アメリカのデビルスタワー

アメリカ・ワイオミング州北東部に存在する巨岩は、「デビルスタワー」と呼ばれています。

この地域では、約2億年前の中生代三畳紀から始まったロッキー山脈の造山活動の際に併発して大々的な火山活動が起こり、地下のマグマが堆積岩の突き破りながら地上に向けて昇り、巨大な溶岩の塊はそのまま冷えて固まりました。
その後、ロッキー山脈の隆起活動につれて周辺の大地が隆起し、巨大な溶岩の塊が残りました。
地質用語では、マグマが活動した後に冷えて固まった火成岩であり、「岩頸」と呼ばれています。
溶岩である「岩頸」は冷えた後、周囲の堆積岩より硬かったため、長年にわたり堆積岩が浸食・削剥された後もこの巨大な溶岩の塊がそのまま残ったそうです。
この「デビルスタワー」(Devils Tower)の岩質は「響岩質斑岩」で、冷却する際に「柱状節理」という垂直方向の割れ目が発達しています。
斑岩(はんがん、porphyry、ポーフィリー)は、斑状組織をしていますが、石英を含まず、正長石の斑晶を含む火成岩です。
岩脈として産することが多いのが特徴です。
響岩(きょうがん、phonolite、フォノライト)も、石英を含まず、準長石(霞石など)を含む火山岩のことです。
「響岩質斑岩」ですから、斑状組織をし、石英を含まず、正長石の斑晶を含む火成岩で、準長石も若干は含んでいると思います。
日本では、アルカリ分に富んだ岩脈として見られています。
高さは386m(海抜1558m)あり、頂上は91m×55mの広さがあります。

ロッキー山脈は、古いもので超大陸(大陸移動の間で大陸がひとつに固まっていた時代)の頃の6億年以上前に形成されたものから、新しいものでは、中生代白亜紀後期約6500万年前に形成されたものもあります。
山脈自体は大陸移動の際に生じた皺寄せから来る褶曲運動で形成されていますが、地質は火成岩と変成岩(12億~33億年前)という火山岩から成り立ち、南部のほうでは堆積岩も見られます。
山脈のほとんどが約180万年前から1万年前までにかけて周期的に繰り返された氷河による影響を受けており、北部のグレーシャー国立公園には僅か150年前から400年前の小氷期に前進した氷河の跡が残っています。
ロッキー山脈は、その膨大な雪解け水がアメリカ西海岸の生活には重要な役割を果たしています。
ロッキー山脈の水源は、アメリカで供給される水の4分の1を補っているそうです。

「デビルスタワー」は、アラパホ族など先住民族が主に熊信仰の対象として様々な呼び名を付けていたそうですが、この地を探検したアメリカ軍人の通訳が、初め「悪神のタワー」と誤訳したことで、後に「デビルスタワー」と呼ばれるようになったそうです。
この「デビルスタワー」は、1977年のスティーブン・スピルバーグ監督の映画「未知との遭遇」で使われています。
「未知との遭遇」は、世界各地で発生するUFOとの遭遇事件と、最後に果たされる人類と宇宙人のコンタクトを描いた映画です。
当時まだCG等が無かった時代なので、巨大な宇宙船や宇宙人の描写があまりにもリアルで一大プレミアとなったと記憶しています。
この映画のメインシーンでもある宇宙船の降り立つ場所として使用され一躍有名になりました。
今では、年間40万人の観光客が訪れ4千人が登頂を試みています。

世界の岩24
「柱状節理」は、日本でも東尋坊など、いろいろな所で見かけます。
但し、一つの岩山となると、この「デビルズタワー」はすごい迫力です。
黄金に光っていて、天にも昇るような岩山です。
スポンサーサイト
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR