橋桁の構造による分類

ほぼ毎日のように利用し、私たちの生活には欠くことのできない橋ですが、この橋には様々な分類法があります。

用途により分類すると
①道路橋
②鉄道橋
③水路橋
④歩道橋
⑤併用橋
などがあります。
材料により分類すると
①木橋
②石橋
③鋼橋
④鉄筋コンクリート橋
⑤合成橋
などがあります。
橋床位置により分類すると
①上路橋
②中路橋
③下路橋
④二重橋
などがあります。
橋が動くかどうかにより分類すると
①固定橋
②可動橋
などがあります。
このように、橋だけでもそれぞれに分類する事ができます。
最後に、橋桁の構造から現代の主要な橋を分類すると、だいたい以下の5種に分類する事ができます。

(1)桁橋
桁橋とは、最もシンプルで、古くから用いられてきた橋梁形式で、私達が身近に最もよく見かける橋です。
橋桁は、向こう岸に板などを渡しただけの単純な仕組みで、小さい川に架かっている多くがこの形です。
丸太を一本小川に架けて即席の橋とした場合も、分類上は桁橋になります。
昔は木材が使われましたが、鉄の出現により現在では相当長い桁橋も可能になりました。
短い距離に橋を架ける場合はこの橋梁形式が経済的で、スパン(橋の両端の距離)が50m以下の場合はだいたい桁橋として造られます。
桁橋は、鋼材をI形断面、あるいは箱形断面に組み立てて桁とした橋梁で、それぞれ「鈑桁橋」、「箱桁橋」といいます。
桁橋は車両や人々が通行する床版と、それを支える主桁から構成されます。
床版にはRC床版、鋼床版、合成床版、PC床版などがあり、床版と主桁が一体となって荷重に抵抗する構造を合成桁橋、主桁のみで抵抗する構造を非合成桁橋といいます。
一般的な適用支間は25m~150m程度ですが、世界最大支間の桁橋はCosta e Silva橋(ブラジル)で支間長300mがあります。
橋の上を自動車が通ると、橋桁は自動車の重みによって曲がります。
これにより、橋桁内部の上側には、圧縮力(物体を押しつぶそうとする力 )が生じ、下側に、引張力(物体を引き伸ばそうとする力)が生じます。
また、橋の材料として使われるコンクリートは、「圧縮には強いが、引張には弱い」という特性があります。
そのため、引張が生じる部分は、鉄筋等で補強されています。
なお、桁を両端で支えたものを「単純桁」といい、3箇所以上で支えたもの(両端に加え桁の中央を橋脚で支えたもの)を「連続桁」といいます。

(2)トラス橋
桁橋で長い橋を架けようとすると、橋桁の高さをかなり高くしなければなりません。
そこで考え出されたのが、トラス橋です。
トラス橋とは、橋桁を「トラス構造」で補強した橋のことをいい、変形しにくいという特長を持っています。
「トラス構造」とは、三角形は力がかかっても形を変えたり歪んだりしないというトラスの原理に基づき、三角形を隣り合わせにする事でより力を強くした構造です。
つまり、四隅をピンでつなげた四角形に、横から力を加えると、平行四辺形に変形しますが、三角形の場合は、横から力を加えても、変形しにくく、部材軸方向の力で抵抗することを原理としています。
数多くの棒状の部材を三角形に組み合わせる事によって、しっかりとした骨組みに作り上げています。
最近のトラス橋は、上下の部材が平行で、正三角形が並んだような、所謂「平行弦ワーレントラス」が多く見られますが、古いトラス橋には、上弦材がアーチ状に折れ曲がった「曲弦トラス」もあります。
トラス橋の形式には特許を取得した人々の名前がつけられ、ハウ、プラット、フィンク、ボールマントラスなどがあり、現在ではワーレントラスが最もよく用いられています。
トラス橋の一般的な適用支間長は、50~110mですが、世界最大のトラス橋は支間長549mのQuebec橋(カナダ;1917年)があります。

