イエメンにサイクロンが上陸か?

先日、メキシコ沖で観測史上最強のハリケーン「パトリシア」が発生しましたが、今度は、アラビア海で記録的なサイクロン「チャパラ」が発生しています。

この「チャパラ」は、2007年のサイクロン「ゴヌ」に次いで、史上2番目に強いサイクロンだそうです。
しかも、未だかつてサイクロンによる襲撃を受けたことのないイエメンに接近しているらしいというニュースは昨日聞いたので、今日当たりは、イエメン史上初のサイクロンの上陸となっているかも知れません。
インド気象局の予想でも、「チャパラ」は現地時間月曜夜(日本時間火曜朝)頃、イエメン東部に上陸する見通しでした。
上陸前にやや弱まる見込みですが、アメリカ海洋大気庁の予想では、2日間で800mmの大雨だそうです。
日本では、過去に800mmが1日で降った事もありますが、2日間で800mmは大変な雨量で、洪水になります。
ましてやイエメンは砂漠の国です。
年間平均雨量は沿岸でも100mmほどしか降らないそうです。
つまり、8年分に相当する雨が一気に降ることになるので、予想通りだと洪水どころか壊滅的な被害が起こることは間違いないです。
台風が多発する広大な太平洋と異なって、アラビア海は狭く、サイクロンの発生数は年1~2個程度です。
ましてや勢力の強いものとなると、なかなか起こっていません。
統計を取り始めた1979年以降で、ハリケーン級の強さ(風速33m以上)まで成長したサイクロンは、2007年の「ゴヌ」と、2010年の「フェット」だけだそうです。
それはいずれもイエメンの隣国オマーンに上陸しており、イエメンに直撃したサイクロンはないようです。
イエメンに直撃した嵐で最も強いものは、2008年のサイクロンから変わった低気圧だそうですが、この時でさえ180名もの死者が出ています。

イエメンでは内戦も起こっています。
2014年9月に軟禁状態となっていたハーディー大統領が、2015年2月21日に脱出し、フーシ派の活動を批判したのがきっかけで、 以後、北部フーシ派とサーレハ元大統領勢力、「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が支援するアンサール・アル・シャーリア、南部スンニ派とハーディー大統領勢力の三つ巴の戦いが続いています。
そして、美しい町として世界遺産に登録されている「サナア旧市街」を抱えるイエメンの首都サナア(サヌア)もまた、治安悪化地区としてリストアップされています。
建物にも人々の生活にも、200~300年前のアラビアの風景がそのまま残されている町サナアを訪れる旅人は多く、生きた遺跡として見どころ満載で、街歩きも楽しい観光地です。
イスラムの戒律が厳しく守られている国なので、以前は比較的安全だといわれていましたが、非常に貧しい国であり、街全体が荒んでいることは確かです。
内戦もあり、観光客が減り収入減となった多くの住民が、物乞いとなり、犯罪に手を染めるようになり治安が悪化しているのが現状です。

イエメンは元来雨がほとんど降らない上に、急激な人口増加も加わって、世界で最も水不足に悩まされている国の一つでもあります。
水道から水が出るのは、月にたった1、2度しかないようで、首都サナアでは2017年には水が枯渇する可能性も指摘されています。
反政府組織は、この状況を利用して水の配給や井戸を作るなどの支援などを行っており、住民の支持を得ようとしているとも言われています。
このような状態でのサイクロンの上陸は、ある意味では願ってもないことと言えるかもしれませんが、8年分の雨が短時間に降るとなると、貯水どころの騒ぎではありません。
そして、雨の前には、暴風によって巨大な砂嵐が発生するので、イエメンにとっては渇水以上に大変なことになります。
被害が最小で、渇水から逃れるようなサイクロンを期待します。

サイクロンは台風と同じです。
ところ変われば、名前も変わるもので、日本で言っている台風は発生場所が異なると名称も変わります。
大きく分けると、日本近海など太平洋北西部で発生するものが台風で、太平洋東部や大西洋で発生するのがハリケーンです。
そして、インド洋(アラビア海含む)でできるのがサイクロン(Cyclonic Storm)になります。
台風と同じく、最大風速は秒速17m以上です。

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