世界遺産の「モンサンミシェル」の珍しい現象

フランス北西部にある世界遺産の「モンサンミシェル」は有名な世界遺産ですが、2015年03月21日に18年ぶりに孤島になったそうです。

「モンサンミシェル(Mont Saint-Michel)」は、ノルマンディー地方南部・ブルターニュとの境に近く、ブルターニュ半島の近くにある小島で、サン・マロ湾の南東部にあり、周囲は約900mです。
島を覆うように建てられた修道院は966年に創建されたもので、その後は増改築を重ね、13世紀ごろに、ほぼ現在の形になったとされています。
百年戦争の際には要塞として使用され、かつては干潮時にしか渡ることができなかったそうです。
そのはずで、ここはヨーロッパでも潮の干満の差が最も激しい所として知られています。
潮の満ち引きの差は実に15m以上あるそうです。
このため、修道院が築かれた岩でできた小島はかつては満ち潮の時には海に浮かび、トンボロ現象と呼ばれる、引き潮の時には自然に現れる陸橋で陸と繋がっていました。
島の入口には潮の干満時刻を示した表示があり、満潮時には浜に降りないようにと記されています。
最も大きい潮が押し寄せるのは満月と新月の28~36時間後といわれており、引き潮により沖合い18kmまで引いた潮が、猛烈な速度で押し寄せてきます。
このため、かつては多くの巡礼者が潮に飲まれて命を落としたそうで、「モンサンミシェルに行くなら、遺書を置いて行け」という言い伝えがあったそうです。
1877年になると、対岸との間に地続きの道路が作られ、潮の干満に関係なく島へと渡れるようになりました。
しかし、これによって潮流をせき止めることとなり、100年間で2mもの砂が堆積してしまったそうです。
急速な陸地化(陸繋島化)が島の周囲で進行しており、島の間際まで潮がくることは滅多になくなりました。
かつての姿を取り戻すべく2009年には地続きの道路が取り壊され、2014年に新たな橋が完成したそうです。

「モンサンミシェル」は、もともとモン・トンブ(墓の山)と呼ばれ、先住民のケルト人が信仰する聖地でした。
こんな言い伝えがあるそうです。
708年、アヴランシュ司教オベールが、夢のなかで大天使ミカエルから「この岩山に聖堂を建てよ」とのお告げを受けたそうですが、悪魔の悪戯だと思い信じなかったそうです。
再び同じ夢を見たそうですが、また信じなかったそうです。
ついに3度目には大天使はしびれを切らし、今度はオベールの額に指を触れて強く命じたところ、オベールは稲妻が脳天を走る夢を見たそうです。
翌朝、オベールは自分の頭に手を置くと脳天に穴が開いていることに気づいて愕然とし、ここに至って大天使ミカエルのお告げが本物であると確信し、ここに礼拝堂を作ったのが始まりだそうです。
966年にはノルマンディー公リシャール1世が、ベネディクト会の修道院を島に建て、これが増改築を重ねて13世紀にはほぼ現在のような形になったそうです。
中世以来、カトリックの聖地として多くの巡礼者を集めてきたそうです。
先に述べたように、百年戦争の期間は島全体が英仏海峡に浮かぶ要塞の役目をしていました。
その傷跡として、「モンサンミシェル」の入り口には今もイギリス軍が捨てていった大砲とその弾が残っているそうです。
18世紀末のフランス革命時に修道院は廃止され、1863年まで国の監獄として使用され、その後荒廃していたそうですが、ヴィクトル・ユゴーの紹介がナポレオン3世を動かし、1865年に再び修道院として復元され、ミサが行われるようになったそうです。
19世紀には陸との間に堤防を造成して鉄道・道路ができ、陸続きになり(鉄道は後に廃止されています)、フランス西部の有数の観光地となっています。
1979年にはユネスコの世界遺産に登録されました。
「モンサンミシェル」とは「聖ミカエルの山」という意味で、旧約聖書にその名が記される大天使・ミカエルのフランス語読みに由来するそうです。

そんな中、今年に入ってヨーロッパで3月20日に観測された日食の影響もあり、次の日の21日夜の潮位、は「モンサンミシェル」の周辺で、14mを超えたと言われています。
これは、ビル5階分に相当する高さなので、下の画像のようにぽつんと孤島になっています。
この日は「世紀の大潮」を見ようと、数千人が「モンサンミシェル」を訪れたそうです。


修道院へ向かう橋が水に浸かった「モンサンミシェル」です。
18年ごとに起きるという「世紀の大潮」によって孤島の状態になったそうです。
複数の要因が一緒になって起こるそうです。
米国海洋大気庁(NOAA)の研究者であるスティーブン・ギルさんによると、地球の潮の干満は月や太陽の重力の影響を受けますが、ギルさんによると、18.6年ごとに二つの要因によってその影響が顕著になるそうです。
一つは、ヨーロッパで日食が起きたことと関連するのですが、太陽、月、地球が直線状に並んだことです。
もう一つは、月が地球に近い位置にあったことだそうです。
これらの要因によって、月や太陽が地球の海に及ぼす潮汐力が大きくなり、5階建てのビルを覆うほどの高さの潮位がもたらされたそうです。


「モンサンミシェル」で満潮を待つ大勢の見物人の様子です。
前回の「世紀の大潮」は1997年3月10日で、次回は2033年3月3日の予定だそうです。
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