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愛媛県のアルマンディン(鉄礬柘榴石)

四国でざくろ石の産地はたくさんあります。
ざくろ石の英名はガーネットです。
つまり、1月の誕生石です。

徳島市の眉山(びざん)に、スペサルティン=満礬柘榴石(まんばんざくろいし)がありますが、愛媛県にも四国中央市土居町関川の河原で採集できるアルマンディン=鉄礬柘榴石(てつばんざくろいし)があります。
眉山のスペサルティンは、雲母を多く含んだ石英片岩の中に入っています。
硬くて風化に強いので、眉山中腹の山道の地面を探すと、母岩から分離した結晶を拾うことができるそうです。
光沢が強く、黒っぽい色をした斜方12面体の結晶です。
あまり大きなものはなく、大半は直径5mm以下です。
これに対してアルマンディンは、ネソケイ酸塩の柘榴石群に属する鉱物の一種で、四国山脈の高所である東赤石山付近の柘榴石角閃片岩中に産しています。

まず、角閃片岩の説明ですが、この岩石は玄武岩が地下深部で圧力を受けてできた結晶片岩で、広域変成作用による角閃石の片理が顕著に見られ、雲母や柘榴石もできています。
中央構造線は、愛媛県では高速道路のルート上付近に平行に走っている大断層ですが、その内側(北側)と外側(南側)では地質が大きく異なり、東赤石山あたりは外側に位置しています。
いわゆる「三波川帯」と呼ばれ、変成岩である片岩が主体の岩盤ゾーンです。
この地質は海洋プレートの沈み込み時に削り取られたプレートの削りカスが掃き溜められたいわゆる「付加帯」で、マントル起源の岩石も多く見られています。
事実、東赤石山の基盤は橄欖岩で、山中には鉄分の赤茶けた橄欖岩の巨石がゴロゴロしていることが、この山名の由来にもなっています。

アルマンディン(almandine)の名称は、トルコのアラバンダ(Alabanda)に由来するとされています。
組成式はFe3Al2(SiO4)3で表され、多くは苦礬柘榴石成分と固溶体を形成しています。
赤色から暗赤色を呈し、十二面体あるいは偏菱二十四面体などの自形結晶をつくりやすく、10cmを越えるような大結晶が産出することもあります。
柘榴石群の中では最も普通に産出し、屈折率は1.83程度で密度と共に苦礬柘榴石よりやや高いものです。
鉄礬柘榴石は、玄武岩など苦鉄質岩の高圧による変性作用により生成し、結晶片岩など変成岩中に見られ、苦礬柘榴石よりは低圧条件で生成しやすいとされています。
愛媛県でも、先に述べたように、角閃片岩中に確認されています。
鉄礬柘榴石は、斑状変晶組織を持っています。
これは、変成作用の過程で新たにできた鉱物が周囲の鉱物よりも大きく成長した組織(大きく成長した鉱物粒子を斑状変晶という)です。
接触変成岩では紅柱石や菫青石が斑状変晶となっていることが多いのですが、広域変成岩では、鉄礬柘榴石だけでなく、十字石,コランダム,斜長石(曹長石),藍晶石,ケイ線石,クロリトイド,磁鉄鉱,黄鉄鉱などが斑状変晶となっていることが多く見られます。
また、斑状変晶の中に別の鉱物の微粒子が入っているものをポイキロブラスチック組織と言っています。
斑状変晶組織を有する変成岩はかなり変成作用が進んだものであり、斑状変晶になっている鉱物は周囲のきめが細かい鉱物に比べ、原子配列が密で、比重が高く、硬い傾向があります。
鉄礬柘榴石は、かつては、美しいものは宝石として用いられ、一般的なものは研磨剤として用いられてきましたが、現在では研磨剤としては合成品が主流となっているそうです。
またろうそくの炎の明かりにかざして見ると美しい深赤色を呈していますが、蛍光灯下では黒ずんで見え現在では宝石としてはあまり評価されてはいません。
鉄礬柘榴石は、広い地域で産出し、東アフリカ、アメリカ合衆国のアラスカおよびオーストリア産の結晶片岩中に含まれています。
日本では、愛媛県の他には、茨城県真壁郡山ノ尾のペグマタイト中に産しています。

 
片理面は、顕著ではありませんが、これが角閃片岩です。
微細な黒っぽい鉱物が角閃石です。
白い斑点が細長くつぶれています。
これは玄武岩溶岩が変成されて押しつぶされ、気泡を埋めた沸石が引き伸ばされたものです。

角閃石片岩 
鉄礬柘榴石の斑状変晶(赤褐色粒状)が含まれる角閃石片岩です。
この角閃石片岩には、片岩の特徴である縞状構造が顕著です。

 
愛媛県四国中央市関川の柘榴石角閃片岩です。
関川の河原は、さまざまな種類の鉱物を手軽に拾える場所ですが、その中で特に目立つのが、
角閃片岩の中に含まれる赤いアルマンディンです。
多くは角閃片岩の表面に径1mmから2cmほどの多角形の断面として見えていますが、適度に
風化した角閃片岩を割れば、斜方12面体(菱形が12個集まってできる立体)の結晶を単独で取り
出すことができます。
数は多くないものの、アルマンディン以外の柘榴石も2種類あります。
それはパイロープ(苦礬柘榴石)とウバロバイト(灰かいクロム柘榴石)で、パイロープはエクロジャ
イトという珍しい変成岩中に、ウバロバイトは橄欖岩中に含まれています。

イメージ 1 
東赤石山の北麓、五良津山(いらずやま)産の角閃石片岩です。
柘榴石の赤い斑状変晶が見えていますが、片理面は、顕著ではありません。 

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