「地下水障害」について

地下水は、昭和20~30年代以降、深井戸の掘削技術や、地下水の揚水技術の発展とともに盛んに利用されるようになり、わが国の高度経済成長を支えてきました。
でも、都市への人口の集中や、産業の進展等に伴う過剰な地下水の揚水により、「地下水障害」と呼ばれるものが出てきました。
つまり、無秩序な都市開発や地下水利用などによって地下水の流動が阻害され、
①湧水の枯渇
②地下水位が上昇
③地下水位が低下
④地下水の流れが変わる
など、地下水環境が変化してきました。
このような地下水環境の変化が原因で、「地下水障害」になるのですが、主な影響として、
①地盤沈下
②塩水化
③植物への悪影響
④漏水や浮き上がり
⑤井戸涸れ
⑥液状化危険度増大
⑦凍上
⑧地下水流動阻害
などがあります。
特に、地下水の過剰揚水による地盤沈下については、関東平野南部では明治中期(1890 年代前半)から、大阪平野でも昭和初期(1930 年代中頃)から認められていました。
そして、昭和30 年以降(1955 年以降)は全国各地に拡大しました。
地盤沈下は、地下水の採取規制や表流水への水源転換などの措置を講じることによって、近年沈静化の傾向にあると言われています。
ただし、依然として沈下が続いている地域が多数存在しているところはあります。
そして、いくら過剰揚水をやめようと思っても、渇水時には水不足のために地下水の過剰揚水をしてしまいます。
例えば、松山市では人口密度があまり高くないので、中心地でも上水道の半分を井戸水で賄っています。
つまり、地下水が特に豊富でもない松山平野で、そして渇水になる時も多い松山平野で、毎日大量の地下水を揚水しているのは、地下に影響がないわけはありません。
今後においては、ますます上水道の利用が多くなってくると思います。
だから、地下水の保全や備蓄を各家庭単位で心がけ、持続可能で適切な地下水利用を図っていく必要があると感じています。
また、臨海部では、地下水の過剰採取によって帯水層に海水が浸入して塩水化が生じ、水道用水や工業用水、農作物への被害等が生じている地域もあります。
最近では、工場・事業所等での有害化学物質等の地下浸透が原因で、土壌汚染や地下水汚染も起こっています。
近年では、中国の無秩序ぶりがクローズアップされていますが、日本においても「隣町の火事」みたいに知らん顔しているほどのゆとりはないと思います。
地下水をめぐる諸状況はやはり危機なのです。
「地下水障害」をほうっておくと、近い未来の市民生活や生産活動に大きな影響があると思います。


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