口永良部島の噴火について

また、日本で噴火のニュースが入ってきました。
8月3日午後0時24分頃、鹿児島県屋久島町・口永良部島(くちのえらぶじま)の新岳(しんだけ)が噴火し、噴煙が800m以上に達したそうです。
新岳の噴火は1980年9月以来で、34年ぶりだそうです。

(1)口永良部島について
鹿児島の活火山である桜島は誰でも知っていますが、その南に火山島が連なっていることは、あまり知られていません。
一般の方は興味すらないと思います。
この火山島は、薩摩硫黄島(鹿児島県薩南群島)、諏訪之瀬島(鹿児島県トカラ列島)、硫黄鳥島(沖縄県)など活火山も多く、その中でも、口永良部島は、薩南火山郡島最大の火山島としても知られています。
口永良部島は、屋久島の西方約12kmに位置する島で、近隣の屋久島や種子島などとともに大隅諸島を形成しています。
島はひょうたん型をしており、全域が屋久島国立公園となっています。
温泉が豊富にあるほか、島の周辺は魚釣りのポイントも多いため、1年を通して観光客が訪れています。
この島は、新旧2つの火山群が結合した火山島であり、東部には、. 新岳・古岳などの円錐状火山が並び、その周辺には多くの噴気孔や割れ目火山、火山跡の野池などが見られる特異な火山景観となっています。
口永良部島は、主に玄武岩が基盤岩だそうですが、火山からの噴出物は、そのほとんどがカルクアルカリ系列に属する輝石安山岩だそうです。
活火山ランクBで、複数の安山岩質の火山から成り、特に東側の火山は新鮮な火山で仁田尾山(526m)・三角点山(600m)・古岳(657m)・新岳(626m)があり、今回噴火した新岳には、山頂に直径200mの火口があります。

(2)過去の噴火について
記録に残る1841年以降だけでも幾度となく噴火しています。
1841年には複数回噴火し、現在の前田集落付近に火山礫が降下したとの記録がありますが、その詳細は不明です。
1931年から35年にかけて新岳火口及びその周辺で噴火活動が活発化し、しばしば爆発的噴火が発生しました。
火山岩塊は、新岳火口から約2km離れた向江浜集落付近まで到達したと記録されています。
夜間の噴火では赤熱岩塊の投出が目撃され、また広範囲に森林火災が発生するなど、高温のマグマ物質が放出されたことが推測されています。
特に1932年12月25日の噴火では火口から1.7km東麓の七釜集落に高温の火山礫が多数降下し、集落13戸が全焼し死者8名,重軽傷27名を出していると記録に残っています。
また新岳から北西に流下する向江浜川にはたびたび二次的な土石流(ラハール)が発生したそうです。
主要な活動が終了して約1年後の 1935年4月4日には向江浜川で降雨による大規模な土石流が発生し、硫黄精錬施設が集中していた向江浜集落が被災し、死者5名の被害を生じています。
1945年11月3日に発生した噴火については十分な記録は残っていませんが、新岳山頂東側に開口した側火口及び割れ目火口から発生した水蒸気噴火と考えられています。
火口の近傍には、変質した岩片からなる噴出物が局所的に残存しています。
1966年11月22日には新岳山頂火口から爆発的噴火が発生しています。
島の南~東部を中心に降灰があったほか、北側山腹の広い範囲に投出岩塊が飛散しました。
新岳火口から約3.5 km北方に離れた寝待温泉の海上にまで多数の岩塊が到達し、本村―湯向間の道路が寸断されています。
また高温の火山岩塊の着地によって、北側山麓を中心に広範囲で山林火災が発生しました。
降灰は屋久島・種子島まで到達しました。
その後は、1970年代にかけて新岳火口から断続的に小噴火が発生し、新岳火口周辺に投出岩塊を飛散させたほか、山麓に少量の降灰をもたらしました。
1980年9月28日には、新岳山頂の東側を南北に走る既存の割れ目火口から噴火し、南西方向に火山灰が飛散ましした。
割れ目火口の近傍には、変質した岩片からなる噴出物が局所的に残存しています。
このような、1980年噴火以降についても、火山性地震活動は活発でした。
京都大学防災研究所によって1990年以降継続されている地震観測によると、1996年3~6月,1999年8月~12月,2001年4月~2004年2月ごろにかけて火山性地震活動の活発化が見られています。
特に、1999年以降火山活動は活発な状態が続き、しばしば火山性微動が観測されていました。
そして、火山性地震の震源は、新岳火口直下から西側の海水面より浅い標高100~400mの火山体内に集中していました。
また、1995,1996年から2000年までのGPS観測により、新岳火口を中心とする膨張が検出され、変動源として新岳火口東側の海面下数100mの浅い場所に存在する圧力源が推定されています。
更に、2001年4月ごろから新岳火口浅部において顕著な全磁力減少が検出され、火口直下部分の温度上昇が続いていると考えられていました。
これらの観測結果から、1980年噴火以降新岳の東側の海面下0.5 km付近にある熱水溜りの膨張により、熱水が新岳に向かって上昇し、火口浅部において火山性地震や熱的活動の活発化をもたらしていると解釈されていました。
2005年1月には地震活動がやや活発化し、それに伴い新岳山頂部を中心とした山体の膨張が観測されています。
この山体膨張の圧力源は、新岳火口直下数100mの深さに推定されていることから、火口直下の熱水溜りの圧力上昇によって地震活動が活発化したものと推測されていました。

(3)今回の噴火
そして今回の噴火です。
気象庁は、噴火警戒レベルを1の「平常」から3の「入山規制」に引き上げました。
火口から半径2キロ圏内を立ち入り禁止にし、島全域の77世帯135人に避難準備情報を出しました。
火口から約3キロ離れた公民館などに自主避難した住民は、3日午後7時半現在で33人だそうです。
今のところ被害は確認されていませんが、鹿児島地方気象台は「同程度の噴火が再び発生するおそれがある」と注意を呼びかけています。

口永良部島の地図です。
ひょうたん島みたいですが、今回噴火した新岳はほぼ中心で、その北側に野池があります。

口永良部島新岳1.jpg
これは噴火前の写真でしょうか。
白い煙が上がっているところが新岳でしょう。

口永良部島・新岳の噴火の様子=3日午後0時27分、鹿児島県屋久島町(福岡管区気象台提供)

口永良部島・新岳の噴火の様子です。
3日午後0時27分に撮影しています。

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