ハリケーン「パトリシア」の恐怖

東太平洋での観測史上最大級ハリケーン「パトリシア」が、10月23日、メキシコ西部ハリスコ州の太平洋沿岸に上陸したそうです。

一時、「パトリシア」の中心気圧は879hPaまで下がり、東部太平洋・大西洋での観測史上最も強いハリケーンとなりました。
全世界で見ても、870hPa台まで降下した熱帯擾乱は、これ以外には1979年の台風20号(国際名:チップ)しかありません。
また「パトリシア」は、最も急速に発達したハリケーンとしても記録を更新しています。
その発達の度合いは想像の域を超え、中心気圧は24時間で100hPaも降下したそうです。
その後やや勢力を弱め、中心気圧が920hPaへと上がったものの、依然カテゴリー5(ハリケーンのカテゴリーの中で最も強い)のままで上陸をしました。
アメリカのメディアは、2005年に米南東部に上陸し約1830人の死者を出し、被害総額は100億~250億ドル(日本円で約1兆1000億~2兆8000億)のハリケーン「カトリーナ」を上回る勢力と報じていました。
そして、この「パトリシア」は、メキシコを横断した後、北上して、アメリカ南部に上陸する進路を取る可能性があるとも報じていました。
一時は、風速約90mで最大瞬間風速は110mを記録し、まさに恐怖でした。
メキシコ気象当局は、風が特に強いことから「史上最も危険な嵐」と警戒し、メキシコ全土で大規模な被害に対する懸念が高まりました。
そして、上陸するハリスコ州など3州の50以上の自治体に非常事態宣言を発令しました。
また、沿岸地帯の住民やホテルの観光客らを避難させ、複数の州で港や空港、学校を閉鎖ましした。
ペニャニエト大統領は「パトリシアがメキシコ沿岸に迫っている。外出は控え、身を守り、市民保護当局の指示に従うように」と国民に呼びかけました。
そしてついに「パトリシア」が23日午後(日本時間24日午前)、メキシコ西部の太平洋岸に上陸しました。
上陸前にやや勢力が衰えたものの、それでも最大風速は70mあり、カテゴリーは5のメキシコ観測史上最大級のハリケーンでした。
でも、上陸後「パトリシア」は勢力を急速に弱めながらメキシコを横断しました。
日本時間の24日午後6時時点で、中心の気圧は986ヘクトパスカルになり、最大風速はおよそ33mでした。
つまり、「カテゴリー5」からもっとも低い「カテゴリー1」にまで急速に勢力を弱めました。
北東部のサカテカス州を通過する24日朝までに熱帯暴風雨になり、メキシコ北中部に達した24日には熱帯低気圧に変わりました。
大規模な被害が懸念されていましたが、幸いなことに今のところ死者の情報は伝えられていません。
メキシコ大統領は「予想を下回る被害」だったと述べています。
メキシコ中部では、人的被害こそほとんどなかったものの、暴風・大雨により深刻な被害が発生しているそうです。
特に洪水の影響はすさまじく、道路が大きな川と化し、車の上に乗った人々が濁流に流されていく映像も撮られています。
強風により多くの家屋や建物が被害を受け、また土砂崩れによって道路が寸断されています。
加えて、バナナやパパイヤ農家にも深刻な影響が出ているとのことです。
防災当局によると、ハリスコ州にある人口4,000人のアテングイージョでは、河川の氾濫で家屋250棟が被災したそうです。
パトリシアの上陸地点から東方約95キロ離れたコリマ州の港湾都市マンサニージョでも、樹木や街頭の標識が倒れるなどの被害が出たそうです。
でも、この程度の被害は、日本の今年の台風でもいっぱいありました。
では、これだけ大型のハリケーンが何故予想を下回った被害になったのでしょう?
そもそもメキシコ中部の太平洋側はハリケーンの常襲地帯ではなく、またカテゴリー5という最大級の嵐もかつて一度しか経験したことがなかったそうです。
それにも関わらず、被害が抑えられたのは、一体何故なのか、分析している文献がありました。
まず、地形の影響が考えられるそうです。
山が多いために摩擦力などによってハリケーンは上陸後すぐに弱まったそうです。
また、この地域は人口集中地帯ではないことも挙げられるそうです。
確かに、松山市でも、石鎚山があるおかげなのか、台風の直通はほとんどありません。
あった年も、石鎚山を越えると極端に勢力が落ちていたのを覚えています。
石鎚山が「霊山」であることは別として、標高2000m足らずの山でさえこのようになるのだから、メキシコの山脈越えはハリケーンにとって険しかったのでしょう。

ただ人的被害の減少の最大の原因は、政府を挙げての避難準備体制にあったと思います。
ハリケーンが来襲する前に、3州で約25万人が収容できる、1,780もの避難所が設けられ、海岸のリゾート地に宿泊している観光客も、バスで内陸まで避難したとも報道されています。
一方、1959年にカテゴリー5のハリケーンがほぼ同じ地域に上陸した際には、1,800人もの死者が出ていたと伝えられています。
半世紀前のことと一概に比較はできませんが、近年は、情報社会であり、人々が災害から学び、避難準備が徹底できていると思います。
それにしても、何も学ばないのが日本の原発だと思います。
ハリケーンや台風など、自然災害は仕方ないとしても、原発事故は防げるものだと思います。
つまり、すべてなくすことを最優先すべきだと私は思います。
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