石灰岩の用途について

岩石の中でも、いろいろな用途に使われている石灰岩について調べてみました。

石灰岩は、炭酸カルシウム[CaCO3]を主成分とした堆積岩で、太古の石灰藻や珊瑚、貝殻、石灰質プランクトン等、 炭酸カルシウムで殻や骨格を構成する生物の屍骸が堆積・石化したものです。
この石灰岩ですが、私たちは大昔から、生活はもとより文化や文明にかかせないものとして活用してきました。
ヨーロッパでは、ドイツルネサンスの宮殿、ギリシャの神殿、バッロック宮殿の枠など、歴史建造物に使われています。
また、ヨーロッパ以外にも有名な建造物では、
・エジプトのピラミッド
・中国の万里の長城
など、すべて石灰岩から造られています。
日本でも高松塚古墳の壁画などに使われていますが、石灰石は、日本で自給できる唯一の鉱物資源です。
セメント・鉄鋼などの建築材料だけでなく、農業、医療等、各種産業を通して私たちの暮らしに欠かせないものとなっています。

日本では、現在でも約300の石灰石鉱山が稼動しています。
その生産規模は1千万トン以上の大規模な鉱山から年間数万トン以下までとさまざまだそうですが、生産量上位の20鉱山で全国の70%程度を生産しています。
生産量を県別に見ると、大分県が最も多く全国生産量の19%を占めており2位以下は山口県(11%)、高知県(11%)、福岡県(10%)と続いているそうです。
このような鉱山の分布は、生産量の多い西日本だけでなく、北海道、東北、関東から沖縄までの各地に広く分布しているそうです。
愛媛県では、今治市の越智諸島である大三島・小大下島・大下島・弓削島で生産していたそうですが、今は閉山しているそうです。
このあたりは花崗岩地帯なので、石灰岩が採掘されるのは不思議な気がしますが、石灰岩層は花崗岩地帯にある古生層の千枚岩質粘板岩またはホルンフェルス化した粘板岩に挟まれて見られることが多く、熱変成作用をこうむって結晶質となっているところもあるそうです。
石灰石は全国で年間約1億7千万トン生産されているそうです。
国内出荷量1億6千7百万トンのうち約半分の47%(7千9百万トン)がセメント用に使われており、コンクリート骨材用として21%の3千5百万トン、鉄鋼用が13%で、以下道路用5%、ソーダ・ガラス0.6%、その他14%となっているそうです。
日本の石灰石は高品質だそうです。
日本列島に分布している石灰石鉱床の多くは、今から2~3億年ほど前に当時の赤道付近の海でサンゴや有孔虫など炭酸カルシウムの殻を持つ生物が礁をつくり、それが地球の地殻プレートの移動と共に西方に移動して現在の日本列島付近の海溝へ沈み込み、大陸側のプレートに衝突・付加したと考えられています。
このようにプレートの移動によって出来た地質体を「付加体」と言いますが、「付加体」中の石灰石は広い外洋で形成されたために陸源物質を含まず、大陸縁辺で形成された石灰石よりも炭酸カルシウムの純度が高いという特徴があるためだそうです。

石灰岩と石灰石という似たような言葉があります。
先に述べたように、炭酸カルシウムを主成分とする岩石を岩石学的には石灰岩と言います。
この石灰岩を鉱業の対象として考える場合には、鉱石名を石灰石と言うそうですので、同じものを学問的に見るか鉱業の対象として見るかの立場によって呼び名が変わります。
また、石灰石が地中の熱によって熱変成を受け再結晶化したものを大理石(Marble)と言いますが、一般的には建築物の壁などに石材として使われる石灰石を大理石と総称しているため、熱変成を受けていない石灰石も石材として使われる場合は大理石と呼ばれる場合があるそうです。

石灰石の用途ですが、生石灰・消石灰の原料になるほか、ガラス・セメントの原料にもなります。
また、鉄や銅の冶金で炉の材料や原料中にふくまれる二酸化ケイ素を取り除くためにも使われています。
①生石灰
工業用:樹脂の脱泡剤・乾燥剤、製薬原料等、汚泥の脱水・固化
農業用:ボルドー液等の農薬材料 土木用:軟弱地盤の改良(脱水・固化)
②消石灰
工業用:排水処理(酸性廃液の中和、リン・重金属の固定)、焼却炉でのダイオキシン発生防止
農業用:酸性土壌の中和、カルシウムの補給
建設用:壁材(しっくい・たたき等)、セメント原料
食添用:こんにゃく用凝固剤、カルシウム強化剤

石灰石は人体に安全で、カルシウム分そのものが栄養素であることから、さまざまな食品の加工、添加用に使用されています。
石灰石粉末は「タンカル」と言いますが、パンではイースト菌がよく活動できるPHに調節するため、また、クラッカーでは低温で発酵を速め、製品の腰を強くするため「タンカル」を使用します。
ビスケットでは型枠からの離れをよくするため、また、めん類、マカロニ類では小麦粉中の酵素の活性を抑え、製品の変色、変質を防止するため「タンカル」を使用します。
米菓では焼むらを無くし、色を白く、成形し易く、また、糖衣菓子や薬品類では糖衣面が美しく仕上るよう、下がけに「タンカル」を使用します。
チョコレートでは油分の浮きを抑えるため、味噌ではこうじの酵素力を強めるため、更に漬物では酸味の中和のため、水産練り製品では腰を強く、色を白くするため「タンカル」を使用します。
加工塩では小さい孔につまらず、出しをよくするため「タンカル」を使用します。
「石灰」としてもいろいろ使われています。
精糖用としてさとうきびや甜菜から絞られた粗糖汁の中の不純物を除去するため「消石灰」を使用します。
こんにゃく製造時にはこんにゃく溶液を凝固させるため「消石灰」を使用します。
豆乳の凝固剤として石灰から作った「硫酸カルシウム」を使用します。
その他、ジュースの酸味調整やクリーム、バター製造時の殺菌と中和のため「石灰」を使用します。
また添加用ではありませんが、お菓子や海苔などに同封されている乾燥剤は「生石灰」ですし、「生石灰」の発熱によってお酒やお弁当を温めるパッケージもよく知られています。
歯磨き粉も「石灰」です。
このように調べてみると、私たちの生活にものすごくかかわっているのがよくわかります。                            
スポンサーサイト
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR