「浜」と「磯」について

海岸の地形は、大きく分けると「浜」と「磯」の二つに分けられます。

ある辞書によると、「浜」は、海や湖の水際に沿う平地となっています。
これに対して、「磯」は、海や湖の波打ち際のことで、特に石の多い海岸を指すことが多いと書いています。
単純に捉えると、岩石の多さだけが問題のようです。
普通の基礎知識としてはこれで十分なのですが、実際には「浜」には「磯」も含まれています。
つまり、「浜」の中に「浜」らしい「浜」や「磯」らしい「浜」があることになります。

この「浜」ですが、辞書では海岸線の一定地域を指し、「浜」は海や湖に沿った水際の平らな所と言っています。
しかし、これではどこからどこまでを指すのかはっきりしていません。
その詳しい範囲としては、厳密には干潮水面から満潮水面の少し上で、暴風時に海水が来る所までを指すようです。
「浜」の上端が海岸線となります。
「浜」はさらに詳しい呼び方があり、満潮水面に波の遡上する高さを加えた位置を境に、
それより上を後浜(あとはま back shore)
それより下を前浜(まえはま foreshore)
と呼んでいます。
また、「浜」をより沖側まで取り、可動性堆積物が存在する限界までを指すことがありますが、この時には、
前浜より沖で、砕波帯までを内浜(うちはま inshore)
それより沖を外浜(そとはま offshore)
と呼んでいます。゜
私たちが把握している、水深が浅く足場が拡がる水辺が、一般に「浜」と呼ばれています。
この「浜」には、「砂浜」に加えて、砂利で形成された「砂利浜」(渚釣りなどチヌ狙いの人がよく通うポイント)や、丸いゴロゴロとした石で形成された「ゴロタ浜」もあります。
「砂利浜」や「ゴロタ浜」も含めると、潮干狩のできるような海岸も「浜」と呼べることになりますが、これらから「浜」と「磯」との区別をすると、つまりは石が多いのではなくて岩石か岩盤かの違いになります。

海岸でする釣りのことを、私たちは「磯釣り」と呼んでいます。
この「磯」は、「浜」の中の一部と先に述べましたが、でもやはり区別したいものです。
磯は元は「石」と書いていたそうです。
辞書では、海や湖の水際で石の多い所となっています。
そうしますと、「磯」はワカメやサザエ、アワビなどが採れたり、磯釣りが楽しめる、岩や石のある海岸ということになります。
もっと狭義に考えると、石の海岸は「浜」なので、岩、つまり岩盤が露頭している海岸が「磯」と言うことになります。
「磯」にもいろいろな呼び方があります。
陸地続きの「磯」は、「地磯」と呼んでいます。
「地磯」でも水深が浅く流れがとろく、浜伝いの「磯」を、特に「小磯」と呼んでいます。
「沖磯」はその名の通り、沖に位置する「磯」で、渡船で渡る必要があります。
「沖磯」でも陸地に近い「磯」を「地方寄りの磯」とい呼ぶときもあります。
「磯」は、地方では様々な方言で呼ばれています。
一般に紀州ではハエ、ハイ、若狭ではグリ、関東では瀬など様々です。
大きい「磯」から少し離れた小さな「磯」を指すときは、ハナレと呼ぶことが多いようです。
小さいものを特にチョボとよんだり、紀州ではコジと呼んだりします。
たいていの「磯」には固有名称が付けられていますが、「地磯」には名前の付いていないところが多く、こういった「磯」は「無名磯」と呼ばれています。

最近は海岸が埋め立てられ、浜辺が少なくなってきています。
浜辺にいる「ちどり」を「浜ちどり」と言い、磯辺にいれば「磯ちどり」と言い、歌や俳句にもよく出てきます。
ただし、これが埋立て地になると「何ちどり」になるのか疑問です。
自然がなくなると、情緒もなくなり、言葉もなくなるのでしょうか。
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