速度検層(PS検層)について

物理探査法の一つに速度検層があります。
ボーリング孔を利用してP波とS波を測定するのでPS検層とも言います。
この測定方法として
①ダウンホール法
②サスペンション法

の2方法があります。

(1)ダウンホール法
1)測定方法
測定は3成分受振器をボーリング孔の測定深度まで降下させ、ゴムパッカーまたは開閉アームによって孔壁に圧着固定します。
地表で起振されたP波・S波を孔内の受振器で受振し、得られた波形は地表の収録装置に記録されます。
P波のみを測定する場合には、多連式のジオフォンまたはハイドロフォンを受振器として用いる場合があります。
震源として、
①P波は、地面強打法(ハンマーによる打撃,重錘落下等)
②S波は、板たたき法とし、左右から行い波の反転を確認
が多くなっています。
解析は、観測波形から初動走時時間を読み取り、作成した走時曲線の傾きから速度と区間深度を求めます。
2)利用上の注意点
多連式受振器によるP波検層では孔内水が必要となります。
孔内水以浅の記録は取得できないため、別途孔壁圧着型の受振器を併用して測定を行なう必要があります。
起震位置は、測定時のノイズとなるチューブウェーブを避けるため、一般に孔口から数m程度離す必要があります。
特にケーシングが挿入された孔については、ケーシングを伝わる弾性波もノイズとなるため、起震位置については充分な検討が必要になります。
孔壁と保護管がしっかり密着していない区間では、弾性波の伝播が妨げられ測定が非常に困難となります。
ダウンホール法は、地盤の大局的な速度構造を把握する方法です。
詳細な速度分布(1m区間毎)を把握したい場合は、サスペンション法で行う必要があります。



(2)サスペンション法
1)測定方法
サスペンション法のPS検層は、ダウンホール法のPS検層とは異なり、孔内で起振と受振を行います。
測定は、
①振源と2組の受振器が組み込まれたゾンデ部
②波形記録・制御機能を有する地上装置
③ゾンデを移動させるためのケーブルウインチ

から成っています。
振源は、ソレノイドハンマーによって振動板を打撃することにより、孔内水を介して孔壁に振動を与える間接加振型振源です。
受振器は、孔壁を伝播してきた波動によって励起された孔内水の動きを検出する漂遊型受振器です。
受振器には、水平動1成分の換振器と、P波観測用ハイドロホンを1組とする受振ユニットが1m間隔で2組内蔵されています。
孔壁を伝播してきた振動は、受振器で電圧信号に変換され増幅された後、ケーブルを通じて地上装置に送られ、地上の記録装置に記録されます。
それと同時に、CRTディスプレイ上に表示されるとともに、プリンターへ波形記録として記録されます。
受振器で得られた波形は、地表の収録装置に記録されます。
起振周波数が高いため、ダウンホール法に比べて分解能が高いのですが、孔壁の乱れの影響を受けやすい欠点もあります。
2)利用上の注意点
詳細な速度分布(1m区間毎)を把握したい場合は、ダウンホール法ではなくサスペンション法で行います。
サスペンション法は裸孔での測定が基本ですが、困難な場合は、開口率を多くしたVP65内で行うこともあります。
ゾンデの構成上(測定区間である受振器位置より下に震源や駆動装置などがある)、余掘りが5m程度必要となります。



(3)調査結果の利用方法
①P波
・地層の硬軟・風化の状態・破砕の程度・亀裂の多少などを確認し,地山の状況や地盤の掘削性について判定
・地表で行う弾性波探査屈折法の解析
・解釈時のコントロールデータとして用いる
②S波
・地盤の応答計算の入力値や地盤種別の分類などに利用する
・S波はP波と違い水の影響をほとんど受けないため、未固結層の地盤状況の推定に用いる
・ポアソン比,剛性率,ヤング率の算出に用いる(剛性率,ヤング率の算出には密度値が必要)

(4)速度検層の目的
①構造物の耐震設計に必要な地盤構造と動的な地盤特性の把握
②導水路トンネル、地下鉄、共同溝や埋設管などの施工を行うにあたっての地盤状況の把握
③橋梁基礎や高層建築物など支持層の地盤状況の把握
④地盤改良効果測定
⑤基礎杭の根入れ深度測定
⑥掘削深度よりも深い部分の地層状況の把握
このように、ボーリング調査と併用して実施される速度検層は、これらの要望に最適な地盤調査法であり、近年多用されている調査手法です。
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