自然災害に脆い「人工林」

大雪のため、何日間も孤立していた地区が出ていた徳島県の山間部で、倒木が主な原因とみられる電線の切断や電柱の倒壊などの被害が、四国電力の調べでは、540か所に上っているそうです。

そして、三好市と東みよし、つるぎ両町では、雪の重みで枝がしなったり、電線に倒れかかったりする樹木が多く見つかっています。
その樹木は、ほとんどが杉です。
徳島県に限らず、全国津々浦々で、昭和20年後半から30年代頃に国からの補助金が出て、杉を大量に植樹したそうです。
杉は「人工林」ですが、私たちが一般に知っている森は、その成り立ちから、「原生林」「天然林」「人工林」の3種に大別されています。
「人工林」とは、人間が苗木を植栽して育成した森林のことです。
そして、「天然林」とは、伐採などで人の手が入っても、自然の力で更新している森林のことです。
伐採後も、周囲の樹木の種子が発芽・成長することで自然に森が保たれています。
日本で古くから「里山」と呼ばれている森の多くは「天然林」です。
その一方、「原生林」とは、天然林の中でも全く人の手が入っていない、一度も伐採されたことのない森林のことです。
これは、日本には存在しません。
世界でも、多様な生物種が生存し豊かな生態系が残っている「原生林」は、アマゾンの熱帯雨林、アラスカ、ロシア、カナダなど、ごく一部にしか残っていません。
そして世界の「天然林」は、急激に減少しており、このままでは50〜100年でゼロになるという警告も出されているほどだそうです。
森林を保護したり、認証制度で持続可能な森林づくりを促進するなどの取り組みが急がれています。
それでは「人工林」はどうなのでしょう?
「人工林」は、日本の森林の4割を占めており、これの多くが、必要な手入れができておらず、荒れつつあるという現状もあります。
「人工林」は人手の入った森林ですから、人手をいれつつ、育てていく必要があります。
下刈り・枝打ち・間伐などを適切に行うことで、健やかで質の良い森に育てることが大切となります。

災害が発生した徳島県では、全面積のうち、「人工林」は5割近くを占めています。
そして、県によると、所有者の高齢化や木材価格の低迷などで、木の密度を調整する間伐ができていない例があり、必要な光が当たらず、木の成長を妨げているそうです。
つまり、相次ぐ倒木は、手入れ不足による森林の荒廃で、木が十分育っていないことが背景にあるとのことです。
愛媛県でも、田舎の林道を走ると、真夏の太陽でまぶしい季節でも、杉が間伐をしていないと光が通らないので真っ暗になっていることがあります。
だから「人工林」は、災害には脆いことになります。
私たちは、今後もこのような「人工林」と向き合って生活しないといけません。
もともと「人工林」は、保水力がないために、豪雨の時に流下する速度が速くなって、土砂崩れなどを起こしやすい土質にしてしまっています。
でも、四国に一日だけ降った大雪で、倒木が原因による、電線の切断や電柱の倒壊などの被害が、540か所に上っているのは、あまりにも異常です。
地質や地下水などを含めて、こんなにも簡単に倒木した原因を探求する必要があります。
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