水質管理目標設定項目(26項目) について

水質管理目標設定項目(26項目) について調べてみました。

水質管理目標設定項目は、目標値毒性や発がん性のある項目の目標値の決め方は、基準値と同じく、人間が水道水を一生涯飲み続けても病気やがんにならない濃度が設定されています。
毒性や発がん性のほとんどない項目は、おいしさの観点などから、より質の高い水道水を目標として、基準値より厳しい濃度が採用されています。
・アンチモン及びその化合物
アンチモンは、半導体材料や鉛、スズなどとの合金として使われています。
地質に由来するもののほかに鉱山排水や工場排水などから水道原水に混入することがあります。
毒性は強く、急性中毒として嘔吐、下痢、皮膚炎など、慢性中毒として心臓、肝臓、腎臓障害などの症状があらわれます。
アンチモン使用工場からの排水が汚染源として考えられます。
目標値は、毒性を考慮して設定されています。
・ウラン及びその化合物
ウランは、原子力発電所の核燃料として使われている放射性元素です。
ごく微量ですが岩石や海水中にも広く分布しています。
地質由来により水道原水に混入することがあります。
毒性が大変強く、腎臓に蓄積し腎臓障害の症状があらわれます。
目標値は、毒性を考慮して設定されています。
・ニッケル及びその化合物
ニッケルは、ステンレスやメッキの原料として使われています。
地質に由来するもののほかに鉱山排水や工場排水などから水道原水に混入することがあり、ニッケルメッキからの溶出が汚染源として考えられます。
大量に摂取するとめまい、嘔吐、急性胃腸炎などの症状があらわれます。
目標値は、毒性を考慮して設定されています。
・1,2-ジクロロエタン
1,2-ジクロロエタンは、塩化ビニルの原料として使われている有機化学物質です。
地下水を汚染して水道原水に混入することがあり、以前は、地下水で検出事例が多くありましたが、近年、水道水からの検出事例がほとんどなくなりました。
肝臓障害の健康影響がある物質で、発がん性が疑われている物質であるため、目標値は、発がん性を考慮して設定されています。
・トルエン
トルエンは、シンナー、接着剤、塗料の原料として多く使われている有機化学物質です。
揮発し易いため水中から大気にほとんど放出されてしまいます。
急性中毒として中枢神経系への影響、疲労、頭痛、めまいなど、慢性中毒として運動失調、平衡障害、言語障害などの症状があらわれます。
発がん性の可能性は低く、目標値は毒性を考慮して設定されています。
・フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)
フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)は、プラスチックに柔軟性を持たせるために使われている有機化学物質で、シート、レザー、ホース等生活環境で広く使われています。
平成27年度より、毒性を考慮して目標値が強化されました。
亜塩素酸亜塩素酸は、消毒剤として二酸化塩素を使った場合に問題となる物質です。
・二酸化塩素
二酸化塩素は、水道で用いることが認められている消毒剤で、塩素の代替消毒剤です。
二酸化塩素は、化学的に不安定なガスで貯蔵が難しいことから、ほとんどの浄水場で使用されていません。
・ジクロロアセトニトリル
ジクロロアセトニトリルは、トリハロメタンと同様、浄水過程で原水中の有機物質と消毒剤(塩素)と反応して生成される消毒副生成物です。
毒性が高いとの報告があるため、目標値は、毒性を考慮して設定されています。
・抱水クロラール
抱水クロラールは、トリハロメタンと同様、浄水過程で原水中の有機物質と消毒剤(塩素)と反応して生成される消毒副生成物です。
毒性が高いとの報告があるため、目標値は、毒性を考慮して設定されています。
・農薬類
殺虫剤や、除草剤など広い用途に多くの種類の農薬が使われています。
市販されている薬剤には、何種類かの農薬が混合されたものもあります。
農薬は種類が多く毒性などがそれぞれ異なるため、物質の特定や評価が困難です。
水質管理目標設定項目としての農薬類については、水道水に混入する可能性が高い農薬120種類についてそれぞれの目標値が設定され、総農薬方式という評価方法が採用されています。
