宮城県でも大きな被害

栃木県や茨城県での大雨は、東北地方までさかのぼって、宮城県でも大きな被害になりました。

(1)宮城県での災害
50年に一度の記録的な大雨の時に発表されるといわれる大雨特別警報は、栃木県や茨城県だけでなく、宮城県でも発表されました。
栃木県から茨城県に流れる鬼怒川では、茨城県筑西市で越水、常総市新石下地先で氾濫が発生し、広域浸水により、住民等が孤立する状態となったのはブログで伝えた通りです。
そして、翌日の11日には、宮城県の吉田川と渋井川、山形県の最上小国川でも氾濫が発生しました。
宮城県大崎市を流れる渋井川は、11日午前、古川西荒井地区で堤防が決壊して氾濫しました。
宮城県を流れる吉田川とその支流は、富谷町と大和町で水位が上昇して水があふれ、周辺の地域が水に浸かっているのが確認されました。

(2)線状降水帯について
台風の通り道は、今までのようにまず沖縄を通過して太平洋沿岸を通り抜けるルートとは違っていました。
台風18号は、太平洋の真ん中で発生し、9日AM10:00過ぎに愛知県知多半島に上陸しています。
そして、中部地方を縦断し、9日PM9:00に日本海上で温帯低気圧に変わっています。
ただし、温帯低気圧に変わってからもずっとそこに居座ったみたいで、偏西風である南から暖かくて湿った空気が大量に流れ込みました。
それに対して、日本の東側に位置する台風17号周囲の風も流れ込み、二つの空気の流れが関東地方上空でぶつかった結果、関東から東北にかけて、雨雲が帯状にのび、強い雨が連続する「線状降水帯」ができたのが今回の大雨の原因のようです。
「線状降水帯」は、私にとってははじめて聞く言葉ですが、読んで字のごとく線状に延びる降水帯のことだそうです。
特徴として積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらすそうです。
通常の降水帯は幅5kmほどなのに対し、「線状降水帯」は幅20〜50km、長さ50〜300kmにも及ぶそうです。
今回発生した「線状降水帯」も50〜100kmほどあったとのことで、広い範囲に影響を与え、栃木県や茨城県だけでなく、翌日の宮城県にまで波及しました。
午前1時までの1時間雨量は、宮城県の栗原市駒ノ湯で63mm、大衡59mm、大崎市古川37mm、丸森町筆甫30.5mmでした。
「線状降水帯」の真下の位置は、非常に危険な降り方となります。

(3)破堤について
堤防の決壊は、専門用語では破堤と言います。
つまり、破堤(はてい)は、堤防が壊れて堤内に水があふれることで、破堤の要因を大別すると、
①浸透
②浸食
③越水
の3つが挙げられます。
1)浸透
川表側の水位が上昇し、堤内側地盤との水頭(水圧)差により生じる堤防内の間隙水圧が大きくなった場合に、川表側からの河川の浸透水による水みちが形成されることで、裏法側や堤内基盤に漏水を生じさせる作用です。
浸透水が堤防を構成する土砂類を吸い出し、パイピング現象を急速に進行させる可能性もあることから、最終的な堤防の欠壊を防ぐためにも早期の発見と適切な対処が必要です。
対処法としては、水防活動により川表側ではシート張工、裏法側では月の輪工、釜段工などを行います。
2)浸食
波や水流にさらされることで、表法面の土砂が削られたり、堤防や護岸の足(脚部)が深掘れしていく現象です。
ある部分が大きく浸食されることを洗掘といい、放置して規模が大きくなると堤防の幅が痩せていき、十分な浸透路長を稼げなくなることによる浸透破壊、または堤防本体のそのものの崩壊を生じさせることで、やがて破堤につながります。
対処法としては、水防活動により裏法側では築き廻し工などを行います。
3)越水
今回の、鬼怒川などの破堤はこの現象で、水位が堤防高を越え、水があふれる現象です。
表法面ほどは補強されないことの多い天端や裏法面が削られることにより、侵食による破壊と同じメカニズムが生じ、やがて破堤につながります。
対処法としては、水防活動により天端への積み土嚢工などを行うことだそうです。
越水では破堤の有無に関わらず漏れ出た水によって「超越洪水」が起きる場合もあります。

(4)松山でもあれだけの雨が降れば
日本がきちっと整備している川が、こんなにも簡単に破堤するとは信じられない心境です。
工事をする時には、「設計降雨強度」というのがあって、各都道府県の設計指針などにより、降雨強度として使う値(mm/hr)が出されています。
私たちが、例えば排水路の設計をする時に、100年確率とか50年確率とかで断面を決めます。
でも、最近の異常なほどの降雨量を考えると、普通の常識的な断面では計り知れない自然の恐怖があります。
松山の中心を流れている重信川は、普段は枯れ川となって、表面にはなにも流れていないこともあるのですが、それでも何年かに1回は、堤防の近くまで満杯になることがあります。
久谷大橋からよく重信川を見る機会が多いのですが、それでも河川敷にあるゴルフ場が水に浸かったことはほとんどありません。
でも、最近のゲリラ豪雨が、今回のような「線状降水帯」となって、24時間ずっと続いたら、ゴルフ場が浸かるだけでなく、その5m程度上にある堤防をも越水してしまうような気がします。
今回の、鬼怒川の破堤を見て、そう感じてしまいます。
スポンサーサイト
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR