今度は阿蘇山の噴火

またまた噴火のニュースです。
今度は熊本県の阿蘇山です。

今日(9月14日)午前9時43分頃、阿蘇山の中岳第一火口で噴火が発生し、噴煙の高さが火口から2000mまで上がり、火口周辺に大きな噴石が飛んだのが確認されたことを気象庁が発表しました。
そして、午前9時50分に噴火速報を発表するとともに、今後も同じ規模の噴火が発生する可能性があるとして、午前10時10分に火口周辺警報を発表して噴火警戒レベルをレベル2から入山規制を示すレベル3に引き上げました。
中岳第一火口からおおむね2kmの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけるとともに、風下では火山灰や小さな噴石に注意するよう呼びかけています。
阿蘇山では、その後も噴火が連続して発生していて、午後3時まで噴火が続いた場合、阿蘇市と南阿蘇村で多量の降灰が予想されているほか、高森町でやや多量の火山灰が予想されています。
阿蘇山は、中央火口丘群の根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳の5つの山の総称で、複数の山からなる活火山で、最も高い高岳は標高が1592mです。
去年11月に中岳第一火口でマグマ噴火が起きて以降、活発な噴火活動をくり返していましたが、今年の5月末に噴火はいったん停止し、先月8日に再びごく小規模な噴火が発生し、今月も3日と10日、それに11日にごく小規模な噴火が発生していました。
阿蘇山の噴火について、京都大学の名誉教授である石原和弘さんは、「今回の噴火は火口周辺の堆積物が何らかの原因で一気に噴出したとみられる。阿蘇山としては昭和54年の噴火以来の規模で映像から見るかぎり、黒煙が火口からかなり広い範囲に及んでいて、火砕流も発生している可能性があると考えられる」と話しています。
また、阿蘇火山博物館の学術顧問である須藤靖明さんは、「阿蘇山では、今月11日に小規模な噴火が発生して以降、火山性微動の振幅が大きくなっていた。火山灰などを確認しないと詳しいことは言えないが、今回の噴火にはマグマが関与した可能性がある」と話しています。
火山噴火には3つのパターンがあります。
①マグマ噴火
マグマが火口まで上昇するのがマグマ噴火で、マグマの成分によって噴火の様子が違ってきます。
粘り気の強い安山岩質やデイサイト質のマグマでは、マグマに含まれる水分などが水蒸気に変化してマグマを吹き飛ばし爆発的な噴火を起こしやすいのが特徴です。
また、粘り気の少ない玄武岩質のマグマは水蒸気が発生しても抜けやすいため激しい噴火にならず、穏やかにマグマが流れ出すことが多いのが特徴です。
阿蘇山の噴火はこのマグマ噴火で、地中に溜まったマグマが噴出し、マグマの破片黒い火山灰を含んだ黒い排煙が上がります。
②水蒸気噴火
水蒸気噴火は、マグマに熱せられた地下水が水蒸気に変化して起こります。
しかし、水とマグマが直接ぶつからないので、噴火の規模は比較的小さくなりやすいのが特徴です。
またマグマが火口近くまで上昇するマグマ噴火やマグマ水蒸気噴火に比べて前兆が少なく、事前の予測は特に難しいと言われています。
御嶽山の噴火はこの水蒸気噴火で、地下水がマグマに熱せられ水蒸気となり一気に地表に噴出し白い噴煙を上げていました。
③マグマ水蒸気噴火
マグマ水蒸気噴火は、上昇してきたマグマと地下水などが直接ぶつかることで起きます。
水とマグマが両方とも多いと、爆発的に気化した水蒸気がマグマや周囲の岩石を吹き飛ばし、マグマ噴火以上に激しい噴火になりやすいと言われています。
西之島の噴火は、このマグマ水蒸気噴火で、上記二つの噴火が合わさった噴火で白と黒の2色の噴煙を上げています。