(3)アーチ橋
アーチ橋は、古代から利用されてきた橋梁形式で、虹のように弧を描いた美しい形の橋で、両端の圧縮力で橋を支える力学的合理性も備えています。
アーチ橋は、上向きに弓なりの形をしているのが特徴です。
アーチ橋は、古来から石橋があるように、石を積み上げて作ることができます。
これはアーチ型の構造物には、引張力(物体を引き伸ばそうとする力)が生まれず、圧縮力しか生じないからです。
ただし、アーチ橋を架けるには、強固な地盤が必要となります。橋に対して横方向にかかる力を支えるためです。地盤が弱い場合は、横方向に部材をつなげることで、力を受けもちます。
・両端が固定された固定アーチ
・両端が回転可能な2ヒンジアーチ
・アーチの中央にピン(ヒンジ)び入った3ヒンジアーチ
の3種類が基本的な構造スタイルです。
アーチの材料は石、木、鉄、コンクリートなど様々なものが使われています。
アーチ橋は、弧状の主部材の両端を水平方向に固定し支持するもので、桁とアーチとの位置関係から上路アーチ、中路アーチ、下路アーチがあります。
アーチ橋には、全ての力をアーチリブに受け持たせ、地盤に水平反力をとらせるアーチ橋と、両支点部に生じる水平反力を路面の桁に受け持たせるタイドアーチ構造が一般的です。
タイドアーチには、ランガー、ローゼ、ニールセンなどの形式があります。
一般的な適用支間長は50~170m程度で、世界最大のアーチ橋は支間長550mの上海盧浦大橋があります。

(4)斜張橋
斜張橋とは、橋桁を塔から斜めに張られた複数のケーブルで吊り、引張力で支える構造の橋です。
吊橋に次いで長い支間(主塔と主塔の間隔)を造るのに適した橋です。
桁橋、トラス橋、アーチ橋に比べると、斜張橋は長い距離の橋を架けることができるのが特長です。
ただし、塔からケーブルで橋桁を直接吊るという構造上、長い橋を架けるためには、それだけ高い塔が必要となります。
主塔から斜めに張り渡されたケーブルで長い橋桁を吊った形で、現代的な美しさを持つ橋といわれています。
一般に斜張橋のスパンは80~500m程度が多いですが、コンピュータによる解析技術の進歩や強いケーブル材料の開発などにより、近年急速に発展し、長大化が進んでおり、現在斜張橋としては世界一の長さを誇る西瀬戸自動車道の「多々羅大橋」は、中央スパン890m、全長1480mもの長さがあり、技術的には900mくらいまで可能になっています(それ以上のスパンになると吊橋になります)。
斜張橋は、先に述べたように、桁橋の支間の途中を数箇所で、ケーブルによって斜上方に支持するもので、主塔、ケーブル、桁で構成されます。
主塔の形式には1本柱、2本柱、H型、A型、逆Y型、門型、ダイヤモンド型などがあり、ケーブルの張り方には、1面吊、2面吊、ファン形式、ハープ形式などがあります。

(5)吊橋
吊橋とは、塔の間を渡るメインケーブルから垂らしたハンガーロープで橋桁を吊り、引張力で支える構造の橋です。
橋の中では最も長い支間を造るのに適した形で、橋全体を強いケーブルで吊り、支間を確保する位置に主塔を建てます。主塔が吊橋全体の重さを支え、ケーブルの両端はアンカレイジと呼ばれる大きなコンクリートでしっかりと固定されます。
ケーブル形状は山並みと思わせる緩やかな放物線ですが、優美な美しさを感じさせる橋です。
斜張橋と似た構造ですが、斜張橋が塔と橋桁とが直接ケーブルで吊っているのに対し、吊橋は、塔の間を渡したメインケーブルがあり、そこから垂らしたハンガーロープで橋桁を吊っている点が異なります。
吊橋は、橋の中でも最も長い距離の橋を架けることができる構造です
吊橋は主塔、ケーブル、桁、アンカレッジからなり、桁にはアメリカで主に採用されているトラス桁形式と、イギリスで開発された、航空力学を応用した軽量の箱桁形式があります。
吊橋は、常に超長大橋として採用され得る形式で、一般的な適用支間長は、150m~2000m程度ですが、世界最長の橋は、神戸と淡路島を結ぶ、中央スパン1991m、全長3911mの吊橋「明石海峡大橋」だそうです。
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