横浜市の欠陥マンションとイレギュラー時の工程管理

横浜市のマンションが傾いている問題では、なにか日本の建築や土木の体質みたいなものが見えてきています。

今日の朝のニュースを聞いていると、固い地盤に十分に届かなかった8本の杭は、杭打ち工事全体で3か月の工事期間のうち、杭打ち工事の終了直前である最後の2週間に打ち込まれていたことが国土交通省などへの取材でわかったそうです。
杭の長さが足りなかった場合には、杭を追加で発注する必要がありますが、工事関係者によりますと、この時期に追加発注すると工事期間は1か月以上長くなってしまうみたいです。

これは何を意味するのでしょうか?
ゼネコンの仕事は当社もしていますが、工程管理がきちっとしています。
これはこれですごく良いことなのですが、つまりは作業期間を限定されることになります。
想像するには、下図にあるように最後の8本は、当初の設計深度よりも支持地盤が深かったのでしょう。
でも、作業工期は近づいてくるし、でも深度は深くなるし、材料の手配はつかないしで悩んだ様子が伝わります。
国土交通省は、「工期を延長させられない」とのプレッシャーが杭の工事を行った旭化成建材にかかっていなかったかなどデータ改ざんの経緯を調査する方針だと言っていますが、特に杭打ち工事などの基礎工事は一番最初にする工事なので、それが遅れるとあとの工事にしわ寄せがかかることも事実です。
それだけではありません。
昨日のメールでもお伝えしましたが、旭化成建材は当初使用する予定だった新工法の「ダイナウイング工法」の杭ではなく、従来のコンクリートパイルが使用されていることが判明されています。
どうしてこうなったのかのいきさつは不明ですが、これで基礎の強度が1/3に低減されています。
つまり、西棟には現在52本の杭が施工されていると伝えられていますが、本来なら52×3=156本必要だったのではないかなという推察もできます。
例えば、52本の杭が散らばって施工されていたとしたら、今回のような不等沈下は起こらなかったのかもしれません。
でも、南側だけが深くなって、そこに施工された杭のみが宙ぶらりんになっている場合にはこういった現象が起こりえる可能性があります。
私たち地質会社は、杭打ち工事の前段階のボーリング機械を使って支持地盤を見つける仕事をしています。
大きいマンションだと数十本程度のボーリングをしますが、小さいマンションだとせいぜい1本か2本です。
西棟で、事前調査として何本ボーリングしたのかの把握は出来ていませんが、52本の杭に対してはせいぜい10本までだと思います。
つまりあとの42本は、事前調査でのボーリングデータを参考にして、支持地盤までの深度を推定するしか方法はありません。
だから、今回のように急激に支持地盤が深くなっているような場合に際しての材料の手配はどれくらいしていたのか疑問です。
工程管理は必要です。
どこかの国みたいに、だらだらと工期を引き伸ばすのはいけないと思います。
でも、イレギュラーなことが起こったときには、いくら努力しても出来ないこともあります。
今回の横浜市のマンションが傾いている問題ではそんなことを感じていました。




これは模式図みたいですが、当初からこのような支持地盤は予想されていなかったと思います。
西棟だけ南北方向で、北側が軽く、南側が重い設計になっています。
渡り廊下がなかったら、もっと傾いているだろうと想像できます。
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