現場透水試験

ボーリング調査において孔内試験でよく行われている現場透水試験について調べてみました。

現場透水試験は、地盤の透水性の指標である透水係数を現地で直接求める試験です。
透水係数は揚水試験で求める方法が、より精度は高いとは思いますが、簡便的な方法として調査ボーリング孔(単孔)をよく利用しています。

(1)目的
地盤の透水係数を簡便に求める試験です。
透水係数は、地盤掘削時の地下水排水量の計算や、雨水浸透桝などの設計に用いられます。

(2)試験方法
以下の手順で行います。
尚、手順は回復法によるものです。
①試験深度の手前までボーリングします。
②同じ深度までケーシングを入れます。
③透水区間が目詰まりしないように清水でボーリングします。
④清水を循環させスライムの除去と孔内洗浄を行います。
⑤ポンプかベーラーで地下水を汲み出します。
⑥地下水位低下後の回復状況を、0.5,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,15,20,30,45,60分程度の間隔で測定します。
⑦水位変動がなくなるまでか、もしくは翌朝に水位を測定して平衡水位(安定水位)とします。

(3)解析
水位(対数目盛)と経過時間(算術目盛)との関係をプロットし、初期の直線部分の傾きmを求め、次式から透水係数kを算定します。
①不圧地下水
k=0.66×d^2×log(2L/D)×m/L
②被圧地下水
k=0.66×d^2×log(4L/D)×m/L
ここに、
k:透水係数(cm/sec)
m:グラフの初期直線部分の傾き
log(S1/S2)/(t2-t1)
d:測定パイプの内径(cm)
D:試験(透水)区間の直径(cm)
L:試験(透水)区間の長さ(cm)
水位差Sは 測定水位-安定水位(平衡水位)で求めます。

(4)留意点
留意点としては次のようなことがあります。
①原位置において、地盤の透水性を簡便に求める試験方法ですが、k=10-4~-3(cm/sec)程度の地盤に適用する試験であり、砂礫などの高透水性の地盤、シルトなどの低透水性の地盤には信頼性が低くなります。
②建設計画の湧水を取り扱う場合、湧水に関連する地盤は広範囲であり、現場透水試験が対象とした透水区間近傍の透水性だけから地盤の透水性を評価するのは、試験数量を増やす計画地全体の地盤構成と粒度組成を確認するなどの工夫が必要です。
③試験方法は、透水区間を作成する時に、地盤の状態を保持して仕上げることが大切で、目詰まりがないようにする技術が要求されます。
④測定された平衡水位が、真にその帯水層の水位となるように対象とする帯水層に確実にシールを行う必要があり、行われない場合、透水性を評価できません。
⑤地下水位が確認されない場合や、地下水位が深い場合などは回復法での試験は困難になります。
その場合は注水法での試験は行うことはできる場合もあります。

(5)関連する試験
関連する試験には次のものがあります。
①揚水試験
実際に揚水して揚水量と水位低下の関係から帯水層定数(透水量係数、貯留係数)を求めます。
高価だが確実で、時間を考慮した地下水解析が可能となります。
②スラグテスト
高透水性地盤に適しており、水位の自動計測システムとあわせて 水位回復直後のデータから測定を行い、孔内の水位変化と時間を自動的に記録します。
③湧水圧測定
本来岩盤の試験方法ですが、パッカーと自動計測システムを有した試験で、これを現場透水試験に利用します。
④電気検層
帯水層区分を行うのに便利で正確な判断が可能となります。
⑤粒度試験
透水係数を実験式から推定します。
安価なので、組み合わせると良いデータになります。
⑥流速・流向測定
原位置で、地下水の流速・流向を測定します。
導水勾配が分かれば透水係数を算出できます。

●参考文献
地盤工学会「地盤調査法」
関東地質調査業協会「ボーイング孔を利用した」原位置試験についての技術マニュアル」
西垣 誠先生「単孔式現位置透水試験法の諸問題」井戸とポンプVol.28

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