砕屑岩について

一般の人なら「砕屑岩」という言葉はあまり聞きなれないと思います。

(1)砕屑岩と火山砕屑岩
砕屑岩(さいせつがん、clastic rock)は、地表の岩石から風化・侵食によって生じた粒子(砕屑物)によって構成されている堆積岩で、つまり岩石の砕屑が集まって固まった堆積岩のことです。
岩石名で言えば、礫岩・砂岩・泥岩などの私たちの周りにいっぱい転がっている岩石です。
よく勘違いする岩石に、火山砕屑岩があります。
火山砕屑岩(かざんさいせつがん、pyroclastic rock)は、火山から噴出された火山砕屑物(火砕物)が堆積してできた岩石で、火砕岩(かさいがん)とも言っています。
凝灰岩などで、現在では堆積岩として扱われることが多いのですが、マグマを起源とすることから火成岩の一種である火山岩とする場合もあります。

(2)砕屑岩の区分
この砕屑岩ですが、砕屑物の平均粒径により、礫岩・砂岩・泥岩に区分されています。
①礫岩・・・・砕屑物の平均粒径が2mm以上のものを言います。
②砂岩・・・・砕屑物の平均粒径が2~1/16mmのものを言います。
③泥岩・・・・砕屑物の平均粒径が1/16mm以下のものを言います。
④シルト岩・・・・泥岩の中で平均粒径が1/256mm以上1/16mm以下のものです。
⑤粘土岩・・・・泥岩の中で平均粒径が1/256mm以下のものです。
そして、礫岩のうち、礫が角張っているものは角礫岩と言っています。
また、泥岩が剥離性をもつようになったものを頁岩や粘板岩と言い細分しています。
私は、泥岩をシルト岩や粘土岩には細分していません。

砕屑岩の分類

実際に目で見ての礫岩・砂岩・泥岩の区別ですが、わかりやすい時と、そうでもない時があります。
礫岩は、粒が見え、中にちょっと大きな石が見えますので、この岩の区別は比較的簡単です。
軟らかいのでクギでひっかくと傷がつきます。
砂岩は、小さい粒が見え、ザラザラした感じがします。
傷がつくものとつかないものがあり、しま模様になっているものもあります。
黒っぽくて粒径が小さく、乾いている状態のときには泥岩に似ているものもあります。
風化すると茶色に変色します。
泥岩は、粒は肉眼では見えないくらい細かく、クギでひっかくと傷がつくくらいで、あまり硬くないので割れやすくなります。
扁平状に割れているものが多く見られます。

(3)砕屑岩の特徴
礫岩・砂岩・泥岩にはそれぞれ特徴があります。
特に、砂岩・泥岩は身近にある岩石なので、一般の人もよく知っているとは思いますが、そのいくつかを紹介します。
①地すべりの発生
砂岩と泥岩の互層では、特に泥岩が風化しやすく、砂岩との層理面が剥がれやすいため地すべりが発生しやすくなっています。
斜面が流れ盤ななっている場合などで、比較的硬い砂岩と、その砂岩との間に挟まれている破砕質な泥岩は、地すべりのすべり面になっているケースがあります。
斜面を切土する場合にでも、斜面に分布する泥岩はスレーキングし易いと言われています。
スレーキングは、膨潤と反対の過程が進行することで、泥岩の中の粘土鉱物が関与しています。
一般にスレーキングは、粘土鉱物の粒子の間に水が入って、そこのあった空気が圧縮されてその圧力で粒子間の結合が弱くなり細片化すると説明されています。
砂岩・泥岩互層の地すべりあとをよく観察すると、層理面で泥岩が崩れて、砂岩の表面が露出しているところをよく見かけます。
②ちりめん状風化
泥岩は細かな割れ目(節理)が入りやすく、特に固結度の低い泥岩ではその傾向が強く、細かなひび割れが無数に入って、風化していきます。
こうした泥岩に特徴的な風化をちりめん状風化と呼んでいます。
③玉ねぎ状風化
玉ねぎ状風化構造(オニオン・クラック)もあります。
この現象は、砂岩や泥岩、花崗岩などで見られることが多いです。
これは、砂岩や泥岩などが地表に露出して乾燥し、ブロック状にひび割れた後、雨水など浸み込むことによってできるものです。
玉ねぎの皮を向くように岩石の表層が剥がれ、丸くなります。
岩石の粒子が粗くなるほど玉ねぎが大きくなります。

IMGP7951.jpg 
高知県竜串海岸の「座頭の昼寝石」です。
激しい風や波の浸食作用でいろいろな造形が出来ますがここは硬い石が風波に耐えて残ったのでしょう。


泥岩がまんまるに風化している状態です。
④はちの巣状風化
はちの巣状風化構造は、砂岩に見られることが多いです。
これは、岩石表面の堅さの微妙な違いによって、風化・浸食の速度が違ったためにおこります。
海岸沿いの波風のかかるような場所によく見られます。
砂岩中にある粒の大きな礫等が波や風などで風化・浸食を受けとれてしまうと、そのぬけ跡はもろくなり、風化・浸食をより受けやすくなります。
そのために、そこを中心として穴が広がりできあがります。
砂岩でも特に礫の多い部分に、はちの巣状風化は多く見られます。
このはちの巣状の風化はタフォニとも呼ばれています。

IMGP7902.jpg 
高知県見越海岸の「人魚御殿」です。
はちの巣だらけですね。

IMGP7945.jpg 
高知県竜串海岸の「千畳敷」と呼ばれる名所です。
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