

桃岩の球状節理(c)TOSHITAKA MORITA/SEBUN PHOTO
「桃岩」は、その名の通り、桃の姿に似ている球体状の岩です。
その大きさに圧倒されてしまうほど巨岩で、そのサイズは、高さは249.6m、幅最大300mほどあるそうです。
学術的には、潜在円頂丘「桃岩ドーム」とも呼ばれ、岩自体は海底の柔らかい堆積物とマグマによって形成され、隆起したものとされています。
球状節理が表面を取り巻き、柱状節理になっている岩の内部は浸食でむき出し状態になっているそうです。
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