浅間山の連日の噴火

日本列島での火山活動は活発なようです。
小笠原諸島の西之島の噴火から、御嶽山、阿蘇山、桜島、口永良部島などと続いています。
噴火までには至らなくても、草津白根山、蔵王山、箱根山などは火山性の地震などが活発になっています。
そして今回の浅間山の噴火です。

気象庁の発表では6月16日午前9時半に、浅間山(あさまやま)で、ごく小規模な噴火が起きたことを確認したと発表していました。
マグマの上昇は確認されていないとの事ですが、火山性の地震が続くなど活動は高まったままだそうです。
浅間山は、長野県北佐久郡軽井沢町及び御代田町と群馬県吾妻郡嬬恋村との境にある標高2,568mの複合火山です。
基盤岩は安山岩質で、円錐型をしています。
世界でも有数の活火山として知られています。
私の小学生の頃は、日本で常時噴火していたのは浅間山と阿蘇山だけだったと記憶しています。
それほど噴火が当たり前の山なのです。
この浅間山では、東京大地震研究所が独自に地震計やカメラなどを置いて観測研究を続けているそうです。
地震研によると、空気の振動を観測する空振計が火口近くにあり、当日の午前8時50分に、弱い振動を記録したそうです。
そして、この振動は午前11時半ごろまで断続的に続き、同時に赤外線カメラで、高温の物質が繰り返し噴き出るのが確認できたそうです。
地震研の教授(火山地震学が専門)である武尾実さんは、「空気の振動はごく小さく、爆発的な噴火ではない。高温のガスと火山灰の噴出が、だらだらと続いた」と推測し、「火山灰を詳しく分析する必要があるが、マグマを含まない水蒸気噴火ではないか」とみています。
浅間山のマグマだまりは火口から西へ七kmほど離れた地点の地下4~10kmにあると推定されています。
先出の武尾さんの話では、「今後、ごく小規模の噴火を何回か繰り返す可能性が高い。マグマの移動を示す地殻変動が観測されれば、より規模が大きい噴火も想定しなければならない」とのことです。
16日の噴火はごく小規模とみられ、住民らは冷静に対応しているそうです。
群馬県嬬恋村や長野県軽井沢町の情報では、噴煙などは確認されていないそうです。
軽井沢町では、防災係の職員が気象庁と連絡を取るなどしているそうですが、他の職員は通常業務を続けています。
火口から6.6キロにあるペンション経営の男性(72)の話では、「音もしないし、灰も降っていない」とのことです。
ただし、火口付近では、高温の火山ガスなどが燃えているように赤く見える「火映」と呼ばれる現象が、噴火した16日夜から断続的に観測されたそうです。
「火映」( かえいvolcanic red glow)とは、火口中の火道上部に比較的高温のマグマまたは高温のガスが存在するとき、その上部に水蒸気や噴気があると、麓から見て火口直上が夜間、赤く映える現象を言います。
噴気が少ないか、温度がやや低い場合には目には見えないとのことですが、長時間露出の写真には、よく写る場合があるそうです。
浅間山では、42年前の1973年2月の噴火の数日前から夜間にも「火映」が見られたそうです。
これは、火道にマグマまたは高温のガスが上昇してきたことを意味しているそうです。
こうした「火映」現象は、当然火山活動が活発になっていることを示すということになりますが、直ちに大きな噴火につながるわけではないそうです。
気象庁の火山活動評価解析官である小久保一哉さんは、「麓で火山灰が降る可能性はありますが、それ以上のことは今は想定されていません」と言っています。
産業技術総合研究所の山元孝広さんも、「高温の火山ガスが噴き出すときに火山灰を巻き上げているだけ。04年の噴火のときは関東平野でも降灰がありましたが、今回はその危険はありません」と言っています。
大規模噴火の予兆ではないと判断しているようです。
そして、気象庁は18日に、浅間山で16日朝に発生した噴火について、地下水とマグマが接触して噴火する「マグマ水蒸気爆発」と呼ばれるタイプだったと発表しました。
噴火が発生した時刻は、観測データから「午前8時50分頃」と解析しています。
こんな中、気象庁は、昨日(6月19日)午後5時頃、再び、ごく小規模な噴火が発生しました。
山頂火口から3kmほど離れた監視カメラで灰が降ったことが確認されていますが、当時、山頂付近には雲がかかり、噴煙の状況は確認できていないそうです。
浅間山では、山頂の直下を震源とする火山性地震が、4月下旬から増加していたそうです。
そして、16日の噴火以降、さらに増える傾向にあり、17日は167回、18日は108回と、1日に100回を超える日が続いていて、19日も午後3時までに89回観測されているそうです。
また、地下の火山ガスやマグマの動きを示すとされる火山性微動は、17日は0回、18日は1回でしたが、19日は、午後3時までに5回とやや増えてました。
この一方で、今月16日の噴火の数時間前に観測された、山の西側の膨張を示すと考えられる地殻変動については、19日は、停滞した状態だそうです。
気象庁は、浅間山では今後も小規模な噴火が発生する恐れがあるとして、引き続き「噴火警戒レベル2」の火口周辺警報を発表しています。

