ネパールでの大地震と四国との関係

ネパールで起きた大地震は、発生から4日目になってもまだ全容はつかめていない状態みたいです。

(1)ネパールでの大地震の概要
昨日の段階で、亡くなった人は5064人になり、近隣国を含めると5100人を超えています。
ネパールの人口の3割を占める約800万人が被災し、未だに依然として被害状況がわからない地域が多いとの情報だそうです。
コイララ首相は、「山間部などの被害実態は把握できていない」とした上で、「死者数は1万人に達する可能性がある」と述べていました。
被災地では、余震を恐れて多くの人が屋外でテント生活を続けており、食糧不足が深刻化する恐れがあります。
国連人道問題調整事務所(OCHA)ネパール事務所によると、ネパールで約140万人が食糧支援を必要としているといわれています。
今回の地震は、マグニチュード(M)7.8で、震源の深さは約15kmです。
阪神大震災が、マグニチュード(M)7.3で、震源の深さは約16kmです。
阪神大震災が震度は7なので、阪神大震災と同等以上の大地震だと容易に想像できます。

(2)カトマンズについて
今、大変な被害が伝えられている首都のカトマンズには176万人が住んでいるそうです。
ネパールの人口は2,649万人(2011年の人口調査による)なので、15分の1の人口がカトマンズです。
残りのほとんどの人々は山村で生活しています。
カトマンズのあるカトマンズ盆地は、5山に囲まれ、バグマティ川、ビシュヌマティ川の2つの川が貫通し、両川に抱かれるような形でカトマンズの町は広がっています。
ただし、約8000年前までは湖底であったそうです。
カトマンズ盆地の起源は伝説によるとスワヤンブ(Swayambhu、創造者)にあり、文殊菩薩(マンジュシュリー)が旅の途中で見た湖に咲く蓮の花にお参りするために南にある山を削り湖の水を流したところ、その後に肥沃な土地が出現し、人々が住みつくようになったそうで、これがカトマンズ盆地の始まりだそうです。
それ以来、蓮の花が咲いていた丘はスワヤンブの住む聖なる場所と崇められるようになったそうです。
そして、13世紀ころまでには多くの建物やストゥーパなどが建てられたり、ヒンドゥー教と仏教のそれぞれの像が祀られ、僧坊、寺院などの建立も相次いだそうです。
山村に住む人たちにとってはカトマンズは憧れの土地で、カトマンズ盆地を「ネパール」と呼び、カトマンズに行くことを「ネパールに行く」と言うそうです。
このような憧れの土地のカトマンズでは、この10年で人口が1.5倍から2倍に増えるなど、急激な人口増加に伴って住宅が密集し、災害のリスクも高まっていた状態だったそうです。
でも、カトマンズは、震源から約80kmも離れています。
これだけ離れていても、大きな被害が出ていることについて、
①地震の規模の大きさや建物の構造
カトマンズの建物はれんが積みのものが多いうえ、住民がみずから建てるケースもあり、耐震性の低いこうした建物を中心に今回の地震で倒壊が起きています。
②地盤の影響
カトマンズは、先に述べたように、かつては湖だった場所で、固い地盤の上に厚さ数100mにわたって粘土のような軟弱地盤層があります。
上記のような条件で、揺れが強まった可能性があると専門家は指摘しています。
これだけでなく、震源地周辺の山岳地帯についてはまだ全容が掴めていませんが、強い揺れによってがけ崩れが起きている恐れがあり、川をせき止めれば、決壊して洪水につながる可能性もあるということです。
カトマンズも、最近では10階建て以上の高い建物が増えてきているものの、そうした建物の耐震基準や規制は追いついていないそうです。
映像からでも、高層建物でもヒビが入っているものが見て取れるため、余震で倒壊の恐れもあるそうです。

