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福島原発の土質と地下水

3月28日に、福島第1原発内での、掘削作業中の死亡事故がありました。

深さ約2m程度なので、土砂だけでなく、コンクリートも一緒に崩壊してきた状況にようなので、よほど大きいコンクリートか、打ちどころが悪かったかと思っていました。
一般には、約2m程度の掘削では、均一な中~粗砂か、よほど水で飽和していないかぎり崩れることはありません。
福島原発付近のボーリングデータは、以前にも紹介したことがありますが、
0.00~0.50m粘土質ローム. 0~0.10m草根混じり(表土)。
0.50~0.90m砂質ローム. 砂分多量。
0.90~1.50m礫泥じり中砂 小礫混入。
1.50~2.60m中~粗砂. 2.50~2.60m茶褐色粘土を挟む。
2.60~8.40m砂礫. 礫径φ2~50m/mの亜角~亜円礫。礫種は花崗岩質岩主体ときに玉石混入。
8.40m以深 砂質粘土.腐植土含む。
このような土層になり、ここで透水層(地下水があると想定できる層)は地表面より2.60~8.40mまでの砂礫層です。

これを知った上で、1967年に発行された『土木技術』(22巻9、10号)の『福島原子力発電所土木工事の概要』を読むと、福島原発は地下水が豊富で、地盤がもろいかが分かります。
著者は当時の東電福島原発土木課長の佐伯正治さんで、佐伯さんは、「土工事にとって最も重要な問題は排水処理である。当所でもこの問題には大いに悩まされた」と振り返り、福島原発の設置工事は湧水続きで難しかったことが記されています。
そして、地盤についても「湿潤化した場合泥土化してゆるく崩れやすくなる」とも書いています。

民主党に入った衆院議員の辻元清美さんは、昨年10月の経産委員会で福島原発の地下水問題を取り上げています。
「地下水の水圧に押され(略)建屋が浮いてこないように1日850トンもの水を汲み上げて(略)防いできた地層」と指摘していました。
地下室のある建物は多かれ少なかれ”浮いている”と言われています。
これが本当なら、福島原発はプールの中に箱が“浮いている”ようなものだと思います。
水圧はものすごい強さです。
今年の2月20日に公表した東京電力によると、原発敷地内の「H6」というタンク群の1基(容量1000トン)で、ふたと側面の継ぎ目付近から高濃度の汚染水100トンが漏水し、周辺の地面に流れ落ちているのが確認されています。
東電は「海への流出はない」と危機感のない言い回し片をしていましたが、漏水に含まれる放射性物質のストロンチウム濃度は1リットル当たり2億4000万ベクレルで、これは国の基準値の400万倍にもあたります。
「海に流れていないからOK」で済む話ではないのですが、敷地内でも、たった深さ約2m程度の掘削工事で死亡事故が起こるような汚染水で飽和している土質も問題だと思います。
今回の事故も、やはり人災だったと考えざるを得ません。
最悪の事態では、ある日突然、福島原発は敷地ごと“崩壊”するかも知れません。
原子炉ごと海に向かって倒れ込んでしまったら、誰にも制御できません。

あるブログに書いていましたが、福島原発で事故が発生した場合、最寄りの病院まで60キロ以上も離れているのも問題だと思います。
放射能の危険性があるので、普通の病院が閉鎖状態なのは当たり前ですが、それを見越して、福島原発内に東電直轄の治療施設を当然設置していると私は思っていました。
数千人の作業員が働いている職場で、今まで何ら対策をしていなかった東電には呆れてしまいます。

事故があった現場では、基礎杭の補修作業中だった(写真:東京電力)

事故があった現場では、基礎杭の補修作業中だったそうです。
写真で見る限りでは地下水はないみたいですが、それにしてもこんなに危険な現場で、コンパネを単管で支えるだけでは土圧や水圧には耐えられないと思います。
周りを矢板等で囲むくらいの安全性が必要だと思います。

福島第一原発で掘削作業中の作業員が死亡・・・固体廃棄物貯蔵庫近くのコンテナ倉庫付近で土砂の下敷きに
事故現場と原子炉との位置関係です。


事故現場の背後にはタンクがいっぱいあります。
地下の土質は、地下水で飽和していることは容易に想像できます。
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