地下ダムについて

地下ダムについて調べてみました。

地下ダは、透水性の地層から不透水性の地層に向けて連続的な地中壁(止水壁)を造成することによりできるダムです。
地中壁という工法は、福島原発での、汚染水を海に流す前に遮断する工事で有名になりましたが、地表面から不透水層に向けてグラウト注入(セメントミルクや合成樹脂)を、数m間隔で連続的に施工し、方形、馬蹄形の形に囲い込む工事のことです。
このことにより、囲まれた透水性の地層の地下水が逃げ場を失い、地下水位が上昇することでダムの機能を有します。
地下水の方向による地下ダムの種類としては、
①堰上げ地下ダム・・・・地下水の流れを遮水する地中ダムです。
②塩水阻止型地下ダム・・・・過剰な地下水のくみ上げに伴い海岸部からの塩水くさびが進入してくることを防ぐ地下ダムです。
機能的にはこの2種類とも重複している要素もあるので、海岸付近では厳格な区分はしづらいようです。
このように、地下ダムは地下水を溜めるために造られますが、塩水の侵入を防ぐためにも造られます。
地下水ダムが作られる場所は水源の水が少ない島とか、砂漠などです。
北東部アフリカ、ブラジルの乾燥地帯、アメリカ合衆国南西部、メキシコ、インド、ドイツ、イタリア、フランスなどで造られていますが、日本にもあります。
構造よる地下ダムの種類としては、
①サブサーフェイスダム(sub-surface dam) ・・・・帯水層に水不浸透層(煉瓦や石、コンクリート、鋼鉄 PVCなどがある)を地下直下に設置し、構築します。
一旦ダムを設置すると水が貯まり井戸でくみ上げる事が可能となります。
②サンドストレージダム(sand-storage dam)・・・・水位を上げるダムで、砂漠の川やオアシスなどの水の流れに対して貯水を目的として構築します。
ダム本体の強度が十分強固でないと決壊の可能性があるため、十分強固な構造が必要となります。
貯水によって溜まった砂が蒸発を妨げるのが重要な点で、溜まった水は、ダム本体やパイプにより井戸を通して地上に出されます。

地下ダムの特徴としては、
①土地の水没がなく、地表部は今までどおり使えます。
②決壊災害がなく、ダムが壊れて家屋が流出することもありません。
③地下水の流動が比較的遅いために長期間安定取水が可能となります。
④地下水のため年中水温が安定しています。
地下ダムの立地条件としては、
①必要な地下水を貯留することのできる空隙を持ち、かつ貯留した地下水を効率よく摂取するだけの透水性を持った地層(貯留層)が存在すること。
②その地層の下位及び周囲に、地下水を逃がさない、水を通しにくい地層(不透水性基盤)が存在すること。
③貯水量に見合う地下水の補給(涵養)があること。(ただし、涵養量が少ない場合は、人工的に補うことができます)
このような条件が必要になります。
日本で建設されたのでは宮古島の地下ダムが有名です。
美しい自然に囲まれる宮古島ですが、干ばつ・台風等の天災が常に生活と同居し、それらから生活をいかに守るかという戦いの歴史がありました。
昭和46年には、180日間で降雨量162mmという大干ばつに見舞われ、宮古島の農業は壊滅的な打撃を受けました。
その被害は、平均反収約7トンのサトウキビが1.25トンにまで激減するなど、悲惨なものでした。
宮古島はサンゴ礁が隆起して出来た非常に透水性の高い琉球石灰岩からなり、降水は直ちに土壌面から浸透して地下水となり、海へ流れ出ていました。
それを地下で堰き止めて利用できるようにしました。
昭和62年に国営灌漑事業が着工となり、事業は、地下ダムにより約2,400万トンの水源を確保し、8,400ヘクタールに畑地灌漑を行うという大規模なものです。
川のない宮古島に、世界に先駆けてこれほど大規模な地下ダムが完成したということは、常識では考えられない奇跡的な出来事と捉えていました。
また、干ばつに苦しめられない「水利用農業の展開」が可能になるということは、農業の歴史から見ると「宮古の農業改革」といえるほどの大偉業だったそうです。



地下ダムが立地しやすい地域の具体例








愛媛県松山市も、雨が非常に少ないところです。
地下ダムについても検討していた頃はあったそうです。
松山市は扇状地ではありますが、いざ施工するとなるといろいろな弊害もあるそうです。
宮古島みたいにはいかないですね。
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