(3)ネパールと四国の類似性について
ネパールは、南側のインド亜大陸が北側のユーラシア大陸に衝突し、その下に沈みこんでいる衝突帯で、東西に伸びる8000m 級のヒマラヤ山脈に特徴付けられています。
一方、日本列島は東側の太平洋プレートおよび南側のフィリピン海プレートが北西側のユーラシア大陸プレートの下に沈みこんでいる沈み込み帯の島弧です。
このようにネパールと日本とは、プレートテクトニクスとしては異なる環境にあるにもかかわらず、ネパールと日本の地形・地質および景観には類似した点も多く見られます。
①山の最も高いところに中期中新世の花崗岩がある
ネパールと西南日本は、地形配置および地質構造が類似しています。
西南日本と、ヒマラヤの地形を対比すると、以下のように対比されます。
・シワリク⇔大陸斜面の付加体
・低ヒマラヤ・高ヒマラヤ⇔四国山地
・チベット高原⇔中国山地
また、四国山地の高まりは、中期中新世の花崗岩類と密接に関係しています。
すなわち、西日本の最高峰は、近畿では紀伊半島の大峰山(1915m)、中国では大山(1729m)、四国では石鎚山(1982m)、九州では宮之浦岳(1935m)なので、大山を除けば、いずれも中期中新世の1400 万年前後の年代を示す花崗岩体もしくは火砕岩から構成さています。
一方、高ヒマラヤにも基盤岩を貫いて中新世の年代を示す優白色花崗岩が分布しています。
この花崗岩類は、主として堆積岩起源の地殻物質が部分もしくは全溶融して形成されたと考えられています。
②第四紀の火山活動がないのに温泉がある
四国及び紀伊半島には道後温泉(泉温43℃)や湯の峰温泉(泉温90℃)のように、第四紀の火山帯でないにもかかわらず通常の地温勾配よりはるかに高い温泉があります。
一方、ヒマラヤにも数多くの温泉が知られ、その最高温度は71℃です。
四国もネパールも第四紀の火山活動は認められていませんが、中期中新世の花崗岩体が地下に伏在しています。
したがって、これらの温泉は、地下深部に浸透した天水が、花崗岩貫入マグマの潜熱によって加熱され、MCTやMBF等の大断層帯に沿って湧出する、いわゆる構造規制型温泉であると解釈されています。
③巨大地震が発生する
四国山地は、沈む込むフィリピン海プレートによって約100 年間隔で発生する南海トラフの巨大地震の震源断層面の北側に当たると共に、1000~2000 年間隔で発生する中央構造線活断層系による直下型巨大地震の震源近傍に当たっています。
また、ヒマラヤもインドプレートとユーラシアプレートの衝突帯にあたり、ネパールでは約100 年間隔でM8クラスの巨大地震に襲われきました。
そして、四国と共にネパールも来るべき巨大地震の脅威にさらされていましたが、今回の大地震でそれが現実になった次第です。
④地すべり・崩壊と熱水変質作用
四国には第四紀の火山活動がなく、また新第三紀の火成岩体の分布もわずかなため、熱水変質作用による岩盤劣化が見逃されています。
しかしながら、四国の中央構造線沿いには、中期中新世火成活動に伴う熱水変質帯が形成されており、地すべりの素因となっています。
同様の熱水変質作用は、中央構造線付近だけでなく、地質帯を問わず広く四国地方に存在する可能性が高く、地すべりの素因として注目されています。
50~100℃程度の低温で、中性の熱水変質作用では、変質鉱物として一般にスメクタイトが生成します。
ネパールでも、変質粘土がすべり面となった可能性のある地すべり、崩壊が認められています。
現時点では、ネパールの地すべり粘土からスメクタイトなどの膨潤性粘土鉱物は確認されていませんが、ネパールにおいても、熱水変質起源の粘土帯・粘土脈は大規模地すべりの素因として注目されています。
⑤来るかもしれない大地震に備えて
このように、ネパールと四国は、プレートのそばだけでなく、岩盤の特徴や温泉の特徴、それに地すべりの形態も似ています。
そして、特筆すべきは巨大地震の周期も似ています。
今回のネパールでの大地震は、南海地震の前触れかも知れません。
特徴が似ているので、必ずしも太平洋側で起こって、高知県だけに被害があるとは限りません。
直下型も考えられるし、瀬戸内海だって、当然候補地に入っていますので、愛媛県も安全なところとは言えないと思います。
人ごとに考えないで、備えることが大事だと思います。
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