浅間山は、数十万年前から周辺では火山活動が活発であり、烏帽子岳などの3つの火山体と併せ、浅間連峰もしくは浅間烏帽子火山群と総称されています。
これまでに噴火と山体崩壊を繰り返し、現在の姿となりました。
大規模な山体崩壊と崩壊土砂が流出した痕跡は、遠く離れた群馬県前橋市の台地上などに厚い堆積物として残っています。
現在噴火活動をしているのは、前掛火山です。
山頂火口からは噴煙があがり、その周りには複合のカルデラがあり、内側の外輪山の西側に前掛山があります。
北側のカルデラは山頂部から「鬼押出岩」へと流れ出た溶岩流により崩壊しています。
外側の外輪山には、黒斑山、牙山、剣ヶ峰などがあります。
気象庁は「100年活動度または1万年活動度が特に高い活火山」として、ランクAの活火山に指定し、火山活動レベルに応じた入山規制が行われています。
2015年6月11日15時30分、噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げられています。
1949年(昭和24年)9月7日に山域は、上信越高原国立公園に指定されまし。
2007年、日本の地質百選に選定されています。
さらに、日本百名山及び花の百名山にも選定されています。
噴火の歴史として、1900年以降だけでも、1900年、1901年、1902年、1904年、1907年、1908年?、1909年、1910年、1911-1914年、1916年、1917年、1919年、1920年、1921年、1922年、1927年、1928年、1929年、1930年、1931年、1932年、1934年、1935年、1936年、1937年、1938年、1939年、1940年、1941年、1942年、1944年、1945年、1946年、1947年、1951年、1952年、1953年、1954年、1955年、1958年、1959年、1961年、1965年、1972年、1973年、1982年、1983年、1990年、2004年、2008年、2009年、2015年と続いています。
つまり、ここ115年の歴史の中では、ほとんど噴煙をあげている山なのです。
この中で、噴火の大きかった年を列記すると、
・1938年(昭和13年)6月7日 降灰多量。噴出物総量2×105m3、9月26日13時43分噴煙高さ 8,200m。火山爆発指数:VEI1.3
・1947年(昭和22年)8月14日 噴煙高さ 12,000m、噴石により11名の犠牲者。火山爆発指数:VEI1。
・1958年(昭和33年)11月10日 午後10時50分、突然大爆発し噴煙高さ 7,000 - 8,000m。噴出物総量3.6×105m3、火山爆発指数:VEI1。
・1973年(昭和48年)2月1日 爆発、小規模な火砕流発生。約1ヶ月前から活発な火山性地震を観測(1月13日、14日合計150回超)し、5月24日まで微噴火まで合わせ87回の噴火と活発な活動が続いた。火山爆発指数:VEI2。
・1983年(昭和58年)4月8日 爆発、福島県の太平洋岸でも降灰を観測。火山爆発指数:VEI0.9。
・2004年(平成16年)9月1日 20時20分頃噴火確認。小康状態の後、9月14日 - 18日にかけて、及び9月23日には中規模の噴火。
11月14日以降噴火は観測されず。火山爆発指数:VEI1。
・2008年(平成20年)8月10日 小規模噴火を確認。
・2009年(平成21年)2月2日 噴火確認。関東平野の広い範囲に10g/m2 - 50g/m2の降灰。ウィキニュースに関連記事あり。火山爆発指数:VEI1。
大規模噴火は1番近いもので、1783(天明3)年8月3日に噴火した天明噴火が大規模噴火として記録されています。
今回の噴火は、2004年~2009年にかけて小規模噴火を起こして以来です。
その時は火山灰を多く噴出した程度に終わっています。
今後については、大規模噴火の前兆でないことを祈りますが、今日なども、登山者へのインタビューで、「規制されたら登れなくなるので・・・・」とか話している人がいました。
いくら登山好きでも、危険と隣り合わせは趣味とは言えません。
一番安全なのは、危険なところに行かないことです。
浅間山はいつ大規模噴火があってもおかしくない、そんな危険な山なのです。

bousai_kisei.jpg
浅間山の、規制範囲図です。
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