井戸の種類①

井戸の種類について調べてみました。

井戸(well)は、地面を掘ったり、または地下に管を打込んだりして地下水を汲出すところです。
井戸は、川水を生活の用水としていた時代に、川水をせきとめてためた場所であり、水のとどまるところというのが語源になっています。
その後、仏教伝来とともに大陸の技術が入り、地面から垂直に掘下げた井戸ができるようになりました。
さて、井戸の種類ですが、いろいろな分類のしかたがあります。
今回は、この中で、井戸の形態による分類について調べてみました。

①丸井戸
円形の井戸のことを丸井戸もしくは、円井戸と呼んでいますが、一般的には掘井戸のことを言うようです。
筒井戸も、筒のように丸く掘った井戸で、口径の太いものを言うので掘井戸と同じ意味です。
堀井戸とは、人が坑内に直接入って掘った井戸で、概ね直径1m程度の孔を、人力により垂直に地下水面に達するまで掘削する方法です。
孔壁に井戸側を使ったり、石積で周りを補強しながら掘削していきます。

②角井戸
丸井戸があれば角井戸もあります。
四角井戸が一般的ですが、三角井戸、五角井戸、六角井戸、八角井戸などあります。
七角井戸や九角井戸は聞いたことがありませんが、日本全国を探せばあるかも知れません。
昔造られたものが多く、主に孔壁は木枠が多いようです。
三角井戸は東京都文京区の清土鬼子母神堂などがありますが、非常に少なく、またこの形状にした理由はわかりません。
五角井戸は、徳島県の八倉比売神社など全国各地でよく見られるようです。
五角形は造りにくい形であり、囲うだけなら、普通は四角形か六角形になるはずですが、わざわざ五角形にしたのは特別な意味があり、それを伝えていることは間違いないと言われています。
五角形の五という数字は、神社略記で天照大神の葬儀を行った五神(伊魔離神、大地主神、木股神、松熊神、広浜神)、あるいは、天孫降臨の時に五つの供の緒を分かち合った五(天の児屋の命、布刀玉の命、天の宇受売の命、伊斯許理度売の命、玉祖の命)をあらわし、天照大神が亡くなった当時は、五つの部族によって国が成立していたということではないだろうかとの言い伝えです。

③まいまいず井戸
まいまいず井戸は、当ブログでも以前に紹介しましたが、まず地表にすり鉢状の窪地を堀り、すり鉢状の斜面には井戸端に降りて行くための螺旋型の歩道が作られ、その底に丸井戸を掘削する方法です。
井戸の利用者は、螺旋型の歩道を通って、底部にある垂直の丸井戸に向かうことになります。
「まいまい」 → 「かたつむり」 なので、形がカタツムリに似ているのでこの名がついたと言われています。
まいまいず井戸は武蔵野台地にあるのですが、このような井戸が造られた要因として、武蔵野台地特有の地質学的背景がありました。
武蔵野台地は多摩川によって形成された扇状地で、武蔵野台地には脆い砂礫層の上に更に関東ローム層の火山灰があるため、特に国分寺崖線より上は地表面から地下水脈までの距離が長いのが特徴です。
従って武蔵野台地では他の地域よりも深い井戸を掘らなければ地下水脈に達することができません。
当時はボーリング機械などはなく、手掘りの井戸だったので、地層が脆いために地下水脈まで垂直な井戸を掘ることが出来ませんでした。
そこで考えたのが、一旦地表面からすり鉢状に地面を掘り下げて砂礫層の下の粘土層を露出させ、そこから改めて垂直の井戸を掘って地下水脈に至るという、当時の人々の工夫を物語るこのまいまいず井戸の掘り方です。

④タケノコ井戸
タケノコ井戸もその形状から呼ばれています。
松山市で上水道にも使われている堀井戸は、水底を見ると、徐々に径が小さくなって2段とか3段になっていることがあります。
このように、徐々に径を小さくしている井戸のことをタケノコ井戸と呼んでいます。
四角い堀井戸だけではありません。
私たちが現在の井戸で主流になっているボーリング機械を使った井戸でも、最初は大きい径で掘って、徐々に小さく仕上げていくことがあります。
このような井戸もやはりタケノコ井戸で、特に温泉を掘るような深井戸では、1回では掘らず、何回かに分けて掘るのが普通で、2段~3段の竹の子状の構造になっています。

⑤管井戸
管井戸は、鉄管を打ち込むなど細いものを呼んでいます。
丸い井戸なので、丸井戸の形状の中に入ってもいいのですが、丸井戸が自由水対象の掘井戸であるとすると、管井戸のような深いところの地下水である被圧水が対象の井戸は別にしました。

 
⑥横井戸
今まで紹介した井戸はすべて地面に対して垂直に掘る竪井戸(縦井戸)でしたが、山の崖など斜面に水平方向に掘る井戸を横井戸と言います。
日本では、地下水が豊富なので堅井戸が多いのですが、中近東など乾燥地帯で紀元前から発達した井戸に横井戸(水平井戸)があります。
これは、遠い山麓などの帯水層から水を集め、砂漠の地下を流して集落まで導き出すもので、長さ数km~十数kmにも及んでいます。
30~50m置きに縦穴を掘り、その底から両側へわずかに勾配をつけたトンネルを掘って相互につなげたもので、中近東ではカナート、カレーズ、北アフリカではフォガラ、中国では乾児井(かんにせい)、坎井(かんせい)などと呼ばれています。
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