南極でも暖かいデセプション島

南極大陸の近くに火山島があります。

この島は、デセプション島(Deception Island)と言って、南緯62度57分、西経60度36分に位置し、南極海にあるサウス・シェトランド諸島を構成する島の一つです。
サウス・シェトランド諸島は、イギリス人の探検家ウィリアム・スミス (William Smith) さんが1819年2月19日に発見し、イギリス領と宣言しました。
そして同じ年の10月16日にはこの諸島最大の島キングジョージ島に上陸しました。
この諸島は他には、アルゼンチンとチリが領有権を主張していますが、南極条約により領有権は凍結されているそうです。
デセプション島は、下図にもあるように、南極半島の先端から、海上を西へおよそ170kmの場所にドーナツ型の島で、南極圏の中では、氷河が張っていない珍しい場所です。
19世紀初頭以来、このデセプション島は南極の嵐や氷山からの避難場所となっていました。
島の頂上部が水没した「カルデラ」の湾で、幅230 mの裂け目があり、フォスター湾の入り口になり、この「カルデラ」の湾が天然の防波堤となっています。
最初はアザラシ狩猟者、1906年にはノルウェーとチリの捕鯨会社がホエラーズ・ベイ(Whalers Bay 捕鯨の港)を捕鯨の基地として使用していました。
島の中心部に活火山があり、1970年に噴火して南極の観測基地が被害を受けました。
島は、下図のようにほぼ円形をしており、直径は約12kmです。
島全体が外輪山で、最高地点はポンド山(Mt Pond)で、標高542mです。
島の大半は氷で覆われています。
外洋から見ると小さな島に見えますが、その内側は波静かな天然の良港です。
外輪山の中に良港が隠れているところから、「だましの島(デセプション島)」と名付けられたそうです。
島の中央には、長さ約9km、幅約6kmの大きな湾がありますが、湾の入り口は狭く、幅は230 mで、ネプチューンズ・ベロー(Neptunes Bellows 海神の叫び)と呼ばれています。
ネプチューンズ・ベローから内側に入ったところにはホエラーズ・ベイがあり、そこは黒い砂浜になっています。
島の大半は氷で覆われていますが、ここは火山の影響で地熱が高く、この熱のため雪が解け、南極付近では珍しく地表がむき出しています。
つまり、このデセプション島は、島自体が火山の火口「カルデラ」になっています。
そして、現在も島の火山は活発に活動しており、黒い砂浜の石も熱くなっています。
このデセプション島は、南極付近で唯一の温泉が湧き出ており、世界最南端の温泉でもあります。
この砂浜は、数箇所から湧き出る熱鉱泉での熱は、そのままではかなりの高温のため、海水と混ざった部分に寝転がって入浴することができるそうです。
ただし、これは数年前のことだそうです。
世界で最南端の人が入れる温泉で、南極ツアーに参加すると組み込まれていたそうですが、今は海岸を勝手に掘ることが禁止になったそうで、お風呂には入ることはできないそうです。
また海水に浸かることさえも禁止されているそうです。

この火山島の由来として、1万年以上前に島中心部の火山が大噴火を起こしたそうです。
その後、「カルデラ」となり、南側のネプチューン・ベロウが海とつながり、巨大なフォスター湾が出来上がったそうです。
そして、海底から活火山に由来する温泉が沸いているため、海が暖められているそうです。
また、この島は、ペンギンの繁殖地としても有名です。
先にも述べたように、南極近辺で最も安全な湾ということで、各国が領土権を主張し、施設もいくつか建てられました。
ただし、現在では、南極と同様に、どこの国にも属していない土地になっています。
そして、各国の研究施設も建てられています。
昔は、捕鯨基地としても活躍していた歴史があります。
鯨油工場の廃墟をはじめ、過去に建てられた各国の研究所などの廃墟などもあります。
放棄された研究所の方は、クジラ工場が放棄された理由とは違い、デセプション島が活火山で活発に活動していることがその理由で、1969年の噴火により機能を破壊されたものが放棄されることになったようです。

Deception Island
ホエラーズ・ベイ(捕鯨者の湾)では、幅100mほどのビーチが広がり、赤茶色に錆びた巨大タンクが並んでいます。
これは、捕鯨基地として栄えた名残です。
1906年にノルウェーとチリの捕鯨会社が基地にしたのを皮切りに、1914年までにイギリスなど13社がクジラの加工基地を設けたそうです。
巨大タンクは鯨油の貯蔵に使われそうです。
他には、鯨の解体や鯨油採取の建物などが設けられました。
しかし、石油の普及に伴って鯨油の価格が低迷し、1931年に操業が打ち切られたそうです。
捕鯨の施設は、1961年の火山噴火で破壊し、その後、放棄されています。
観測隊も1970年に起きた火山爆発で引き上げ、軽飛行機の格納庫も、歴史遺産として廃墟のまま残されています。

Deception Island
この付近がネプチューンズ・ベロー(海神の叫び)と呼ばれる難所で、フォスター湾の入り口です。
このネプチューンズ・ベローは、外輪山が崩れた南東側の裂け目で、この付近は強風の風音が凄いので、名付けられたと言われています。
地熱の影響で、雪のないところもあります。

南極へ23 デセプション島 温泉は廃業の写真
火口の周辺の様子です。
ポンド山を見上げるところで、溶岩台地になっています。
登ることはできるのだそうですが、上へ行くほど急勾配になっているそうです。
さすがに、この写真は南極の匂いがします。


観光のツアーでは、東南部のホーラーズ・ベイにから上陸するそうです。
黒い海岸の海岸線を歩くと、立ち上る湯気が見えてくるそうです。
砂浜を少し掘るだけで温泉が沸きだしてくるので、海水を混ぜて温度を調整すれば小さな温泉が出来上がるそうです。
この写真は、まだ海に入る許可があった頃の様子です。
その頃は、海に入ると、証明書ももらえたそうです。


南極大陸とデセプション島との位置関係を示した地図です。


これが、デセプション島です。
ドーナツ型の島で、島の頂上部が水没したカルデラになり、幅230 mの裂け目があり、フォスター湾の入り口になっています。
島の内側は南北8km、東西6kmです。
天然の防波堤の役目を果たしており、湾内は19世紀初頭から船舶の避難場所として利用されました。
外輪山が崩れた南東側の裂け目は、ネプチューンズ・ベローと呼ばれる難所です。

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