これは、ある農薬Aの測定値を、Aの目標値で割り算し、これをAの評価値とします。
この作業を120種類の農薬全てで行い、この120種類全ての評価値の合計(検出指標値)が1以下という目標を定めています。
・残留塩素
残留塩素とは、水道水中の塩素の残量のことで、水道法により衛生上の措置としてすべてのじゃ口で塩素を0.1ミリグラム毎リットル以上確保することが義務付けられています。
水道水中の塩素は、水に溶けているものと反応したり、配水池等で空気中に蒸発したりするため、浄水場からじゃ口に届くまでの時間が長くなるほど少なくなります。
そのため、浄水場では、消毒の残留効果がじゃ口まで十分に発揮されるように、塩素が減少する量を考慮して、塩素を入れています。
しかしながら、残留塩素が多いと水道水にカルキ臭を与え、水道水の味を悪くします。
目標値は、水道水をおいしく感じられる限度の濃度として設定されています。
・カルシウム、マグネシウム等(硬度)(目標)
硬度の水質基準は、石鹸の洗浄効果を損なわないために300ミリグラム毎リットル以下と定められています。
水質基準と同じ項目で、カルシウムとマグネシウムの合計値であり、主に地質に由来します。
120mg/L以下を軟水、120mg/L以上を硬水とされています。
硬度が低いと淡白な味、高すぎるとしつこい味がします。
さらに、硬度が高いとおいしく感じない人がいるため、おいしい水研究会が提言した硬度の量10~100ミリグラム毎リットルが、目標値として設定されています。
・マンガン及びその化合物(目標)
マンガンの水質基準は、水道水が黒色にならない量として設定されています。
水質基準と同じ項目で、地質に由来するもののほかに鉱山排水や工場排水などから水道原水に混入することがあります。
また消毒剤の塩素で酸化されると黒い粒子となり、着色(黒水)の原因となります。
さらに、より質の高い水道水の供給を目指すため、基準値の1/5が目標値として設定されています。
・遊離炭酸
水中に溶けている炭酸ガスのことで、水に清涼感を与えますが、多いと刺激が強くなります。
また、水道施設の腐食の原因となります。
水道水中の炭酸のことで、適度に含まれることにより、炭酸飲料のような清涼感を与えます。
しかし、多量に含まれるとピリピリとした刺激を与えます。
目標値は、水道水のおいしさを保つために設定されています。
・1,1,1-トリクロロエタン
1,1,1-トリクロロエタンは、ドライクリーニング洗浄剤、金属の洗浄剤として使われる有機化学物質です。
地下水を汚染して水道原水に混入することがあります。
平成元年まで法令による規制がなかったため、1,1,1-トリクロロエタンを使っている工場やクリーニング店の敷地などから漏洩したものが地下に浸透したものと考えられ、地下水での検出事例があります。
発がん性、毒性ともに高くありませんが、水道水に甘いにおいをつけます。
目標値は、水道水ににおいがつかない量として設定されています。
・メチル-t-ブチルエーテル
MTBEとも呼ばれ、ガソリンの添加剤や溶剤として使われる有機化学物質で、揮発し易い物質です。
過去には、地下水から高濃度で検出された事例が報告されています。
目標値は、味やにおいに影響を与えることを考慮して設定されています。
・有機物(全有機炭素(TOC)の量)(目標)
水質基準と同じ項目で、水に含まれている有機物の量であり、汚れの度合いの指標です。
土壌に起因するもののほか、生活排水、工場排水、下水などから水道原水に流入することにより増加します。
水道水中に多いと渋味をつけます。
有機物の量を表す方法には多くの種類があり、水質管理目標設定項目としての有機物は、過マンガン酸カリウム消費量が採用されていますが、全有機炭素(TOC)の量の方が、より有機物の量を正確に把握できるため、水道局では、水質管理目標設定項目としての有機物を、全有機炭素(TOC)の量で測定しています。
目標値は、過マンガン酸カリウム消費量と全有機炭素(TOC)の量の相関関係を考慮し、1.5ミリグラム毎リットルへ変更しています。
・臭気強度(TON)
臭気強度とは、においの強さを数値化したものです。
