箱根山の現在の状況と火山の監視体制

日本列島の火山は、阿蘇山や桜島、御嶽山、それに西之島ばかりではなく大地の動きは頻繁に続いているようです。
その中の一つで箱根山の現在の状況について調べてみました。

私たちが一般に箱根山(はこねやま)と呼んでいますが、この箱根山は、神奈川県足柄下郡箱根町を中心に、神奈川県と静岡県にまたがる火山体の総称です。

カルデラと中央火口丘、二重の外輪山で構成され、内側には堰止湖の芦ノ湖を形成しています。
主な山としては、
①中央火口丘
・冠ヶ岳 (1409m)
・神山 (1438m) - 箱根山最高峰です
・箱根駒ヶ岳 (1356m) - 駒ヶ岳ロープウェーがあります
・上二子山 (1091m)
・下二子山 (1065m)
・早雲山 (1153m)
②新期外輪山
・屏風山 (948m)
・鷹巣山 (834m)
・浅間山 (802m)
③古期外輪山
・白銀山 (993m)
・大観山 (1011m) - 東麓に航空路監視レーダーがあります
・三国山 (1102m)
・丸岳 (1156m)
・金時山 (1212m) - 実際は外輪山ではなく、古箱根火山の側火山です
・明神ヶ岳 (1169m)
・明星ヶ岳 (924m)
・塔ノ峰 (566m)
また、箱根山北部の金時山から足柄峠に至るあたりは足柄山(あしがらやま)とも呼ばれ、金太郎の生地として知られています。
この足柄山は金時山の別名とされる場合もあります。
箱根山は40万年前に活動を開始した第四紀火山です。
箱根山はカルデラ火山です。
カルデラは約東西8km、南北12kmです。
外輪山は玄武岩~安山岩の成層火山群から構成されています。
前期中央火口丘(新期外輪山)は安山岩~デイサイトの溶岩および溶岩ドームから成り、後期中央火口丘は安山岩で、成層火山である神山や駒ヶ岳および二子山などの溶岩ドーム群から成っています。
主峰の神山の北側に活発な噴気地帯である大涌谷と早雲山があり、駒ヶ岳東麓にも湯の花沢・硫黄山噴気地帯があります。
最近での噴火の歴史記録はないのですが、噴気の活発化や、崩壊・土石流がしばしば発生しているだけでなく、群発地震が観測されています。
その後、大涌谷周辺で数回の水蒸気爆発があったことが地質調査により知られています。
安山岩・デイサイトのSiO2量は55.6~67.8wt.%です。
玄武岩のSiO2量は報告されていませんが、流紋岩のSiO2量76.5 wt.%が報告されています。
最近1万年間の活動としては、カルデラ内の後期中央火口丘群に限られ、マグマ噴火は溶岩または溶岩ドームの形成と、それに伴うブロックアンドアッシュフロー型火砕流が発生しています。
このほか、水蒸気爆発も認識されています。
マグマ噴火としては、
・約8000年前の神山山頂付近の噴火
・約5700年前の二子山溶岩ドームの噴火
・約3200年前の神山の噴火
があります。
最後に発生した神山のマグマ噴火の時には、神山の北側が山体崩壊し、冠ヶ岳が形成されています。
この時の箱根山の爆発は、富士山の10倍以上の規模であったとされています。
その時の火砕流は、横浜市戸塚区や保土ヶ谷区まで流れてきたことが地層からわかっています。
噴火したマグマが、一瞬で湘南全体を覆い尽くして横浜市まで流れてきたそうです。
その速度は時速200kmとも言われています。
箱根から横浜までは40~50km程度ですから、噴火からわずか15分ほどで、湘南全体から横浜市までマグマで燃えつくされたことになります。
その噴火の前までは、箱根山の標高は今の2倍あったと言われています。
噴火により山の半分から上は吹き飛んでしまい、芦ノ湖を中心とした今の形になったとされています。
そして、芦ノ湖は噴火によるカルデラ湖であると言われています。
これ以降には、水蒸気爆発として約3000年前、約2000年前、12世紀後半~13世紀の短い期間に3回の計5回が確認されているそうです。
現在でも大涌谷などで噴煙や硫黄などの火山活動が見られ、致死性の火山ガスを噴出する場所もあります。
箱根火山の熱源であるマグマだまりの規模や大きさは不明ですが、これまでの地震観測の結果からマグマだまりの上端は地下5㎞以下の位置にあると考えられています。
そして、山体の南側に大きく侵食された湯河原火山が接しています。

