石炭について

地球上の貴重な資源の一つに石炭があります。

(1)石炭の成り立ち
現在の地球上では、枯れて倒れた樹木は大半がシロアリやキノコなどの菌類や微生物によって分解されてしまうのですが、石炭ができるためには完全に分解される前に地中に埋没することが必要です。
現在、地球上から産出している石炭は、主に古生代に埋没していた樹木です。
その当時には、分解する菌類や微生物が、まだ出現していなかったり少数でした。
そして、植物の遺体が分解されずに堆積する場所として湿原や湿地帯が挙げられます。
これらの場所においては植物の遺体は酸素の少ない水中に沈むことによって生物による分解が十分進まず、分解されずに残った組織が泥炭となって堆積します。
泥炭は植物が石炭になる入り口とされています。
他の成因として大規模な洪水で大量の樹木が湖底等の低地に流れ込んで土砂に埋まることも考えられます。
地中に埋まった植物は年代を経るに従って 泥炭→褐炭→歴青炭→無煙炭に変わっていきます。
そして、この変化を石炭化と呼んでいます。

(2)石炭化
上記で述べたように、地中に埋まった植物が地圧や地熱を受けて石炭になる変化を総称して石炭化と呼んでいます。
これは多様な化学反応を伴った変化です。
セルロースやリグニンを構成する元素は炭素、酸素、水素ですが、石炭化が進むに従って酸素や水素が減って炭素濃度が上がり、外観は褐色から黒色に変わり、固くなっていきます。
炭素の含有量は泥炭の70%以下から順次上昇して無煙炭の炭素濃度は90%以上に達します。
化学的には植物生体由来の脂肪族炭化水素が脱水反応により泥炭・褐炭になり、次に脱炭酸反応により瀝青炭となり、最後に脱メタン反応により芳香族炭化水素主体の無煙炭に変わります。
植物が石炭化する速度は地中での圧力や温度の影響を受けます。
日本は環太平洋造山帯に位置し地殻変動が盛んなため、諸外国の産地よりも高温・高圧にさらされて石炭化の進行が早いとも言われています。

(3)石炭の埋蔵量
石炭埋蔵量は、世界エネルギー会議の調査結果(2007年)等では、世界中で、約8,475億トンの可採埋蔵量(技術的・経済的に採掘が可能とされている埋蔵量)があるとされています。
この埋蔵量に基づいて、世界の石炭の生産量から可採年数を算出すると、133年になるそうです。

(4)石炭が産出する地層
石炭は、先に述べたように、元となった植物が繁茂していた時代に相当する地層から産出されています。
石炭が産出する地層としては、古生代が最も古く、産出は無煙炭が主体です。
①古生代の石炭
古生代に繁茂していた植物は現在のシダ類やトクサ類の祖先に相当しますが、当時の代表的な植物であるリンボクは高さ30メートルになる大木で、大森林を形成していたと考えられています。
・石炭紀(2億8千万年前頃): ヨーロッパ、北米
・二畳紀(2億2千万年前頃): 中国、インド、オーストラリア、アフリカ
②中生代の石炭
中生代における石炭になる植物は、ソテツやイチョウなどの裸子植物が優勢となりました。
この時代の地層から産出する石炭は海外ではほとんど瀝青炭ですが、日本で産出するのは無煙炭が主体です。
・三畳紀(1億9千万年前頃): ヨーロッパ中部、北米、中国南部、インドシナ
・ジュラ紀(1億5千万年前頃): ヨーロッパ中南部、北米、アジア東部
・白亜紀(1億2千年万前頃): ヨーロッパ中部 北米、南米、アフリカ
③新生代の石炭
新生代第三紀(7~2千万年前)の石炭になる植物は、現在に近い樹種が主体です。
産出する石炭は、外国では石炭化の低い褐炭が主体ですが、日本の炭鉱では瀝青炭が産出されています。
・ドイツ、北米、中米、オーストラリア、日本
植物の体はセルロース、リグニン、タンパク質、樹脂などなどで構成されています。
このうち古生代に繁茂したシダ類ではセルロースが40~50%リグニンが20~30%ですが、中生代以後に主体となる針葉樹類ではセルロースが50%以上リグニンが30%です(何れも現生種のデータ)。
そして、これらの生体物質を元にして石炭が形成されています。

(5)石炭の分類
石炭の分類は、石炭化度、用途による分類などがあります。
①石炭化度による分類
石炭の根源植物が石炭に変質する過程を一般に石炭化作用と呼び、この進行度合を石炭化度と言います。
石炭は、石炭化度により無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭に分類されますが、日本では一般に無煙炭から褐炭までを石炭と呼んでいます。
②用途による分類
大きく分けて原料炭及び、一般炭に分類されますが、原料炭は一般的に粘結性のある石炭で、主に製鉄(コークス)の原料として、一般炭は主に発電用燃料として用いられています。
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