臭気の強さを数値で表す方法で、水の臭気が感じられなくなるまで希釈し、臭気を感じなくなった時の希釈倍数で臭気の強さを示します。
目標値はおいしい水の観点から設定されています。
水質基準項目や水質管理目標設定項目には、カビ臭やフェノール類など、においに関する項目が多くあります。
・蒸発残留物(目標)
蒸発残留物は、水道水を蒸発させた後に残るミネラルなどの量のことです。
水質基準と同じ項目で、主な成分は、カルシウム、マグネシウム、ケイ酸、ナトリウム、カリウム等の塩類及び有機物です。
残留物の量が多いと苦味、渋味を感じ、適度に含まれるとまろやかさを出すとされています。
目標値は、水道水をおいしく感じることができる量として設定されています。
・濁度(目標)
水質基準と同じ項目です。
水の濁りの程度を示すもので、水質基準値の2度は肉眼ではほとんどわからない程度のものです。
濁度の水質基準は、肉眼で濁りを感じないことを考慮して定められていますが、より質の高い水道水の供給を目指すため、基準値の1/2が目標値として設定されています。
・pH値(目標)
水質基準と同じ項目です。
酸性、アルカリ性を示す指数であり、7が中性、7より小さくなるほど酸性が強く、7より大きくなるほどアルカリ性が強くなります。
給水管の一部には、材質が鉛や鉄のものがあります。
水道水が酸性になっていると、鉛や鉄が水道水中に溶け出しやすくなります。
反対に、水道水を弱アルカリ性にすることにより、鉛や鉄を溶け出しにくくすることができます。
目標値は、水道施設の腐食防止の観点から設定され、弱アルカリ性である値として設定されています。
・腐食性(ランゲリア指数)
水道水の給・配水管に対する腐食性の度合いを、pH値等から算出して数値化したものがランゲリア指数です。
水が金属を腐食させる程度を判定する指標で、数値が負の値が大きいほど腐食傾向は強くなります。
目標値は、水道施設の腐食防止の観点から、極力0に近づけるよう設定されています。
・従属栄養細菌
従属栄養細菌とは、生育に有機物を必要とする細菌のことで、一般細菌同様ほとんどが無害な細菌です。
ただし、一般細菌が増殖しにくい低水温の環境下においても増殖するため、原水では有機汚染の指標として、また配水系統では清浄状態の指標として用いられています。
比較的栄養分の少ない培地を用いて20℃で1週間培養し、培地に形成された集落数を計数します。
水源の水の中には一般細菌より多く存在するため、浄水処理工程での細菌の除去性がより把握しやすくなります。
また、給・配水過程で塩素が消失すると再増殖する性質があるため、水道水が清浄な状態にあるかをチェックすることができます。
これらの特徴から、水質管理目標設定項目とされています。
・1,1-ジクロロエチレン
1,1-ジクロロエチレンは、家庭用ラップ、食品包装用フィルム、樹脂の材料として使われている有機化学物質です。
ドライクリーニングの洗浄剤や金属や半導体の洗浄剤として多く使われるトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンが分解した物質の一つです。
地下水を汚染して水道原水に混入することがあり、以前は、地下水で多くの検出事例がありましたが、近年、水道水からの検出事例がほとんどなくなりました。
肝臓障害の健康影響がある物質です。
目標値は、発がん性を考慮して設定されています。
・アルミニウム及びその化合物(目標)
地質に由来するもののほかに鉱山排水や工場排水などから水道原水に混入することがあります。
またアルミニウム系凝集剤を浄水処理に用いられていることから検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となります。
健康影響は明らかになっていないが、アルツハイマー病など神経性疾患との関連について研究が進められています。
水質基準値は、水道水が白色にならない量として設定されています。
さらに、より高い水道水の供給を目指すため、基準値の1/2が目標値として設定されています。
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