常に活発に噴気をあげている大涌谷は温泉たまごなども有名で、ピーク時には一日約2000人の観光客が詰めかけています。
大涌谷に向かうロープウェイの年間乗客数は世界一であり、昨年度は220万人でした。
世界で一番、身近な火山とも言える箱根山です。
ここで、去年の12月に発見したのは、大涌谷から尾根ひとつ越えた、北西側の斜面でした。
そして、その噴気は大量で、離れた場所からもはっきり目視できるものだったそうです。
金時山頂上の山小屋で、1947年、14歳のときから働いている「金時娘」こと、小見山妙子さん(81歳)の話だと、
「あの噴気のこと?あれは私も驚いてんのよ。噴気なんか出るようなところじゃないと思ってたから。最初は誰かゴミでも焼いてるのかと思ったの。はじめは細い煙みたいに見えたけど、日が経つにつれてだんだん大きくなってきた」
とのことです。
このような、地元の人のちょっとした言葉が、大変な事に波及するのはよくある事だと思います。
思えば、日本での地震の予知は、今は外れまくっていますが、先進国だった時代はありました。
環太平洋火山帯に属し、常に先頭をきっていたのが日本でした。
インドルシアからも、日本に噴火の予知について学びに来ていたそうです。
でも、今は、そのインドネシアにさえも追い抜かれているそうです。
噴火の予知で一番大切なのは、実際に専門家が毎日山を見ることだそうです。
でも、日本では、観測所に人が常駐しているのは、現在は、有珠山、普賢岳、桜島、阿蘇山、草津白根山のみで、一握りの活発な火山だけです。
あとは、気象庁でデータはとりますが、危険度を判定する噴火予知の専門家がいません。
だから、避難が遅れ、御嶽山みたいになってしまいます。
インドネシアには、129の活火山が存在し、1600年以降に噴火記録がある火山の数は79もあります。
そのうち70の火山に73の観測所が設置され、2~3名の観測員が常駐し、24時間体制で火山監視に当たっており、そこで得られた観測データは毎日3回無線電話で火山調査所に集約され、分析が加えられているそうです。
インドネシアには、日本でいう気象庁みたいな所に、噴火予知の専門家も雇っているそうです。
そして、すべての火山観測所には人が常駐し、毎日火口まで歩いて、日々の状況をチェックしているそうです。
それに対して、日本では、先に述べたように常駐して監視している観測所はほとんどありません。
気象庁に噴火予知の専門家もいません。
これでは、御嶽山みたいに、避難が遅れるのも仕方のないことのようです。
御嶽山は国内の火山研究にとって原点のような火山です。
御嶽山が1979年に歴史上初めて噴火した際、研究者は衝撃を受けました。
「もう噴火しない」と考えられていたからです。
国内の火山で噴火の可能性が見直され、周辺の地質調査が進んみました。
そして、御嶽山では過去1万年でマグマが関与するような大規模な噴火が少なくとも4回あったことが分かってきました。
去年のような水蒸気爆発は11回あったことが確認されました。
国内で活火山と認定された火山は110に増え、そこには火山研究者の地道な調査が貢献し、かつてよく使われていた「死火山」という表現は現在はなくなりました。
火山の監視や噴火予知の責任を負っている日本の機関は気象庁です。
47の活火山を常時観測火山として、地震計・傾斜計などの機器や監視カメラで24時間体制の観測をしています。
でも、大学で火山を専攻した職員は極めて少なく、専門家の集団とはいえません。
だから、火山防災の面でも大学の研究者がこれまで大事な役割を担ってきました。
但し、いくら助言しても、決定権は気象庁にあります。
火山災害の難しさは、一過性ではなく長期化しがちで、その後の推移が判断しにくいところにあります。
1990年代の長崎県雲仙・普賢岳や、2000年の北海道・有珠山といった社会への影響が大きかった噴火では、地元に常駐する大学の研究者が、火山活動を評価して自治体に助言を繰り返し、ふもとの住民も信頼を寄せていました。
日本でも、御嶽山噴火後、長野県知事の阿部守一さんは「山の特色に通じた研究者の育成が必要。そういう人が常に山の周辺にいることが重要だ」と述べました。
今回は箱根山を主に調べましたが、噴火リスクは関東近くだけでも箱根山や御嶽山、富士山だけとは限りません。
伊豆山、伊豆大島、浅間山、榛名山、赤城山、草津白根山、日光白根山、那須岳など、たくさんあります。
今は、危険な山は、インドネシアを見習って、信頼のおける火山研究者が常駐すべきで、その人たちに避難などの決定権を与えるべきだと私は思います。
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