阿蘇火山のカルデラは、約30万年前から9万年前までに発生した4回の大規模な火砕流噴火に伴って形成され、カルデラの周囲には広大な火砕流台地が発達しています。
また、その噴火の火山灰は日本列島のほぼ全域を覆い、北海道東部でも発見されているそうです。
カルデラ形成後、カルデラ中央部に安山岩や玄武岩からなる成層火山群が成長しました。
現在も活動を続けている中岳や、最高峰の高岳などです。
歴史時代の噴火は現在も活動している中岳の火口から発生しています。
中岳第一火口は静穏時には湯溜りになっていますが、活動が活発化すると湯溜りは干上がり、火口底から火山灰の放出が見られます。
またしばしば赤熱したマグマが吹き上げられるストロンボリ式噴火も発生します。
また地下水とマグマとの接触により、激しいマグマ水蒸気爆発も繰り返し発生しています。
火口からは常時火山ガスが放出され、火口付近ではガス中毒による観光客の死亡事故も繰り返し発生しています。

中岳第一火口を中心とした阿蘇火山の活動は、他の多くの活動的な火山と異なった特徴を持つと言われています。
活動の活発化に伴って火口付近で起こる大きな地盤変動が、阿蘇の場合確認できないそうです。
その一方で、常時火山性微動が確認され、火口から火山ガスが噴出しています。
先出し、京都大学火山研究センターの助教授でもある須藤靖明さんは、このような特長をマグマ供給機構との関連で探っています。
阿蘇山は、マグマがマグマだまりから移動する際、収縮して圧力が低下する「低圧力源」の存在があるそうです。
その位置を、標高観測のために設置している「水準点」の測量と、地殻の水平変動を見る衛星利用測位システム(GPS)測量の値から推定し、地下観測に有効な地震波伝達速度の計測データと突き合わせた結果、「低圧力源」は中岳火口直下ではなく、火口から西へ3km、草千里ヶ浜の南側地下約6kmの辺りに求められることで一致したそうです。
この地点は、従来の観測で地下部の地盤沈降も観測されているそうで、研究センターは、この低圧力源からマグマだまりを導き出したそうで、直径は3~5kmと見ています。
この構造から、須藤さんらは、「地下のマグマが供給する火山ガスが、出口となる火口へ向かって火道を通過する時、地下水と接触するなどして火山性微動を発生させる」と説明しています。
火道によってエネルギーの通路が常時確保されている「開放型火山」で、このため火山ガスがいつも噴出したり、噴火しても大きな地盤変動が観測されないという特徴をもっているそうです。

有史以後の記録に残る顕著な活動は、以下のとおりです。
・1274年(文永11年) 噴石、降灰のため田畑荒廃。
・1558年から1559年 (永禄元年から2年)新火口生成。
・1772年から1780年 (安永年間)降灰のため農作物の被害。
・1816年(文化13年) 水蒸気噴火。噴石で死亡1名
・1854年(安政元年) 2月26日の噴火により、参拝者3人死亡。
・1872年(明治5年) 12月30日の噴火により。硫黄採掘者が数名死亡。
・1884年(明治17年) 中央火口の最北部に新火口生成。
・1929年(昭和4年) 降灰多量、農作物、牛馬被害。
・1930年(昭和7年) 空振のため阿蘇山測候所窓ガラス破損。12月18日火口付近で負傷者13名。
・1933年(昭和8年) 第二、第一火口の活動活発化。直径1m近い赤熱噴石が高さ、水平距離とも数百m飛散。
・1953年(昭和28年) 第一火口から噴出した噴石で観光客死者6名、負傷者90余名。
・1958年(昭和33年) 第一火口からの噴出物で山腹一帯に多量の降灰砂、死者12名、負傷者28名。
・1979年(昭和54年) 楢尾岳周辺で死者3名、重傷2名、軽傷9名、火口東駅舎被害。
・1989年(平成元年) 降灰多量で農作物に被害。
・2007年(平成19年) 噴火警戒レベル1
・2011年(平成23年) 東北地方太平洋沖地震以降、火口北西側10km付近の地震活動が一時的に増加。
・2014年(平成26年) 噴火警戒レベル2
・2015年(平成27年)9月14日 9時43分、中岳第一火口より噴火。噴石及び噴煙(上空2,000m)の発出が確認されたため噴火警戒レベル3。

私は、今から40年くらい前に阿蘇山に登って、火口から下のマグマを覗き込んだことがあるのですが、その頃の阿蘇山は噴火はしていましたが、観光客は平気で山頂まで登っていました。
阿蘇山が危険と思われるようになったのは去年くらいからだと思います。
日本各地の活火山で噴火が発生していますが、今後は活火山でなくても噴火が起こるような時代が来るような予感がします。
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