草津白根山の火山性地震

先日、箱根山での現在の状況と、火山の危険性について調べましたが、その時に、噴火リスクは関東近くだけでも箱根山や御嶽山、富士山だけではなく、伊豆山、伊豆大島、浅間山、榛名山、赤城山、草津白根山、日光白根山、那須岳などいっぱいあると伝えたばかりです。

(1)草津白根山での火山性地震
今回は、群馬県の草津白根山です。
気象庁の発表では、2月23日午前2時ごろから、湯釜火口付近を震源とする火山性の地震が増加し、午後3時までに60回の火山性地震を観測したそうです。
草津白根山で火山性地震の回数が一日に50回を超えたのは、去年8月以来だそうです。
これまでのところ、地震の増加に伴って傾斜計などのデータに特段の変化は見られず、火山性微動も観測されていないということですが、当然火山活動が活発化していると思われます。
以前から噴火警戒レベルは2でしたが、今後においては、小規模な噴火が発生する可能性があり、湯釜火口から1km程度の範囲では噴石などに警戒するよう呼びかけているそうです。
東京工業大学の教授である野上健治さんは「湯釜火口付近の地下のごく浅いところで膨張が続いていているとみられ、地震活動は今後も続くと考えられる。地震の規模などから考えて、直ちに噴火に至る可能性は低いとみられるが、小規模な噴火が発生する可能性はあるので、引き続き湯釜火口の付近では注意してほしい」と話しています。

(2)草津白根山について
草津白根山(くさつしらねさん)は、群馬県吾妻郡草津町に位置する、標高2,160mの活火山です。
本来は白根山が正式名称ですが、他の白根山と区別するため、草津を前につけて呼ばれています。
山頂付近は、現在では白い山肌が広がっていますが、1882年の噴火以前は火口付近まで緑が広がっていたそうです。
この山頂付近には複数の火口湖が形成され、湯釜、水釜、涸釜と呼ばれています。
かつては、山腹にはいくつかの硫黄鉱山が存在し、鉱山跡が現在も残っています。
火口湖の中でも有名なのは湯釜(ゆがま)です。
この湯釜は、直径約300m、水深約30m、水温約18℃の火口湖です。
pHが1.0前後であり、世界でも有数の酸性度が高い湖と言われています。
これは火山ガスに含まれる塩化水素や二酸化硫黄が水に溶け込み、塩酸や硫酸となったためと考えられています。
湖水は白濁した青緑色で、水に溶け込んでいる鉄イオンや硫黄などの影響で特定の波長の光が吸収されてこのように見えると考えられています。
湖底や沿岸には硫黄が沈殿しており、戦前から1960年頃まで鉱山会社によって採取されていたそうです。
噴気孔から噴出する硫黄分を含む蒸気からの硫黄採取も行われ、湖岸には硫黄運搬用のトロッコやリフトが敷設され、事務所や作業所が立ち並んでいたそうです。
そして、噴火にともなう高温の蒸気やガスによって鉱山労働者に死傷者が出ることもしばしばあったそうです。
火口縁には湯釜を望む展望台が設置されていますが、後述の噴火警戒レベルの引き上げに伴い、2014年6月3日以降は湯釜の周辺への立ち入りができなくなっており、周辺の道路にも「湯釜は見れません」という案内が出ています。

(3)草津白根山の噴火警戒レベル
草津白根山では、気象庁が運用を開始した2007年12月1日から噴火警戒レベルが設定されています。
群馬県と草津町はレベル1(平常)の段階でも第1次規制として山頂火口の湯釜から半径500m以内に立ち入り制限をかけ、当初は夏場の観光シーズンにのみ規制緩和して河口縁の展望台まで続く歩道を開放していました。
しかし、2009年4月10日に半径500m域内のごく小規模な火山灰の噴出などへの警戒を呼びかける噴火予報が発表され、その後火口内で新たな噴気が確認されたことから、2010年4月8日開催の草津白根山防災会議協議会において、第1次規制の継続と当面の間緩和措置を見送ることが決定されています。
2014年3月から湯釜周辺で火山性地震が増加し、4月頃からわずかではありますが山体の膨張を示す変動が観測されました。
その後も様々な火山活動の活発化を示す兆候が現れてきたことを受け、2014年6月3日に気象庁は噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを「レベル2(火口周辺規制)」に引き上げました。
これを受け、即日群馬県は国道292号の草津町殺生河原駐車場前から嬬恋村万座三叉路までの8.5kmを通行止めにし、草津町と嬬恋村は第2次規制区域内の登山道を立ち入り禁止としました。
その後、同年6月14日に規制が緩和されて、日中に限り国道292号の通行は可能になりましたが、山頂付近は駐停車禁止となっており、駐車場や売店も閉鎖されたままになっています。

(4)草津白根山の噴火記録
草津白根山の近年のおもな火山活動です。
1882年 8月6日 水蒸気噴火(湯釜・涸釜):降灰
1897年 7月4日-8月 小規模水蒸気噴火(湯釜):硫黄採掘所全壊
1900年 10月1日 小規模水蒸気噴火
1902年 7月-9月 水蒸気噴火(弓池付近):降灰
1905年 10月 小規模水蒸気噴火
1925年 1月26日 水蒸気噴火:降灰
1927年 12月31日 小規模水蒸気噴火
1928年 1月29日~31日 小規模水蒸気噴火
1932年 10月1日 水蒸気噴火:降灰、ラハール(火山泥流):死者2名、山上施設破壊
1937年 11月、12月 小規模水蒸気噴火:降灰
1939年 2月-5月 水蒸気噴火:降灰
1940年 4月、9月 噴煙
1942年 2月2日 小規模水蒸気噴火(割れ目)
1958年 12月 小規模水蒸気噴火(湯釜)
1976年 3月2日 小規模水蒸気噴火(水釜)
1976年 8月3日 白根沢で火山ガスにより死者3名
1982年 10月26日 小規模水蒸気噴火(湯釜・涸釜):降灰
1982年 12月29日 水蒸気噴火(湯釜):降灰
1983年 7月26日 小規模水蒸気噴火(湯釜)
1983年 11月13日 水蒸気噴火(湯釜):降灰
1984年 2月21日 小規模水蒸気噴火(湯釜・涸釜):降灰
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