火山の噴火と枕状溶岩

火山は、時として噴火することがあります。
そして、この噴火は、いろいろな条件の下で種々の様式をとっています。
火山学者はこれを、代表的なタイプに分類し、命名しています。

(1)噴火の分類
①ハワイ式噴火
キラウエア山、マウナ・ケア山など、ハワイ島の火山でよくみられる噴火様式です。
流動性が高く、揮発性成分が少ないマグマが起こす噴火です。
爆発は起こらず、大量の溶岩が高速で流出します。
②ストロンボリ式噴火
イタリアのストロンボリ火山でよくみられる噴火様式です。
ハワイ式噴火より少し流動性の低いマグマが、間歇的に小爆発を繰り返し、スコリアや火山弾を放出します。
液体状の溶岩流も見られます。
③ブルカノ式噴火
ストロンボリ火山に近いブルカノ火山でよくみられる噴火様式です。
近年の桜島や浅間山の噴火がこの様式で、日本の火山はこの噴火が最も多く見られます。
粘性が高い安山岩質マグマの場合に多く、爆発に伴って、火山灰、火山礫、火山岩塊を大量に噴出します。
溶岩流は、半ば固化した塊状溶岩(ブロックラバー)となって、流動速度は遅いのが特徴です。
ブルカノという名称は、英語の Volcano(火山)の語源ともなりました。
④プレー式噴火(プリリー式噴火)
溶岩ドームからの小規模火砕流となることが多く、被害が大きくなりやすいのが特徴です。
ムラピ山(2006年)、セント・ヘレンズ山(1980年)などがあります。
⑤プリニー式噴火
ローマ時代のポンペイ、ヘルクラネウムなどを埋めたことで有名な、1979年のヴェスヴィオ火山の噴火の様式です。
この噴火を詳細に観察し、後世に記録を残したプリニウスにちなんで、プリニー式と命名されました。
基本的には、ストロンボリ式噴火の大規模なものであり、火山灰や軽石などから構成される噴煙柱は、成層圏に達します。
この噴煙柱が崩壊すると、巨大な火砕流(中規模火砕流)が発生し、広範囲に被害を及ぼします。
日本では、富士山(宝永大噴火)、や1783年の浅間山などがあります。
⑥ウルトラプリニー式噴火(カルデラ噴火、破局噴火)
火山の噴火としては最大級で、地下のマグマが一気に地上に噴出する壊滅的な噴火形式で、しばしば地球規模の環境変化や大量絶滅の原因ともなっています。
大規模なカルデラの形成を伴うことからカルデラ破局噴火と呼ぶ場合もあります。
また、そのような噴火をする超巨大火山をスーパーボルケーノとも呼んでいます。

(2)溶岩の形態
そして、どのような火山でも、噴火とともに溶岩が出てきます。
この溶岩(熔岩、ようがん、lava)の意味は、ほとんどの人が知っているとは思いますが、簡単に説明すると、火山の噴火時に、火口から吹き出たマグマを起源とする物質のうち、流体として流れ出た溶融物質と、それが固まってできた岩石のことです。
そして、この溶岩もまた、流動しながら冷却固化するため、さまざまな形態を示しています。
①パホイホイ溶岩
ハワイなど最も流動性の高い溶岩が固化した形状です。
表面が平滑で丸みを持ち、波状や縄状の模様が見られます。
語源はハワイの土語に由来しています。
②アア溶岩
三原山や富士山の玄武岩質溶岩で見られる形状です。
表面がガラガラのクリンカーで覆われていて歩きづらいのが特徴です。
語源はハワイの土語に由来しています。
③塊状溶岩
アア溶岩よりも流れにくい溶岩の形状です。
流れが遅いので表面の固化と崩落を繰り返しながらゆっくり前進するため、岩塊状の溶岩流が残ります。
桜島などの安山岩質溶岩に多いのが特徴です。
④枕状溶岩
陸上のパホイホイ溶岩に相当します。
水中に噴出した場合、直径数十cmの楕円形を積み重ねたような枕状溶岩を形成し、俵状溶岩とも呼んでいます。
表面構造としてはしわ構造、拡張割れ目、収縮割れ目、引張割れ目などがありますが、外皮が水冷破砕してハイアロクラスタイトに遷移することも多いのが特徴です。
玄武岩質~流紋岩質のどの溶岩においても形成されます。
アア溶岩に相当する溶岩が水中に噴出した場合は、クリンカー部が水冷破砕するため枕状溶岩とはなりません。
場合によっては、水蒸気爆発を起こして砕屑丘や偽小火口群を作ることがあります。
⑤溶岩ドーム
デイサイト質の溶岩がゆっくり地上に出て来た場合、溶岩はほとんど流れず噴出場所に高く盛り上がります。
これを溶岩ドーム(溶岩円頂丘)と呼んでいます。

(3)枕状溶岩について
この溶岩の中で、一般の岩石に形状がよく似ている枕状溶岩(まくらじょうようがん pillow lava)について、より詳しく説明します。
枕状溶岩とは、溶岩流が水中で冷却固結した岩体の一種で、丸太状または俵状の団塊の積み重なりから成っています。
ガラス質の緻密な薄い皮殻をもち、中心部に放射状の節理があるのが特徴です。
これをもっと詳しく説明すると、水中で溶岩が流れると、表面が水によって急に冷やされ、ガラス質の殻ができます。
でも、内部はまだ高温なのですぐには固まらず、マグマ(液体)の詰まったチューブ状の袋のような形になります。
マグマは、次々と供給されるので表面の冷えた殻を破って流れ出し、それがまた次のチューブ状の形をつくります。
これが繰り返されて、枕状溶岩の積み重なりが出来ます。
枕状溶岩はこのようにしてできるので、溶岩が水中に流れたことの証拠になります。
また、地層の上下判定や、新鮮なマグマの急冷ガラスが残っていることなど、地質学的に使い道の多い、便利な存在となっています。
枕を横から見た形に似ていることからこの名前があり、楕円体またはソーセージ状の溶岩塊が重なったものとして、俵状溶岩とも呼んでいます。
個々の塊(枕)は、最大径数10cm~数mです。
枕は、先に述べたようにガラス質の殻をつけ、内部は発泡していたり中空のこともあります。
断面でみると放射状の割れ目が発達しており、このため車石とも呼ばれています。
「根室車石」が有名で、これは玄武岩質の枕状溶岩です。
そして、同心円構造も見られます。
枕は大きなすき間があかないように、生成時の塑性変形により上位のものがすき間に垂れ下がり、堆積当時の上下方向を記録しています。
枕の間は枕と同質細粒のハイアロクラスタイト、泥岩、石灰岩などが埋めています。
愛媛県では、西予市城川町周辺で見られ、枕状溶岩を含む玄武岩の周辺には、チャートや石灰岩、泥岩や砂岩が分布しています。


水中で溶岩が流れると、溶岩流の表面が水で急冷される
ために、チューブ状にのびた独特のかたちで溶岩が積み
重なっていきます。
これを断面で見ると、俵や西洋枕が積み重なっているよう
に見えるので、枕状溶岩と呼ばれています。

枕状溶岩の様子

愛媛県上浮穴郡旧柳谷村川成丸の枕状溶岩の露頭です。


「根室車石」として有名な花咲灯台の下の海岸に露出する
玄武岩質の枕状溶岩です。
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