上海の大気汚染とPM2・5

大気汚染の指数の一つにPM2・5があります。

このPM2・5は、微小粒子状物質です。
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子です。
そして、このPM2・5の濃度が、上海で今月に入りものすごい値になっています。
12月6日の夕方には、24時間平均で、472μg/m³マイクログラムを記録したそうです。
どのくらいすごい値かというと、日本の環境基準では、1年平均値が15μg/m³以下、かつ1日平均値が35μg/m³以下と、2009年9月9日告示の「微小粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準について」で決めています。
日本で外出を控えるよう注意喚起する指針値でも70μg/m³までです。
そして、大気汚染指数としては6段階あり、このうち最悪の「深刻な汚染」では、301μg/m³以上となっています。
日本の指針値の実に7倍近くで、大気汚染指数としてはもうすでに最悪に達しています。
上海で長期滞在する日本人は約5万7千人いるそうです。
11月から5月にかけては、PM2・5の濃度は、黄砂などで高濃度になりやすい時期に入るそうです。
それにしてもひどい状態で、写真を見る限りでは、数百メートル先のビルがかすんでほとんど見えず、道路では日中から車がヘッドライトをつけて走行しています。
高速道路も一部区間が閉鎖され、街では歩行者の多くがマスクをして足早に屋内に向かっている状況です。

PM2・5は、髪の毛の太さの1/30程度と非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響(肺がんやぜんそく)に加え、循環器系への影響があります。
すでに、各地の病院では呼吸器科を受診する人が激増し、住民の生活に支障が出ているそうです。

粒子状物質には、物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものとがあります。
発生源としては、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機等、人為起源のもの、さらには、土壌、海洋、火山等の自然起源のものもあります。

この微小粒子状物質PM2・5は、上海だけに止まらず、日本にも来てしまいました。
九州・山口の各地で6日午後にかけ、PM2・5の濃度が急速に上昇し、1時間ごとの測定値が一時、100μg/m³を超えたそうです。
福岡管区気象台によると、12月6日は中国大陸から北西の風が九州に入り込んだため、PM2・5が到達しやすい気象条件だったとのことです。
最高は福岡市西区の122μg/m³(午後2時に記録)です。
他には、福岡市役所は110μg/m³でした。
福岡市では昼休みに「窓を閉めて、外に出ないように」と放送した小学校もあったそうです。
佐賀県唐津市で112~121μg/m³、熊本県では益城町110μg/m³、八代市109μg/m³、山鹿市108μg/m³を観測しました。
長崎県では壱岐市108μg/m³、佐世保市108μg/m³、長崎市103μg/m³です。
山口県の周南市、山陽小野田市で99μg/m³です。
大分県大分市では98μg/m³を観測しています。

まさにとばっちりです。
日本も、原発の放射能を撒き散らしているので文句はいえないのですが、なにも事故がなく自然な状態でこんなにも大気汚染が深刻では、もう数年で住めなくなるような気がします。
中国は、環境基準があまりにもずさんです。
アメリカでは、PM2・5対策の先進国として、既に1997年にPM2・5の環境基準を定め、様々な施策を講じています。
アメリカ各地域を環境基準に照らして「未達成地域」「達成地域」「未分類地域」に指定し、「未達成地域」に指定されると達成計画(SIP)を作成することが義務付けられ、期日までに環境基準を達成しなければならないそうです。
この施策によって、未達成地域のPM2・5環境濃度は減少し、環境基準を達成する地域も出てきているそうですが、日本をはじめ、他国の影響を考えると、中国には抜本的な対策を望みたいと思います。

上海など深刻な大気汚染 「PM2・5」600マイクログラム超えも
深刻な大気汚染に見舞われた中国上海市の様子です。
スポンサーサイト
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR